コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

三語族

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

三語族(さんごぞく)は、1980年代初期の日本に登場した「ウッソー」「ホントー」「カワユーイ」(または「ヤダー」)の三語を常用するギャルのことである[1][2][3][4]三語ちゃんとも呼ばれていた[1]

三語族は前記の語の他に「スゴーイ」[5][6](「スッゴイ」[4])、「エエッ」[4]、「キモチワルーイ」[4]、「ベツニー」[4]、「シンジラレナーイ」[5][6]、「バッカミタイ」[1][5][6]も常用していたとされる。

当時流行していた変体少女文字(丸文字)が文字の化粧に相当するのと同様に、これらの語は言葉の化粧に相当するとする説が存在する[7]。また朝日新聞社の榊原昭二はこれらの語を「言葉の省エネ時代」によるものと評価した[8]

男の子の方は「ヨー」「オー」「アー」「まあナ」の四語を常用していたとされる[1][9][4]

類似する族

[編集]

夫の三語族

[編集]

「風呂」「飯」「寝る」しか喋らない夫が(夫の)三語族と言われることもある[10][6]

この三語しか喋らない夫は、1969年に発表された遠藤周作のユーモア小説『大変だァ』に登場する。

3D族

[編集]

1984年ごろよりは「だって」「でも」「どうせ」の三つのDが付く語を口癖とする若い OL3D族 と呼ばれるようになった[6][11][12][13]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d 榊原昭二『'80年代世相語ガイド 下』〈朝日ブックレット〉p.16 朝日新聞社、1983年10月1日 [1]
  2. ^ 現代用語の基礎知識 '87』自由国民社、1987年1月、p.1187
  3. ^ 西島建男『カラ元気の時代―80年代文化論』朝日新聞社、1991年1月1日、[要ページ番号] ISBN 978-4022562517
  4. ^ a b c d e f 稲垣吉彦『人を動かす話術の研究』 PHP研究所、1984年9月1日、pp.113-114 ISBN 978-4569213941 [2]
  5. ^ a b c 「続・死語ノート」『世界』659号、岩波書店、1999年、p.320
  6. ^ a b c d e 死語研究会『死語大辞典』彩図社、2008年12月24日、p.76 ISBN 978-4883926626
  7. ^ 柳田邦男 編『同時代ノンフィクション選集 第11巻 日本人の変容』、文藝春秋、1993年、p.57 ISBN 416-5113107
  8. ^ 榊原昭二『'80年代世相語ガイド 上』〈朝日ブックレット〉 p.3 朝日新聞社、1983年10月1日[3]
  9. ^ 週刊新潮』第26巻39号(通巻1324号) 新潮社、1981年10月1日、pp.95 - 97
  10. ^ 『月刊官界』第14巻10号、行政問題研究所、1988年10月、p.36 [4]
  11. ^ 世界大百科年鑑 1984』平凡社、1984年、p.66 [5]
  12. ^ 『日本教育年鑑 '85』日本教育年鑑刊行委員会、1985年1月、p.279 [6]
  13. ^ 『社員教育全書』清和會、1985年、p.246

関連項目

[編集]