ワジディ・ムアワッド
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ワジディ・ムアワッド(Wajdi Mouawad、1968年10月16日 - )はレバノン出身の劇作家・演出家・俳優。
ベイルートに生まれ、8歳で家族とともにフランスに亡命。その後、滞在許可証の更新が拒否されたため、83年にカナダのケベック州に移住。91年、カナダ国立演劇学校を卒業後、劇団「テアトル・オ・パルルール」を創立。2016年、コリーヌ国立劇場(パリ、フランス)芸術監督に就任。
略歴
[編集]- 1998年、『トイレにこもったウィリー・プロタゴラス』でケベック演劇批評家連盟最優秀作品賞を受賞。
- 2000年から2004年、モントリオール「三文劇場Théâtre de Quat'Sous」のディレクターをつとめる。この時期、セルバンテス『ドン・キホーテ』、アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』など様々な小説の翻案を上演。
- 2005年、モントリオールに劇団「アベ・カレ・セ・カレ」、フランスに劇団「オ・カレ・ド・リポテニューズ」を創立。
同年、「劇作審査委員会」を設置しない劇場に対する抗議として、『沿岸』に対するモリエール賞最優秀フランス語圏劇作家賞授与を拒否。
- 2007年、ロベール・ルパージュやドゥニ・マルローの後をうけてオタワの「カナダ国立芸術センター・フランス語劇場」の芸術監督に就任。同時に2010年までシャンベリー・サヴォワ国立舞台「エスパス・マルロー」(フランス)の提携アーティストともなっている。
- 2009年 アヴィニョン演劇祭の提携アーティストとして四部作を上演。「アカデミー・フランセーズ演劇大賞」を受賞(ムアワッドの演劇作品全体に対して)。カナダ勲章オフィサーを受章。
主な作・演出作品
[編集]- 1997年 『沿岸(邦題:頼むから静かに死んでくれ)』(『約束の血』四部作第一部、1999年のアヴィニョン演劇祭で再演、2018年2月に東京、3月に兵庫で世田谷パブリックシアターが『岸 リトラル』として上演)
- 1998年 『トイレにこもったウィリー・プロタゴラス』
- 2000年 『夢』
- 2003年 『火事』(『約束の血』四部作第二部、2009年10月に東京でピープルシアターが『焼け焦げるたましい』として上演、2010年にカナダで『灼熱の魂』として映画化、2017年3月に東京で世田谷パブリックシアターが『炎 アンサンディ』として上演)
- 2006年 『森』(『約束の血』四部作第三部、シャンベリー、2021年7月に東京・名古屋、8月に兵庫で世田谷パブリックシアターが『森 フォレ』として上演)
- 2008年 『一人(邦題:火傷するほど独り)』(アヴィニョン演劇祭)
- 2009年 『空』(四部作完結編、アヴィニョン演劇祭)
主な演出作品
[編集]シェイクスピア『マクベス』、ソフォクレス『オイディプス王』、エウリピデス『トロイアの女』、ヴェーデキント『ルル』、ルイジ・ピランデルロ『作者を探す六人の登場人物』、チェーホフ『三人姉妹』など。
著書
[編集]- 『沿岸 ― 頼むから静かに死んでくれ (コレクション現代フランス語圏演劇)』山田ひろ美訳、れんが書房新社、2010
- 『アニマ』大島ゆい訳、河出書房新社、2021
出典
[編集]- 堀切克洋「現代のギリシャ悲劇?――ワジディ・ムアワッド『焼け焦げるたましい』」『シアターアーツ』41号、2009年冬
外部リンク
[編集]- 経歴 | Théâtre français du CNA - ウェイバックマシン(2009年8月29日アーカイブ分)
- 『頼むから静かに死んでくれ』、Shizuoka春の芸術祭2010
- 火傷するほど独り | ふじのくに⇄せかい演劇祭2016 - ウェイバックマシン(2016年10月13日アーカイブ分)
- ワジディ・ムワワド | 世田谷パブリックシアター - ウェイバックマシン(2023年1月31日アーカイブ分)