ヴィル・ド・パリ (戦列艦・1764年)
ヴィル・ド・パリ | |
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艦歴 | |
運用国 | フランス海軍 |
建造 | ロシュフォール |
起工 | 1757年 |
進水 | 1764年 |
その後 | 1782年9月沈没 |
戦歴 | 第一次ウェサン島の海戦 フォート・ロイヤルの海戦 チェサピーク湾の海戦 セント・キッツの海戦 セインツの海戦 |
性能諸元 | |
クラス | 90門1等戦列艦 104門1等戦列艦 (1779年) |
全長 | 砲列甲板:54m |
全幅 | 14.6m |
喫水 | 6.7m |
推進 | 帆走(3本マストシップ) |
兵装 | 90門: 上砲列:12ポンド(5kg)砲28門 中砲列:24ポンド(11kg)砲32門 下砲列:36ポンド(16kg)砲30門 104門: 後甲板:8ポンド(4kg)砲14門 (1779年追加) |
ヴィル・ド・パリ (Ville de Paris) はフランス海軍の90門、後に104門1等戦列艦[Note 1]。アメリカ独立戦争において、ド・グラス提督の旗艦を務めていたことで知られる。
建造
[編集]ヴィル・ド・パリは、1757年に90門艦アンペテュ(Impétueux)としてロシュフォールで起工された。軍人で後に政界の有力者となったショワズールによってフランスの町や州から海軍に基金を集める「船の寄付 (don des vaisseaux)」キャンペーンの結果、パリ市民から多くの寄付を集めて建造が行われたため、1762年にヴィル・ド・パリ (「パリ市」の意) と改名された[1]。
ヴィル・ド・パリは1764年に90門1等戦列艦として進水した。この船の完工はちょうど七年戦争の終結直後だった[1]。ヴィル・ド・パリはルイ15世期に建造されたフランスの数少ない3層艦だった。この頃のフランスは財政面の厳しさから、主に64門から80門の2層艦を好んで建造していた。
1779年には、14門の8ポンド砲を後甲板に追加し、104門艦となった。
艦歴とエピソード
[編集]1778年にフランスがアメリカ独立戦争に参戦すると、ヴィル・ド・パリはブレストで任務に就き、ド・グッシェン提督の艦隊で旗艦を務めた。この年の7月には、ド・グッシェン提督の座乗艦としてドルヴィリュー伯爵ルイ・ジロー提督の指揮のもと、決定的でない第一次ウェサン島の海戦を戦った。
1781年3月には、ド・グラス提督の旗艦として20隻の戦列艦を従え、西インド諸島への航海を行った。そして、そこでフォート・ロイヤルの海戦、チェサピーク湾の海戦、セント・キッツの海戦といった数々の海戦に参加した。
1782年4月12日のセインツの海戦において、旗艦ヴィル・ド・パリは重大な損傷を負い、ド・グラス提督共々ジョージ・ロドニー提督のイギリス艦隊に降伏し、捕獲された。この海戦はフランス艦隊の敗北に終わった[2]。
1782年9月、ヴィル・ド・パリはニューファンドランド沖で、グレーブズ提督の艦隊の一員としてイギリス本国に戻る航海の途中、強力なハリケーンに巻き込まれて沈没した。乗組員は1人を除いて全員犠牲となった。この船はイギリス海軍がアメリカ独立戦争で失った20隻の船の1隻となった[3]。
1795年、イギリス海軍はこの船にちなんで、戦列艦ヴィル・デ・パリスを進水させた。
脚注
[編集]- 注釈
- ^ フランスの等級制度では、1690年以降主に3層で80門以上の戦列艦が1等艦("vaisseaux de Premier Rang")として定義されていた。
- 出典
- ^ a b (Meyer & Acerra 1994, p. 115).
- ^ Pierre-Bruno-Jean de La Monneraye, Souvenirs de 1760 à 1791, p. 187, librairie Honoré Champion, Paris, 1998 ISBN 978-2-7453-0079-9 (lire en ligne)
- ^ (Troude 1867, p. 244)
参考文献
[編集]- Michel Vergé-Franceschi, La Marine française au XVIIIe siècle : guerres, administration, exploration, Paris, SEDES, coll. « Regards sur l'histoire », , 451 p. (ISBN 2-7181-9503-7)
- Michel Vergé-Franceschi (dir.), Dictionnaire d'histoire maritime, Paris, éditions Robert Laffont, coll. « Bouquins », , 1508 p. (ISBN 2-221-08751-8)
- Jean Meyer および Martine Acerra, Histoire de la marine française : des origines à nos jours, Rennes, éditions Ouest-France, , 427 p. (ISBN 2-7373-1129-2)
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- Olivier Chaline, La mer et la France : Quand les Bourbons voulaient dominer les océans, Paris, Flammarion, coll. « Au fil de l’histoire », , 560 p. (ISBN 978-2-0813-3327-7)
- Jean-Michel Roche, Dictionnaire des bâtiments de la flotte de guerre française de Colbert à nos jours, t. 1, de 1671 à 1870, éditions LTP, , 530 p. (lire en ligne)
- Rémi Monaque, Une histoire de la marine de guerre française, Paris, éditions Perrin, , 526 p. (ISBN 978-2-262-03715-4)
- Onésime Troude, Batailles navales de la France, t. 2, Paris, Challamel aîné, , 469 p. (lire en ligne)
- Georges Lacour-Gayet, La Marine militaire de la France sous le règne de Louis XV, Honoré Champion éditeur,
- Georges Lacour-Gayet, La marine militaire de France sous le règne de Louis XVI, Paris, éditions Honoré Champion, (lire en ligne)
- Elie Catherine Fréron, L'année littéraire année M DCC LXIV, tome 7, p. 144, chez Ch. J. Panckoucke libraire, Paris Amsterdam, 1764 (lire en ligne)
- Estampe Vue du Vaisseau, la Ville de Paris lancé au port de Rochefort le 19 janvier 1764, chez Mondhare, Paris (voir)