下村隆一
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下村 隆一(しもむら りゅういち、1928年 - 1969年11月)は日本のスウェーデン文学研究者、翻訳家。
経歴
[編集]大阪市出身。東京大学経済学部在学中、原因不明の熱病で声がつぶれ足が不自由となり中退する。以降は杖の手放せない生活を最期まで送ることとなった。
その後兵庫県宝塚市に在住し、神戸在住のスウェーデン人にスウェーデン語を学び、山室静に相談してスウェーデンの児童文学の翻訳を始める。
1968年より、トーベ・ヤンソンの代表作『ムーミン』シリーズ二作のほか、いくつかのスウェーデン児童文学を翻訳したが、散歩している最中に自動車事故に遭い、41歳で急死した。このとき進めていたエディト・ウンネルスタード作の『すえっ子Oちゃん』の訳は未完に終わったが、下村の遺族から依頼を受けた石井桃子による加筆・修正が施された上で、1971年に出版された。
翻訳
[編集]- 『ムーミン谷の夏まつり』(講談社、トーベ・ヤンソン全集) 1968、のち文庫
- 『ノロちゃんのおとぎ話』(エディト・ウンネルスタード、学習研究社) 1968
- 『ラルーの決心』(エイメ・ソンマーフェルト、講談社、世界の名作図書館) 1969
- 『ムーミン谷の彗星』(講談社、トーベ・ヤンソン全集) 1969、のち文庫
- 『すえっ子Oちゃん』(エディト・ウンネルスタード、石井桃子共訳、学習研究社) 1971 - 解説は石井桃子が担当
- 『ペッレ君のゆかいな冒険』(エディト・ウンネルスタード、講談社) 1971 - 解説は山室静が担当
- 『長くつ下のピッピ』(アストリッド・リンドグレーン、偕成社、偕成社文庫) 1988