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ロジャー・クリントン・シニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロジャー・クリントン・シニア

Roger Clinton Sr.
生誕 Roger Clinton
(1908-07-23) 1908年7月23日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アーカンソー州イェール郡
死没 (1967-11-08) 1967年11月8日(59歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アーカンソー州ホットスプリングス
職業 自動車セールスマン
配偶者
子供 ビル・クリントン (継子)
ロジャー・クリントン・ジュニア英語版
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ロジャー・クリントン・シニアRoger Clinton Sr., 1908年7月25日 - 1967年11月8日)は、アメリカ合衆国の自動車セールスマンである。彼は第42代アメリカ合衆国大統領のビル・クリントンの継父であり、俳優のロジャー・クリントン・ジュニア英語版の実父である[1]。彼はビルが4歳の1950年にその母のヴァージニアと再婚した[2][3][4]。ロジャーとヴァージニアは1962年に離婚したが、直後に復縁し、ビルはクリントン姓を名乗り続けた[2][5]

前半生

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ロジャー・クリントンは、アーカンソー州イェール郡でアレン・W・クリントン(Allen W. Clinton, 1880年8月26日 - 1965年6月14日)とユーラ・コーンウェル(Eula Cornwell, 1882年5月29日 - 1975年10月10日)の息子として生まれた[6]。ロジャーは地元のビュイック販売店のオーナーであり、兄弟と友人のアール・T・リックスと共同で経営していた[7][8][9]。ビル・クリントンは後に彼を自著で「(ホットスプリングス出身の)男前の道楽者で二度の離婚歴のある男」と説明している[7][8]。1950年にロジャーは、後に大統領となる息子のビルを出産する3か月前に前夫を交通事故で亡くしたヴァージニア・ブライズと結婚した[2][3][10]。ロジャーとその家族はホープの南端に居住していた[11][12]。やがてロジャーはビュイックの販売店を売却し、家族とともにホットスプリングスの数マイル西にある400エーカーの農場に引っ越した[13][14]。1955年頃に一家はホットスプリングスのパーク通りに転居し[15][16]、さらに1956年に彼とヴァージニアは息子のロジャー・クリントン・ジュニア英語版をもうけた[17][18]

ロジャーとヴァージニアは1962年に離婚したが、その数ヶ月後に再婚し、その後、義理の息子のビルはガーランド郡裁判所でクリントン姓に改名した[5]。改名理由の1つは、ロジャーが義理の息子が学校で自身と弟と同じ姓を名乗ることを望んだためであった。ビル・クリントンもまた、義父への敬意から最終的にその姓を名乗ったのだと述べ[9]、またその自著『マイライフ』では「父さんを喜ばせる何かをしたいという気持ちもあったのかもしれない」と述べている[19][20][5]。ロジャーはビルからは自著の中で「父さん」("Daddy")と呼ばれている[12]

晩年

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ロジャーはアルコール依存症に苦しみ、家族に対して暴力を振るっていたと伝えられている[21][22]。ビルはロジャーを愛していたが、彼のアルコール依存症、ギャンブル、そしてその後の母と異父弟への虐待を受けてビルは何度も暴力で対抗し、そのたびにロジャーは逮捕された[23]。ロジャーは癌を発病してノースカロライナ州ダーラムデューク・メディカル・センター英語版に入院し、週末に見舞いのためにジョージタウンから運転してそこを訪れるビルと最終的に和解に至った[24][25][26][27][5][27]。1967年秋にロジャーの癌は再発した[28][29]。ロジャーはしばらく入院したが、その後自宅での死を望んだ[28][29]。ロジャーは同年内に59歳でにより亡くなった[28][26][29]

参考文献

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  1. ^ The Oxford Desk Dictionary of People and Places. Oxford University Press. (1999). p. 77. ISBN 9780195138726 
  2. ^ a b c Warshaw, Shirley (2014). The Clinton Years. Facts on File Incorporated. p. 79. ISBN 9780816074594 
  3. ^ a b Panton, Kenneth (2022). Historical Dictionary of the United States. Rowman & Littlefield Publishers. p. 112. ISBN 9781538124208 
  4. ^ My Life, Bill Clinton, Random House, 2004, ISBN 0-375-41457-6.
  5. ^ a b c d Holmes, David (2012). The Faiths of the Postwar Presidents. From Truman to Obama. University of Georgia Press. p. 148. ISBN 9780820338620 
  6. ^ US Census, 1910, Yell County, Arkansas.
  7. ^ a b My Life, Three, p. 17.
  8. ^ a b 『マイライフ』 p.29
  9. ^ a b Smith, Curt (2018). The Presidents and the Pastime. The History of Baseball and the White House. Nebraska. p. 337. ISBN 9781496207418 
  10. ^ Yenne, Bill (2021). The Complete Book of US Presidents, Fourth Edition. Crestline Books. p. 232. ISBN 9780785839231 
  11. ^ My Life, Three, p. 18.
  12. ^ a b 『マイライフ』 p.31
  13. ^ My Life, Four, p. 22.
  14. ^ 『マイライフ』 p.37
  15. ^ My Life, Four, p. 33.
  16. ^ 『マイライフ』 p.56
  17. ^ My Life, Five.
  18. ^ 『マイライフ』 p.58
  19. ^ My Life, Six, p. 52.
  20. ^ 『マイライフ』 p.86-87
  21. ^ Witney, David (2005). The American Presidents. Praeger. p. 489. ISBN 9781582881676 
  22. ^ Liebovich, Louis (2001). The Press and the Modern Presidency. Myths and Mindsets from Kennedy to Election 2000. Praeger. p. 189. ISBN 9780275974039 
  23. ^ “Bill Clinton: his life”. CBS News. (February 11, 2009). http://www.cbsnews.com/8301-18560_162-620619.html 10 December 2012閲覧。 
  24. ^ My Life, Eleven, p. 105.
  25. ^ 『マイライフ』 p.172-174
  26. ^ a b Hamilton, Nigel (2011). Bill Clinton. An American Journey. Random House. p. 148. ISBN 9781407088259 
  27. ^ a b Levin, Robert (1992). Bill Clinton. The Inside Story. University of Georgia Press. p. 52. ISBN 9781561711772 
  28. ^ a b c My Life, Thirteen, pp. 112–113.
  29. ^ a b c 『マイライフ』 p.185-187