レット・ザ・グッド・タイムス・ロール (ルイ・ジョーダンの曲)
「Let the Good Times Roll」 | ||||
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ルイ・ジョーダンと彼のティンパニ・ファイブ の シングル | ||||
A面 | "Ain't Nobody Here but Us Chickens" | |||
リリース | ||||
規格 | 10" 78回転盤(SPレコード) | |||
録音 | 1946年6月26日、ニューヨーク | |||
ジャンル | ジャンプ・ブルース | |||
時間 | ||||
レーベル | デッカ (cat. no. 23741) | |||
作詞・作曲 | サム・シアード、フリーシー・ムーア | |||
ルイ・ジョーダンと彼のティンパニ・ファイブ シングル 年表 | ||||
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「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール (Let the Good Times Roll)」は、ルイ・ジョーダンと彼のティンパニ・ファイブが1946年に録音したジャンプ・ブルースの楽曲。
ミッド・テンポの12小節ブルースであるこの曲は、ブルースのスタンダード曲、ジョーダンの代表曲のひとつとなった[1]。
ルイ・ジョーダンのオリジナル
[編集]「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」は、「ルイ・ジョーダンがパーティーにおいでと煽るように呼びかける曲」である[2]。
この曲を書いたのは、ニューオーリンズ生まれのブルース歌手、ソングライターであったサム・シアードだが、共作者として、ジョーダンの妻だったフリーシー・ムーア (Fleecie Moore) の名がクレジットされている。これは、作品の公表に関する契約上の面倒を回避するために、ジョーダンがしばしば行なっていた便法で、彼女は生涯に一度も実際に歌詞を書いたことはなかったのだが、後にジョーダンとフリーシーがけんか別れで離婚することになると、彼女は自分の名がクレジットされた曲について、権利を盾に、そこから上がる収入をジョーダンにいっさい渡さなかった。ジョーダンとティンパニ・ファイブは、1947年の映画『Reet, Petite, and Gone』の中でこの曲を演奏したが、サウンドトラックに用いられた演奏は、ライブ演奏ではなく、スタジオ録音が用いられた。
チャートと評判
[編集]「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」は、1947年に『ビルボード』誌のR&Bチャートで最高2位まで上昇した。この曲は、1947年最大のR&Bヒットだった「エイント・ノーバディ・ヒア・バット・アス・チキンズ (Ain't Nobody Here but Us Chickens)」のB面曲だったが、2曲とも半年近くチャートに留まった[3]。「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」は、2009年にグラミーの殿堂入りを果たし[4]、2013年には「ブルース録音の古典 - シングルないしアルバム収録曲」部門で、ブルース財団の殿堂入りも果たした[2]。
他のバージョン
[編集]「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」は以下に挙げたバージョンを含め、数多くのアーティストたちによって演奏されている[2][1]。B.B.キングは、スタジオ、ライブ双方で何回もこの曲を録音しており、ボビー・ブランドやトニー・ベネットと共演したバージョンもある。また、この曲は、1992年に公開されたルイ・ジョーダンを主題としたミュージカル・レビュー『Five Guys Named Moe』や、1980年の映画『ブルース・ブラザース』の中でも取り上げられた。
年 | アーティスト名 | 収録アルバム |
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1959年 | レイ・チャールズ | 『The Genius of Ray Charles』 |
1960年 | サム・バテラ&ザ・サイレント・ウィットネス (the Silent Witnesses) | 『The Wildest Clan』 |
1964年 | ジョージィ・フェイム&ザ・ブルー・フレイムズ (the Blue Flames) | 『Rhythm and Blues at the Flamingo』 |
1969年 | リトル・ジュニア・パーカー | 『"Blues Man"』 |
1975年 | マディ・ウォーターズ | 『Muddy Waters Woodstock Album』 |
1978年 | ココ・テイラー | 『The Earthshaker』 |
1982年 | クリフトン・シェニエと彼のレッド・ホット・ルイジアナ・バンド (His Red Hot Louisiana Band) | 『Live at the San Francisco Blues Festival』 |
1995年 | クインシー・ジョーンズ(スティーヴィー・ワンダー、ボノ、レイ・チャールズ | 『Q's Jook Joint』 |
1998年 | リック・デリンジャー | 『Blues Deluxe』 |
2003年 | ジョニー・マティスとゴードン・グッドウィン (Gordon Goodwin) のビッグ・ファット・バンド (Big Phat Band) | 『XXL』 |
2009年 | バックウィート・ザディコとイル・ソン・パティー・バンド (Ils Sont Partis Band) | 『Let the Good Times Roll』(1992年録音) |
2011年 | リンダ・カーター | 『Crazy Little Things』 |
同名異曲
[編集]この曲には、同名異曲があり、注意を要する。
- レット・ザ・グッド・タイムス・ロール (シャーリー・アンド・リーの曲) - 1956年の楽曲
- アール・キングの楽曲「Come On」の別名
脚注
[編集]- ^ a b Herzhaft, Gerard (1992). "Let the Good Times Roll". Encyclopedia of the Blues. University of Arkansas Press. p. 458. ISBN 1-55728-252-8。
- ^ a b c “Classic of Blues Recording — Singles or Album Tracks”. Blues Hall of Fame — 2013 Inductees. The Blues Foundation (2013年). 2013年5月21日閲覧。 “Louis Jordan's buoyant invitation to party”
- ^ Whitburn, Joel (1988). Top R&B Singles 1942–1988. Record Research, Inc. p. 229. ISBN 0-89820-068-7
- ^ “Grammy Hall of Fame Awards”. Grammy Awards. The Recording Academy (2009年). 2013年5月21日閲覧。