ヴィキングル・オラフソン
ヴィキングル・オラフソン Víkingur Ólafsson | |
---|---|
基本情報 | |
生誕 |
1984年2月14日(40歳) レイキャヴィーク, アイスランド |
職業 | クラシックピアニスト |
活動期間 | 2009 - 現在 |
レーベル | ドイツグラモフォン |
公式サイト |
vikingurolafsson |
ヴィキングル・オラフソン(Víkingur Ólafsson、1984年2月14日 - ) は、アイスランドのピアニスト。
略歴
[編集]ジュリアード音楽院でロバート・マクドナルドのクラスでピアノを学ぶ。2008年卒業。ジュリアード・オーケストラ、アイスランド交響楽団などと共演。オックスフォード大学、レイキャヴィーク大学のマスタークラスで、ピアノを指導。[1]
2016年2月、アイスランドの音楽フェスタ、Vinterfest(冬のフェスタ)のディレクターを務める。[2]
2016年、名門ドイツグラモフォンと専属契約。以降、ほぼ毎年アルバムをリリースしている。また世界各地で演奏活動も活発に行なっている。[3]日本にも4回来日し、リサイタルの他、バイオリンの庄司紗矢香との共演もある。2018年の初来日では庄司紗矢香のバイオリン、ヴラディーミル・アシュケナージ指揮のNHK交響楽団で、メンデルスゾーンの『ヴァイオリン、ピアノと弦楽合奏のための協奏曲』を演奏する。[4][5][6]
リサイタルやデュオ、室内楽に加えてオーケストラとの共演も多く、モーツァルト、シューマン、ブラームス、ラヴェル、グリークなどの他、ジョン・クーリッジ・アダムス、Edmund Finnisなど現代作曲家の作品も好んで演奏している。[2]
コロナ禍でコンサート中止がつづいた間も、BBC(英国放送協会)の「ラジオ4」で無観客ライヴを毎週行ない、100万人以上の人が毎回聴取した。[4]
エピソード
[編集]ヴィキングルは音楽一家に育った。母親と父親はベルリンのUniversität der Künste Berlinで、それぞれがピアノと作曲を学んでいたとき知り合った。母親からピアノを習っていた10歳の誕生日に、叔母から好きなCDをプレゼントすると言われ、「モーツァルトとウェーバーのクラリネット五重奏曲集」を選んだ。レイキャビックのメインストリートにあるレコード店でのことだった。当時、ヴィキングルはモーツァルトのピアノソナタを学んでいた。[7]
母親と父親はどちらもエミール・ギレリスを崇拝しており、一家の伝説的人物だったという。しかしポリーニに関しては意見が分かれた。父親は好んで聴いたが、母親は演奏がやや客観的すぎると感じていた。息子のヴィキングルは父親の側に立ったが、母親の言うことも理解できたという。[7]
12歳のとき、新聞配達をして貯めたお金で、カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「ベートーヴェン全交響曲集」のボックスセットを買った。その頃、ヴィキングルはベートーヴェンのピアノソナタを学んでいた。母親は交響曲を聴くことは、ピアノソナタの理解に役立つと考えていたという。ヴィキングルは年代順に聴いていき、中でもハ長調の楽天的な第1番が最も気に入り、購入した1年間で100回は聴いたとblogに書いている。[7]
ディスコグラフィ
[編集]- 『Debut』 - Debut 2009年(自主レーベルDirrindíより[8]より)
- 『ショパン – バッハ』 - Chopin-Bach 2011年(自主レーベルDirrindí)
- 『冬の旅』 - Winterreise 2012年(自主レーベルDirrindíより:アイスランドのバス歌手、クリスティン・シグムンドソンとの共演)
以下のアルバムはすべて、専属契約したドイツグラモフォンよりリリース *日本での販売はユニバーサルミュージック_(日本)
- 『フィリップ・グラス – ピアノ・ワークス』 - Philip Glass – Piano Works 2017年
- 『ヨハン・セバスチャン・バッハ』 Johann Sebastian Bach 2018年
- 『ドビュッシー – ラモー』 Debussy • Rameau 2020年
- 『モーツァアルト&コンテンポラリーズ』 Mozart & Contemporaries 2021年
- 『フロム・アファー』 - From Afar 2022年10月[9]
受賞歴
[編集]- 英グラモフォン・マガジン 「アーティスト・オブ・ジ・イヤー」受賞 2019年[10]
- BBC Music Magazine 『ヨハン・セバスチャン・バッハ』で「Instrumental Album of the Year」受賞 2019年 [11]
- ショック賞音楽部門を受賞 2022年
脚注
[編集]- ^ [1] タワーレコード:ヴィキングル・オラフソン
- ^ a b [2]ヴィキングル・オラフソンのウェ ブサイト
- ^ [3]ヴィキングル・オラフソンのウェブサイト
- ^ a b [4]「庄司紗矢香さんに〝一目惚れ〟して7年です」~オラフソンにインタビュー!
- ^ [5]ヴィキングル・オラフソンの来日迫る。万華鏡のように美しく変化するピアノの調べ(MIKIKI)
- ^ [6]庄司紗矢香インタビュー&ヴィキングル・オラフソンのコメント(神奈川芸術協会)
- ^ a b c [7] ヴィキングル・オラフソンのウェブサイトblog
- ^ [8] Harrison Parrottウェブサイト
- ^ [9] ユニバーサルミュージック日本のウェブサイト
- ^ [10] 英グラモフォン・マガジン 「アーティスト・オブ・ジ・イヤー」 2019年
- ^ [11] BBC Music Magazine「Instrumental Album of the Year」2019年
外部リンク
[編集]- 解体 →→ 再構築。新たな音世界の提案者。ヴィキングル・オラフソン。(note:アーティスト紹介)
- ヴィキングル・オラフソン「フロム・アファー」(2022年10月発売のアルバム紹介記事)