一八
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一八(いっぱち)は、古典落語に登場する架空の人物。
キャラクター
[編集]江戸・上方を問わずに活躍している幇間の代表的なキャラクター[1]で、登場する際には常に旦那と共に行動をしている[2]。
とにかくとんでもない目に遭うこともしばしばだが、芸人根性があり、懲りることがない[3]。登場する噺の多くでは野幇間[4]である[5]。「鰻の幇間」では「どっかで見たことのある客」を取り巻こうとして、あべこべに遊興費を支払わされる事態に陥っている[1]。
主な登場作品
[編集]- 『愛宕山』[3]:小判に目がくらんだ結果、千条もある谷に唐傘一本でダイビングする羽目になる。
- 『鰻の幇間』[3]:「何処かで見たことのある客」を取り巻こうとして、あべこべに食事代を払わされた揚句、履物まで持っていかれてしまう。
- 『山号寺号』[3]:若旦那に「どんな物にも『山号・寺号』をつけられたらお小遣いをあげる」といわれ、ない知恵を絞って大奮闘。
- 『たいこ腹』[3]:鍼に凝ったという若旦那に押し切られ、治療の実験台になり世にも悲惨な目にあう。
- 『つるつる』[3]:何年も恋い慕っていた置屋の女中にアタックし、見事恋仲になるものの…?
- 『小いな』[5]::旦那が家に妾を招待する手助けをする。
- 『百年目』[3]:表向きは堅い…とされている遊び人の番頭・冶兵衛に、彼の勤める店の近くで声をかけて怒られてしまう。
脚注
[編集]- ^ a b 『落語登場人物辞典』 14頁。
- ^ 『落語入門百科』 122頁。
- ^ a b c d e f g 『落語登場人物辞典』 15頁。
- ^ パトロンのいないフリーの幇間。
- ^ a b 『落語人物事典』 16頁。
参考文献
[編集]- 北村一夫 『落語人物事典』 社会思想社〈現代教養文庫〉、1978年。
- 相羽秋夫 『落語入門百科』 弘文出版、2000年。ISBN 978-4-875-20217-2
- 高橋啓之 『落語登場人物辞典』 東京堂出版、2005年。ISBN 978-4-490-10667-1