ロゴーヌ川
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ロゴーヌ川(ロゴーヌがわ、フランス語: Logone)またはロゴン川(ロゴンがわ)はチャドの河川。水源は中央アフリカ共和国西部にあり、ここから北流してチャド南部を流れ、チャドとカメルーンの国境をなしながらンジャメナでシャリ川へと注ぐ。シャリ川最大の支流であり、ロゴーヌ川自体もペンデ川やムベレ川といった支流を持つ。
ロゴーヌ川流域は降水量が多く、中流域には肥沃な土壌が広がっているため、ソルガムを中心に、トウジンビエや落花生などが栽培され、チャドの穀倉地帯となっている。またロゴーヌ川流域はチャドの綿花栽培の中心地であるほか[1]、中下流域には多く存在する湿地帯ではフランス植民地期以降稲作が導入され、重要な作物となっている[2]。流域の中心都市は中流域のムンドゥであり、増水期には下流からここまでは航行が可能となる[3]。
中下流域にはアフリカオウギヤシ、ヒロハフサマメノキなどの植物が生え、カンムリヅル、ツメバガン、リュウキュウガモ属などの旧北区西部およびエチオピア区の渡り鳥およびゾウ、ダチョウ、キリン、ライオンなどが生息している。チャド国内のシャリ川との間の土地と下流部西側のカメルーン北部のマガ・ダムおよびワザ国立公園一帯の氾濫原はラムサール条約登録地である[4][5]。
チャド領内のロゴーヌ川流域はキリスト教徒やアニミストの多いチャド最大民族・サラ人が主に居住している[6]。
脚注
[編集]- ^ 「西部・中部アフリカ」(ベラン世界地理体系9)p214 田辺裕・竹内信夫監訳 朝倉書店 2017年1月15日初版第1刷
- ^ 「チャド盆地の地域史と農牧業」p247 石山俊(「朝倉世界地理講座 アフリカⅠ」初版所収)、2007年4月10日 朝倉書店
- ^ 田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p.370、朝倉書店 ISBN 4254166621
- ^ “Plaines d'inondation du Logone et les dépressions Toupouri | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2005年11月14日). 2023年4月10日閲覧。
- ^ “Waza Logone Floodplain | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2006年3月20日). 2023年4月10日閲覧。
- ^ 「西部・中部アフリカ」(ベラン世界地理体系9)p212 田辺裕・竹内信夫監訳 朝倉書店 2017年1月15日初版第1刷