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三ヨウ化クロム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三ヨウ化クロム
三ヨウ化クロムの結晶構造の球棒モデル
識別情報
CAS登録番号 13569-75-0 ×
PubChem 83586
ChemSpider 75416
特性
化学式 CrI3
モル質量 432.710
外観 黒色固体
密度 5.32 g/cm3[1]
融点

600 °C, 873 K, 1112 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

三ヨウ化クロム(さんヨウかクロム、: Chromium (III) iodide, Chromium triiodide)は無機化合物の一種で、化学式CrI3ヨウ化クロム(Ⅲ)に相当するクロム(Ⅲ)ヨウ化物である。黒色を呈する固体であり、他のクロム化合物の調製に用いられる[2]

三ヨウ化クロムは三塩化クロムと同じ結晶構造をとる。その結晶構造は単位胞中に2層の立方最密充填構造をもち、クロムは八面体配位をとる[3]

製法と特性

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三ヨウ化クロムはクロムと大過剰のヨウ素を反応させることで得られ反応は500 °Cで進行する。

2 Cr + 3 I2 → 2 CrI3

三ヨウ化クロムは700 °Cにて分解、二ヨウ化クロムとして昇華する。この二ヨウ化クロムの再ヨウ素化により三ヨウ化クロムを精製できる[2]

室温では、三ヨウ化クロムは酸素と水蒸気に対して安定だが、200 °Cでは酸素と反応してヨウ素を析出する。Cr(III)が速度論的に不活性なため、三ヨウ化クロムは三塩化クロムと同様に水にゆっくりとしか溶解しない。しかし、二ヨウ化クロムを加えると、溶解を加速できる[2]

参考文献

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  1. ^ Perry, Dale L. (2011). Handbook of Inorganic Compounds, Second Edition. Boca Raton, Florida: CRC Press. p. 123. ISBN 978-1-43981462-8. オリジナルの2014-06-18時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140618000743/http://books.google.com/books?id=SFD30BvPBhoC 2014年1月10日閲覧。 
  2. ^ a b c Gregory, N. W.; Handy, Lyman L.; Tyree, S. Young (1957). “Chromium (III) Iodide”. In Moeller, Therald. Inorganic Syntheses. 5. John Wiley & Sons, Inc.. pp. 128–130. doi:10.1002/9780470132364.ch34. ISBN 978-0-470-13236-4. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/9780470132364.ch34 
  3. ^ Handy, L. L.; Gregory, N. W. (1952-02-01). “Structural Properties of Chromium(III) Iodide and Some Chromium(III) Mixed Halides”. Journal of the American Chemical Society 74 (4): 891–893. doi:10.1021/ja01124a009. ISSN 0002-7863. 

関連項目

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