万葉恋歌
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「万葉恋歌」(まんようれんか)は、信長貴富の女声合唱組曲である。
概説
[編集]多治見西高等学校合唱部及び同校卒業生による合唱団「ますらめ」の委嘱により、2006年(平成18年)3月、同団のハンガリー演奏旅行におけるコダーイ・ホールでの演奏会で初演された。指揮=北野良徳。
多治見西高は2004年(平成16年)7月24日、東京で開催された第3回コチャール合唱コンクールにおいてミクローシュ・コチャールの激賞を受けグランプリを獲得した[1]。その後、同校は日本EU青少年交流使節としてハンガリー演奏旅行を実施、コチャール合唱コンクールの審査員の一人であった信長に新曲を依頼した。信長は「日本語を解さない聴衆を前にしての演奏という条件を考えたとき、万葉集は大変ユーティリティが高い素材であるといえましょう。」[2]として、和歌への作曲を構想する。
和歌を用いた合唱曲には複数の和歌をつなぎ合わせて1曲にする手法のものが多いが、本曲は1曲につき和歌1首を充てている。「5曲は春、夏、秋、冬、そして再び春へと時を巡ります。和歌の短詩型をそのまま活かし、各曲は非常に短いものになりました。ある一瞬を切り取り、切り取られたものの中に永遠を感じさせるという和歌の手法を、作曲の原理として用いた結果です。」[2]と信長は言い、難易度は高く、全曲通しても10分程度の短い曲であるが、発表以来多くの合唱団に歌われている。
曲目
[編集]全5曲からなる。全編無伴奏である。
楽譜
[編集]カワイ出版から出版されている。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 「コチャール合唱コンクール グランプリに多治見西高校合唱部」『ハーモニー』130号(全日本合唱連盟、2004年)
- 「万葉恋歌 Love Songs from the Man'yoshu」(講談社インターナショナル、2000年6月30日)ISBN 978-4770026422 - 信長が底本にしたとされる。