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レクタフレックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レクタフレックスRectaflex )は

  • 1947年から1953年までイタリアに存在したカメラメーカー"Rectaflex S.p.A."。
  • 上記カメラメーカーが生産した一眼レフカメラ"Rectaflex"シリーズ。

である。

イタリアのレクタフレックス社は1953年で倒産したが、商標権利者はリヒテンシュタインの皇太子から支援を受けて1956年にリヒテンシュタインで後継機を製造した。

製品一覧

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一眼レフカメラ

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設計者はテレマコ・コルシTelemaco Corsi )。ペンタプリズムを搭載する一眼レフカメラとしてツァイス・イコンコンタックスSと並んで最初期の製品である。"Recta"とはラテン語またはイタリア語で「正しい」の意。シャッターはフォーカルプレーン式。レンズは独自のレクタフレックスマウントにより交換可能。大きく分けてシャッター最高速1/1000秒の"1000"、シャッター最高速1/1300秒になった"1300"、簡略化されてシャッター最高速1/500秒になった"ジュニア"、リヒテンシュタインにメーカーが移転してからの"レクタフレックス・リヒテンシュタイン"に分類される。詳細に分類するにはボディーナンバーによる分類も広く行われており、"シリーズ-"と呼称する。

レクタフレックス1000

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最初の木製モックアップではプリズムでなくミラーが使用されており横位置では左右逆像、縦位置では上下逆像となる。

  • MOD.947 - プロトタイプ。
  • スタンダード947(1948年発売)
  • シリーズ1000 - シリアルナンバー1000から1999。
  • シリーズ2000(1949年発売) - シリアルナンバー2000から2999。スクリーンにスプリットイメージを装備した。
  • シリーズ3000 - ボディーダイキャストが変更された。シリアルナンバー3000から3999。
  • シリーズ4000 - フィルムカッターを省略、A/Rレバーが変更された。シリアルナンバー4000から5500。
  • シリーズ16000 - シリアルナンバー16000から19000。巻き戻しノブにフィルムインジケーターを装備した。
  • シリーズ20000(1951年発売) - シリアルナンバー20000から23000。シャッターが改良された。

レクタフレックス1300

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  • シリーズ25000 - シャッタースピード最高速が1/1300秒になった。ゴールド、ローター、軍用、24×32mm判モデル等特殊モデルが存在する。
    • レクタフレックスゴールド - 金メッキされ革部分はリザード革で製作された高級仕上げ。原型はシリーズ25000
    • レクタフレックスローター - ズームレンズが発達する以前にムービーカメラにヒントを得、レンズターレットに3本のレンズを装着して瞬時に交換できる。原型はシリーズ25000だが後にローター仕様に改造された他シリーズの個体もある。
  • シリーズ30000

レクタフレックスジュニア

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  • ジュニアJunior ) - シリーズ16000の頃にシャッタースピード1/1000秒とスローシャッターを省略し製造された簡易型。

レクタフレックス・リヒテンシュタイン

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リヒテンシュタインで製造された。テレマコ・コルシは関わっていない。ペンタプリズムのデザインは変更され、リヒテンシュタインの紋章が入っている。自動絞り。

  • シリーズ400001956年発売)

レクタフレックスマウントレンズ

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純正のM42アダプターがあり、それを介すればM42マウントレンズが使用できる。

その他のカメラ

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  • ディレクトール35Director35 ) - 24×34mm判。レンズはアンジェニューの50mmF2.8。
  • レクタRecta 、1953年試作) - レクタフレックスをベースに計画されたレンジファインダーカメラの試作品。テレマコ・コルシ設計。レンズはイスコ(Isco )のウェスターC(Westar C )5cmF3.5。
  • レクタマチックRectamatic ) - テレマコ・コルシがレクタフレックスの後継機として1960年代始めにデザインした一眼レフカメラ。

脚注

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  1. ^ a b c d e f 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.41。
  2. ^ 『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.50。
  3. ^ 『クラシックカメラ専科』p.159。

参考文献

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  • 『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ
  • 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』朝日ソノラマ
  • 『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』朝日ソノラマ