ロバート・ガゼルマン
2023年3月25日 ベルーナドーム | |
基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | カリフォルニア州ロサンゼルス郡サンタモニカ |
生年月日 | 1993年7月18日(31歳) |
身長 体重 |
193 cm 95 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2011年 MLBドラフト13巡目(全体402位) |
初出場 |
MLB / 2016年8月23日 NPB / 2022年8月27日 |
最終出場 | NPB / 2023年7月26日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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ロバート・ジョン・ガゼルマン(Robert John Gsellman、1993年7月18日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス郡サンタモニカ出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。
NPBでの登録名は「ガゼルマン」。
経歴
[編集]プロ入りとメッツ時代
[編集]2011年のMLBドラフト13巡目(全体402位)でニューヨーク・メッツから指名され、プロ入り。契約後、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・メッツでプロデビューし、7試合(先発1試合)に登板して0勝0敗1セーブ、防御率4.15、8奪三振を記録した。
2012年はアパラチアンリーグのルーキー級キングスポート・メッツでプレーし、11試合(先発5試合)に登板して1勝3敗、防御率3.92、33奪三振を記録した。
2013年はA-級ブルックリン・サイクロンズ、A級サバンナ・サンドナッツ、A+級セントルーシー・メッツでプレーし、3球団合計で19試合に先発登板して6勝6敗、防御率2.58、83奪三振を記録した。
2014年はA級サバンナでプレーし、20試合に先発登板して10勝6敗、防御率2.56、92奪三振を記録した。
2015年はA+級セントルーシーとAA級ビンガムトン・メッツでプレーし、2球団合計で24試合に先発登板して13勝7敗、防御率2.89、86奪三振を記録した。オフの11月20日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐためにメッツの40人枠入りした[1]。
2016年は開幕をAA級ビンガムトンで迎え、6月8日にAAA級ラスベガス・フィフティワンズへ昇格した。8月22日にスティーブン・マッツの故障者リスト入りに伴ってメジャー初昇格を果たし[2]、翌23日のセントルイス・カージナルス戦でメジャーデビュー。このデビュー戦は先発のジョン・ニースが1死をとったところで左ひざを痛めて降板後の緊急登板であり、そこから3.2回を投げ切って勝利投手となった[3]。この年メジャーでは8試合(先発はデビュー戦を除いた7試合)に登板して4勝2敗、防御率2.42、42奪三振を記録した。
2017年は25試合(先発22試合)に登板して8勝7敗、防御率5.19、82奪三振を記録した[4]。
2018年は68試合に登板して6勝3敗13セーブ、防御率4.28、70奪三振を記録した。
2019年は52試合に登板して2勝3敗1セーブ、防御率4.66、60奪三振を記録した。
2020年は6試合(先発4試合)に登板して防御率9.64、9奪三振を記録した。
2021年は17試合(先発1試合)に登板して0勝1敗、防御率3.77、17奪三振を記録した。 オフの11月30日にFAになった。
カブス時代
[編集]2022年3月17日にシカゴ・カブスとマイナー契約を結んだ[5]。シーズンでは開幕を傘下のAAA級アイオワ・カブスで迎え、5月3日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[6]。8試合に登板後の5月30日にDFAとなり、6月6日にマイナー契約でAAA級アイオワへ配属された[7]。その後、7月14日にFAになった。
DeNA時代
[編集]2022年7月16日、横浜DeNAベイスターズに入団することが発表された[4][8]。7月28日に支配下登録され、背番号は45[9]。8月11日に来日しチームに合流[10]。NPB初登板となった8月27日の東京ヤクルトスワローズ戦(横浜スタジアム)では4回に2番手投手としてマウンドに上がるが、1回4安打4失点[11]。その後実戦登板から離れ、9月14日の中日ドラゴンズ戦(バンテリンドーム)で初先発し、7回無失点の好投でNPB初勝利を挙げた[12]。最終的に4試合登板、1勝1敗、防御率2.66の成績を残し、シーズン終了後には球団から来シーズンの契約延長が発表された[13]。
2023年は、2月1日からの春季キャンプに参加予定だったが、アメリカでパスポートの盗難被害に遭い2月18日に沖縄キャンプ合流となった[14]。開幕ローテ入りを果たし、開幕2戦目の4月1日の阪神タイガース戦(京セラドーム)の先発を任されるが、制球が安定せず、敗戦投手にはならなかったものの3回4失点で降板[15]。4月8日の中日戦(横浜)で先発登板すると、前回の課題を修正して7回1失点の好投を見せ、涌井秀章から来日初安打・初打点を記録するなど投打に活躍し、シーズン1勝目をマークした[16]。最終的には13試合の登板で3勝5敗、防御率4.45の成績に終わり、11月30日、球団は来季の契約を結ばないことを発表した[17]。
ナショナルズ傘下時代
[編集]2024年1月31日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結び、ナショナルズのスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18][19][20]。AAA級ロチェスター・レッドウイングスへ配属され、17試合の登板で0勝2敗、防御率8.75の成績で、6月19日にFAになった。
投球スタイル
[編集]球種 | 割合 | 平均球速 | |
---|---|---|---|
% | mph | km/h | |
シンカー | 57.6 | 93.9 | 151.1 |
スライダー | 19.7 | 89.5 | 144 |
チェンジアップ | 16.4 | 84.8 | 136.5 |
フォーシーム | 1.4 | 94.5 | 152.1 |
カーブ | 4.9 | 79.2 | 127.5 |
最速98.8mph[22](約159km/h)を計測する速球(シンカー)に加え、スライダーやチェンジアップなどの変化球も操る[23]。
人物
[編集]- 父のボブ・グセルマンも元プロ野球選手(捕手)で、1984年のMLBドラフト23巡目(全体591位)でフィラデルフィア・フィリーズから指名されたが、メジャーには昇格できずに終わっている。
- 漫画『キン肉マンII世』に登場するキャラクターのガゼルマンと同名であることにちなんで、本拠地での登場曲は通訳の発案で『キン肉マンGo Fight!』を使用している[12]。
- 愛称は「Gマン」「G」「ロブ」など[24][23][25]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016 | NYM | 8 | 7 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 0 | 0 | .667 | 185 | 44.2 | 42 | 1 | 15 | 2 | 1 | 42 | 1 | 0 | 12 | 12 | 2.42 | 1.28 |
2017 | 25 | 22 | 1 | 0 | 0 | 8 | 7 | 0 | 1 | .533 | 549 | 119.2 | 138 | 17 | 42 | 3 | 8 | 82 | 4 | 0 | 85 | 69 | 5.19 | 1.50 | |
2018 | 68 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 3 | 13 | 15 | .667 | 345 | 80.0 | 76 | 8 | 28 | 6 | 5 | 70 | 1 | 0 | 44 | 38 | 4.28 | 1.30 | |
2019 | 52 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | 1 | 7 | .400 | 277 | 63.2 | 64 | 7 | 23 | 2 | 6 | 60 | 4 | 0 | 36 | 33 | 4.66 | 1.37 | |
2020 | 6 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | ---- | 71 | 14.0 | 22 | 4 | 8 | 0 | 1 | 9 | 2 | 0 | 15 | 15 | 9.64 | 2.14 | |
2021 | 17 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | .000 | 119 | 28.2 | 27 | 3 | 7 | 0 | 2 | 17 | 0 | 0 | 14 | 12 | 3.77 | 1.19 | |
2022 | CHC | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | .000 | 64 | 15.1 | 17 | 2 | 3 | 0 | 0 | 9 | 0 | 0 | 10 | 8 | 4.70 | 1.30 |
DeNA | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 81 | 20.1 | 15 | 1 | 6 | 0 | 2 | 12 | 0 | 0 | 6 | 6 | 2.66 | 1.03 | |
2023 | 13 | 13 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 0 | 0 | .375 | 292 | 64.2 | 72 | 6 | 33 | 0 | 4 | 43 | 1 | 0 | 35 | 32 | 4.45 | 1.62 | |
MLB:7年 | 184 | 34 | 1 | 0 | 0 | 20 | 18 | 15 | 26 | .526 | 1610 | 366.0 | 386 | 42 | 126 | 13 | 23 | 289 | 12 | 0 | 216 | 187 | 4.60 | 1.40 | |
NPB:2年 | 17 | 16 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 0 | 0 | .400 | 373 | 85.0 | 87 | 7 | 39 | 0 | 6 | 55 | 1 | 0 | 41 | 38 | 4.02 | 1.48 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2016 | NYM | 8 | 2 | 9 | 0 | 1 | 1.000 |
2017 | 25 | 8 | 18 | 4 | 2 | .867 | |
2018 | 68 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
2019 | 52 | 2 | 9 | 0 | 2 | 1.000 | |
2020 | 6 | 1 | 1 | 1 | 0 | .667 | |
2021 | 17 | 5 | 7 | 0 | 1 | 1.000 | |
2022 | CHC | 8 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 |
DeNA | 4 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 13 | 5 | 7 | 0 | 1 | 1.000 | |
MLB | 184 | 20 | 52 | 5 | 6 | .935 | |
NPB | 17 | 6 | 11 | 0 | 1 | 1.000 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
記録
[編集]NPB
[編集]- 初記録
- 投手記録
- 初登板:2022年8月27日、対東京ヤクルトスワローズ18回戦(横浜スタジアム)、4回表に2番手で救援登板、1回4失点
- 初奪三振:同上、4回表に山田哲人から空振り三振
- 初先発・初勝利・初先発勝利:2022年9月13日、対中日ドラゴンズ20回戦(バンテリンドームナゴヤ)、7回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2022年9月13日、中日ドラゴンズ20回戦(バンテリンドームナゴヤ)、3回表に髙橋宏斗から見逃し三振
- 初安打・初打点:2023年4月8日、中日ドラゴンズ1回戦(横浜スタジアム)、5回裏に涌井秀章から右中間適時二塁打[26]
背番号
[編集]- 65(2016年 - 2020年)
- 44(2021年)
- 43(2022年 - 同年5月29日)
- 45(2022年7月28日 - 2023年)
脚注
[編集]- ^ “Mets protect four players from Rule 5 Draft” (英語). MLB.com (2015年11月20日). 2016年10月8日閲覧。
- ^ Maria Guardado (2016年8月23日). “Who is new Mets call-up Robert Gsellman?” (英語) 2016年10月8日閲覧。
- ^ “Box Score: Mets @ Cardinals, August 23, 2016” (英語). MLB.com (2016年8月23日). 2016年10月8日閲覧。
- ^ a b “ロバート・ガゼルマン選手 獲得のお知らせ”. 横浜DeNAベイスターズ (baystars.co.jp) (2022年7月16日). 2022年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月17日閲覧。
- ^ Mark Polishuk (2022年3月17日). “Cubs Sign Robert Gsellman, Adrian Sampson” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年7月17日閲覧。
- ^ Anthony Franco (2022年5月3日). “Cubs Select Robert Gsellman” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年7月17日閲覧。
- ^ Steve Adams (2022年6月6日). “Cubs Outright Robert Gsellman” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年7月17日閲覧。
- ^ “DeNA、前カブスのガゼルマン獲得を発表 メジャー通算184登板で20勝の28歳右腕”. Full-Count (2022年7月16日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ “【DeNA】新外国人ガゼルマン、背番号は「45」 メジャー184試合で先発、救援と経験豊富”. 日刊スポーツ. (2022年7月28日) 2022年7月28日閲覧。
- ^ “DeNA、新外国人ガゼルマンが来日「この日を心待ちに自宅でウズウズしていた」”. サンスポ. (2022年8月11日) 2022年9月11日閲覧。
- ^ “DeNA・ガゼルマンがハマスタに再合流 ヤクルト戦で初登板も1回4失点で2軍再調整”. サンスポ. (2022年9月9日) 2022年9月14日閲覧。
- ^ a b “DeNA・ガゼルマン、V諦めん!超人1勝 球団8年ぶり1安打勝利呼んだ”. サンスポ. (2022年9月14日) 2022年9月14日閲覧。
- ^ “今季は4試合登板して1勝1敗、防御率2.66”. Full-Count. (2022年11月28日) 2022年11月28日閲覧。
- ^ “パスポート盗難被害のDeNA・ガゼルマン、ようやく沖縄入り”. サンスポ. (2023年2月19日) 2023年4月29日閲覧。
- ^ “【DeNA】初回に4点先行しながら痛恨サヨナラ負け 先発ガゼルマンの乱調響き開幕2連敗喫す”. 日刊スポーツ. (2023年4月1日) 2023年4月29日閲覧。
- ^ “【DeNA】『初』づくしの3連勝!先発ガゼルマンが自援護”. テレビ東京. (2023年4月8日) 2023年4月29日閲覧。
- ^ 「DeNA、ロバート・ガゼルマンとは来季の契約を結ばず 来日2年目の今季は3勝5敗で防御率4.45」『BASEBALL KING』2023年11月30日。2024年2月8日閲覧。
- ^ MLB公式プロフィール参照。2024年3月1日閲覧。
- ^ Anthony Franco (2024年1月31日). “Nationals, Robert Gsellman Agree To Minor League Contract” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年2月8日閲覧。
- ^ 「昨季までDeNAに2年間所属したガゼルマン、ナショナルズとマイナー契約と米報道」『日刊スポーツ』2024年2月1日。2024年2月8日閲覧。
- ^ “Robert Gsellman Statcast, Visuals & Advanced Metrics | MLB.com” (英語). baseballsavant.com. 2022年7月16日閲覧。
- ^ 2019年計測
- ^ a b “【DeNA】メジャー20勝右腕ガゼルマン獲得へ 勝負の秋にらみ先発&中継ぎOK「ハマのG」”. 日刊スポーツ (2022年7月16日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ Explaining Mets Players Weekend nicknames MLB.com (2017年8月24日) 2017年9月28日閲覧
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2022年8月26日). “DeNA新外国人ガゼルマンが1軍合流 昇格お預けも「横浜の街に貢献できるように頑張っていく」”. サンスポ. 2023年6月12日閲覧。
- ^ “【DeNA】ガゼルマンが自ら援護の一打 野手顔負けの技あり打に「ガゼルマン」トレンド入り”. 日刊スポーツ. (2023年4月8日) 2023年4月8日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Robert Gsellman stats MiLB.com
- 個人年度別成績 R.ガゼルマン - NPB.jp 日本野球機構
- Robert Gsellman (@robgsellman) - Instagram