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ワラジムシ目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
等脚目
ワラジムシ Porcellio scaber
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱 Malacostraca
亜綱 : 真軟甲亜綱 Eumalacostraca
上目 : フクロエビ上目 Peracarida
: 等脚目 Isopoda
学名
Isopoda
Latreille1817
和名
等脚類
英名
Isopod
亜目

ワラジムシ目(ワラジムシもく)および等脚目(とうきゃくもく、学名: Isopoda)は、軟甲綱真軟甲亜綱フクロエビ上目に属する甲殻類の分類群である。等脚類(とうきゃくるい、: isopod)と総称され[1]ワラジムシフナムシダンゴムシなどを含む。陸上、海水、淡水に住み、体長は0.5 - 1.5 cmのものが多い。雑食性であるが、寄生性の種や海中の木材に穴をあける種もいる。

概要

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等脚類には非常に多様な動物が含まれる。陸に進出した甲殻類は多くがこの類である。その種類数は約5000種とされ、フクロエビ上目では最も多い。あまり大きくなるものは少なく、ほとんどが小型の動物である。最大のものはダイオウグソクムシ(体長50 cm)である。

体は扁平気味で細長く、背甲が大きく発達しないため、全体に体節に分かれ、腹面に足が並ぶ様子は端脚目にも似ている。陸産種もあり、身近なものも含まれるが、その多様性の大部分が海中にある、という点でも共通している。

形態

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以下のような共有派生形質を持つ。

  1. 複眼に柄が無く、固着眼となっている
  2. 背甲が発達しない
  3. 胸節の附属肢は歩脚状で、外肢を欠く
  4. 第二触角は単枝型
  5. 第6腹節が尾節と癒合し、腹尾節 (pleotelson) となる
  6. 二相性の脱皮(biphasic moulting、体の前半・後半の殻を別々に脱ぐ)を行う
  7. 心臓が後方(胸節から腹節)にある
  8. 主に腹肢でガス交換を行う
  9. 中腸以外の消化管が外胚葉
  10. 横紋筋に特有の微細構造を持つ
  11. 第一顎脚に触肢を持たない
  12. 第一触角は単枝型、触角鱗はない
  13. 尾脚は常に単関節

この内1-4は端脚類、5はタナイス目の一部と共通する[2]

頭部、胸部、腹部は外見からはっきり区別できる。全体に同じような体節がならんでいるように見える例が多い。

頭部に見える節は胸部の第1節(時に第2節まで)が融合しているので、実際には頭胸部であるが、実質的には頭部をなす。

胸部の附属肢のうち、第1対は顎脚となる。腹部の附属肢は2叉形。この部分が拡張して育児嚢となる例も多い。陸産種ではここに腔所を生じて空気呼吸する。

分類

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フレアトイクス亜目 Phreatoicidea

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スナナナフシ亜目 Microcerberidea

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  • スナナナフシ科 Microcerberidae

ミズムシ亜目 Asellota

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  • ウミミズムシ科 Janiridae

カラボゾア亜目 Calabozoidea

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ワラジムシ亜目 Oniscidea

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  • フナムシ科 Ligiidae
  • ナガワラジムシ科 Trichoniscidae
  • ヒゲナガワラジムシ科 Olibrinidae
  • ウミベワラジムシ科 Scypacidae
  • ヒメワラジムシ科 Philosciidae
  • ホンワラジムシ科 Oniscidae
  • ハヤシワラジムシ科(トウヨウワラジムシ科) Trachelipidae
  • ワラジムシ科 Porcellionidae
  • コシビロダンゴムシ科 Armadillidae
  • オカダンゴムシ科 Armadillidiidae
  • ハマダンゴムシ科 Tylidae

ヘラムシ亜目 Valvifera

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  • ヘラムシ科 Idoteidae

ヤドリムシ亜目 Epicaridea

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コツブムシ亜目 Spaheromatidea

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  • コツブムシ科 Sphaeromatidae
    • イソコツブムシ属 Gnorimosphaeroma
    • シオムシ属 Tecticeps

ウオノエ亜目 Cymothoida

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キクイムシ亜目 Limnoriidea

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  • キクイムシ科 Limnoriidae
    • キクイムシ属 Limnoria
      • キクイムシ Limnoria tripunctata :体長1~4mm程度。黄白色をしていて体表には細かい毛が密生している。木材などにも穿孔するが褐藻アラメ仮根部などからも見つかる。

Phoratopidea

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  • Phoratopodidae

Tainisopidea

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脚注

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  1. ^ 日本国語大辞典, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,世界大百科事典 第2版,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “等脚類(とうきゃくるい)とは”. コトバンク. 2019年1月14日閲覧。
  2. ^ Isopoda in ToLWeb”. 2012年9月4日閲覧。
  3. ^ 岡本直子、逸見泰久、『寄生性等脚類ウミホタルガクレOnisocryptus ovalisの繁殖戦略』日本ベントス学会誌 2002年 57巻 p.75-78, doi:10.5179/benthos.57.75

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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