旧三上家住宅
旧三上家住宅 | |
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情報 | |
用途 | 史跡 |
旧用途 | 商家 |
所在地 | 京都府宮津市河原1850 |
座標 | 北緯35度32分17.2秒 東経135度11分27.8秒 / 北緯35.538111度 東経135.191056度座標: 北緯35度32分17.2秒 東経135度11分27.8秒 / 北緯35.538111度 東経135.191056度 |
文化財 | 重要文化財 |
指定・登録等日 | 2003年12月25日 |
旧三上家住宅(きゅうみかみけじゅうたく)は、京都府宮津市にある史跡。
三上家は江戸時代に酒造業・廻船業・和糸問屋などを営んでおり、宮津城の城下町有数の商家だった[1]。宮津市内で唯一北前船時代の繁栄を現在に伝えている[2]。
歴史
[編集]三上家の歴史
[編集]三上宇兵衛の次男である三上勘兵衛は安永5年(1776年)に分家し、宮津城下の現在地に屋敷を構えた[1]。天明3年(1783年)2月には城下町を焼いた宮津大火(晒屋火事)で屋敷が焼失したが、同年12月には主屋棟の再建がほぼ完成した[1]。外観は美しい漆喰の白壁の造りである[1]。火事の反省から住宅全体を土蔵同様の耐火構造としている[1]。
以後にも三上家が発展するとともに増築や改築を行い、文政3年(1820年)には主屋の南側に新座敷棟を増築し、天保8年(1837年)には庭座敷棟を増築した[1]。天保9年(1838年)に宮津藩を視察に訪れた幕府巡見使を迎えた際には、表門と玄関を増築した[1]。慶応4年(1868年)山陰道鎮撫総督西園寺公望が宮津藩受取りのため、三上家住宅を本陣とした[3]。
三上勘兵衛本店は「都小町」「大天橋」などの銘柄で日本酒を作っていた。三上家の酒造業は1975年(昭和50年)まで続いた[4]。近くには享保年間創業とされる袋屋醤油店などもあり、尾藤家11代当主の尾藤庄蔵が取得してからは尾藤家の経営となっている[5]。
宮津市取得後
[編集]1989年(平成元年)には主屋などが京都府指定有形文化財に指定された[1]。2000年(平成12年)3月17日には庭園が京都府指定名勝に指定された[1]。2003年(平成15年)12月25日には主屋をはじめとする8棟が国の重要文化財に指定された[1]。
2017年(平成29年)4月、文化庁により、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリー「日本遺産」の「丹後ちりめん回廊」を構成する文化財のひとつに認定された[6][7]。
三上家庭園
[編集]敷地の南側には宮津藩御用庭師の江戸金の作庭と伝えられる[8][9]庭園がある[1]。天保8年(1837年)に増築された庭座敷棟からの眺望がよいように設計されている[1]。庭園にある池は細長く伸び、低めの築山には起伏に富んだ石が据えられている[1]。幕府巡見使、西園寺公望、有栖川宮熾仁親王などが当家を訪れて庭園を観賞したとされる[1]。2000年(平成12年)3月17日には庭園が京都府指定名勝に指定された[1]。
建物
[編集]2003年(平成15年)12月25日には以下の8棟が国の重要文化財に指定された。
- 主屋 : 天明3年(1783年)完成。一部2階建、入母屋造、妻入、桟瓦葺及び鉄板葺。
- 新座敷 : 江戸時代後期完成。一部2階建、切妻造、桟瓦葺。
- 庭座敷 : 天保8年(1837年)完成。切妻造、桟瓦葺。
- 表門 : 天保9年(1838年)完成。切妻造、桟瓦葺。
- 酒造蔵 : 文政13年(1830年)完成。2階建、切妻造、桟瓦葺。
- 釜場 : 文政13年(1830年)完成。切妻造、桟瓦葺。
- 道具蔵 : 江戸時代後期完成。2階建、切妻造、桟瓦葺。
- 什器蔵 : 江戸時代後期完成。2階建、切妻造、桟瓦葺。
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庭座敷
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表門
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酒造蔵
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釜場
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道具蔵
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什器蔵
利用案内
[編集]- 開館時間 : 9時から17時
- 休館日 : 年末年始のみ
- 入場料 : 一般350円、中学生以下250円
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “天橋立観光協会(旧三上家住宅)”. 天橋立観光協会. 2017年12月25日閲覧。
- ^ 『宮津港』 国土交通省(1頁)
- ^ “旧三上家住宅”. 京都府観光ガイド. 2018年1月2日閲覧。
- ^ 『宮津港』 国土交通省(2頁)
- ^ 『丹後人名銘鑑 上』丹後人名銘鑑編集事務所、1917年
- ^ 文化庁. “日本遺産認定ストーリー一覧”. 「日本遺産(Japan Heritage)」について. 2020年11月11日閲覧。
- ^ 文化庁. “300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊”. 日本遺産ポータルサイト. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “第一回 丹後宮津”. 京都林泉協会. 2018年1月2日閲覧。
- ^ “大小の石を巧みに配置 迫力生む (探訪 京滋の庭)”. 京都新聞. (2001年5月30日) 2018年1月2日閲覧。
参考文献
[編集]- 京都伝統建築技術協会『京都府指定有形文化財三上家住宅整備工事報告書』宮津市教育委員会、2001年
- 旧三上家住宅(京都府宮津市河原) 主屋 文化遺産オンライン
- 『宮津港』(PDF)国土交通省 。
外部リンク
[編集]- 旧三上家住宅 天橋立観光協会