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ワライタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ワライダケから転送)
ワライタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: オキナタケ科 Bolbitiaceae
: ヒカゲタケ属 Panaeolus
: ワライタケ P. papilionaceus
学名
Panaeolus papilionaceus
和名
ワライタケ
英名
Panaeolus
ワライタケ
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菌類学的特性
子実層にひだあり
傘は凸形
子実層は上生形
柄には何も無い
胞子紋は
生態は腐生植物
食用: 向精神性
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ワライタケ(笑茸、学名Panaeolus papilionaceus)はヒカゲタケ属毒キノコ。幻覚作用のあるシロシビンを含有する。世界中に広く生育する。

傘径2~4cm、柄の長さ5~10cm。春~秋、牧草地、芝生、牛馬の糞などに発生。しばしば亀甲状にひび割れる。長らくヒカゲタケ (Panaeolus sphinctrinus) やサイギョウガサPanaeolus retirugis)、P.campanulatusと区別されてきたが、これら4種は生息環境が違うことによって見た目が変わるだけで最近では同種と考えられている[1]

6月から10月の本州に発生し、北海道[2]、沖縄の庭の菜園でも観測されている[3]

菌類学者の川村清一が古い文献にみられる笑茸を探しており、1917年(大正6年)の石川県における玉田十太郎とその妻が、の木の下で採取したキノコを汁に入れて食べたところ、妻が裸で踊るやら、三味線を弾きだしたやらということであり、 Panaeolus papilionaceus だと同定しワライタケと命名した。その3年前の『サイエンス』にはアメリカ、メイン州における男女の中毒例の記載があり、ピアノを弾いたり飛んだり跳ねたりおかしくてたまらず、部屋の花束が自分を巻いているようだというような幻覚が起きたという。この時点では、他にも同様の作用を起こすキノコがあるのではと考えており、ほどなくして1922年、(別の種である)オオワライタケ Gymnopilus junonius を確認した[4]

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幻覚症状シロシビンを含有しているシビレタケ属やヒカゲタケ属のキノコはマジックマッシュルームとして知られているが、ワライタケは一連のキノコよりは毒成分は少ないため重篤な状態に陥ることはない。成分は他にコリンアセチルコリン5-ヒドロキシトリプタミンなど。誤食の例は少ない。

本種を1本食した11歳と12歳の男児には「しびれ・笑い出し」が表れて2時間継続し、15本から20本を食した34歳の男性には「しびれ・笑い出し・麻痺・呼吸困難」が発生し入院となり、更に「呼吸を忘れる程の愉快な気分」「光る物体、幾何学模様、魚に食べられる体験、湾岸戦争に参加する体験などの幻覚が生じる」といった症状が12時間継続した[5]

沖縄の中毒例から、8.8グラムの9本のキノコに含まれるシロシビンは4.1-4.7mgである[5]。参考:ヒカゲシビレタケでは1本あたり7.28-8.86mg[6]

滋賀県で採取された本種のシロシビン含有成分の量は、重量当たり、0.04-0.05%であった[7]

法規制

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麻薬及び向精神薬取締法において麻薬原料植物として指定されており、売買はもちろん故意の採取や所持も法律で規制されている[1]

方言

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おどりたけとも呼ばれ、秋田では、ばふんきのご、きじゃぎじゃもだしの方言がある[8]

参考画像

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出典

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  1. ^ a b 長沢栄史『日本の毒きのこ』(増補改訂版)学習研究社、2009年、132、269頁頁。ISBN 978-4-05-404263-6 
  2. ^ 成田伝蔵『きのこ』北隆館〈フィールドセレクション〉、1991年、114、132頁頁。ISBN 4-8326-0237-3 
  3. ^ 玉那覇康二「沖縄県で発生している自然毒中毒事例」『マイコトキシン』第63巻第1号、2013年1月31日、55-65頁、doi:10.2520/myco.63.55NAID 10031161946 
  4. ^ 川村清一『食菌と毒菌』岩波文庫、1931年。100-105、170-172頁。
  5. ^ a b 大城善昇「ワライタケによる食中毒事例」(pdf)『沖縄県公衆衛生研究所報』第26号、1992年、105-107頁。 
  6. ^ 武者盛宏「幻覚性キノコ ヒカゲシビレタケ (psilocybe argentepes) 中毒について-プシロシビン中毒時の自覚体験を中心に-」『精神経誌』第90巻、1988年、313-333頁、NAID 50002636566 
  7. ^ 草野源次郎「キノコの毒成分」『遺伝』第39巻第9号、1985年9月、p32-36、NAID 40000130647 
  8. ^ 奥沢康正、奥沢正紀『きのこの語源・方言事典』山と溪谷社、1999年、584-585頁。ISBN 4-635-88031-1 

外部リンク

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