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ルリボウズハゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルリボウズハゼ
ルリボウズハゼ
ルリボウズハゼ、Sicyopterus lagocephalus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ハゼ亜目 Gobioidei
: ハゼ科 Gobiidae
亜科 : ボウズハゼ亜科 Sicydiinae
: ボウズハゼ属 Sicyopterus
: ルリボウズハゼ S.lagocephalus
学名
Sicyopterus lagocephalus
(Pallas,1770)
和名
ルリボウズハゼ(瑠璃坊主鯊)
英名
Bichique, Red tailed parrot goby

ルリボウズハゼ(瑠璃坊主鯊、Sicyopterus lagocephalus)は、南西諸島の渓流に生息するハゼボウズハゼ属に属す魚。

分布

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日本国内では、小笠原諸島父島[1][2][3]奄美大島沖縄島石垣島西表島[2][3]種子島屋久島与那国島久米島[2]にのみ分布する。国外では台湾以南の西部太平洋インド洋の島々[2]

形態

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全長は8-13センチメートル[1][2]。体は細長く側扁した円筒形であり[1]、吻は丸みを帯びる[1][3]。雌雄ともに尾鰭の中央と上下に3本の暗色縦帯がある[3][2]。腹吸盤は楕円形で吸着力が強く、第2背鰭の軟条数は11[1]。オスの体色は瑠璃色または青色で[1][3][2]尾鰭は濃い黄色または橙色[1][3]で、第1背鰭が長く伸びる[1]。メスは淡褐色で体背面に6褐色鞍状斑があり[1][3]、体側中央に一本の縦帯がある。藻類食に適応するため、口は腹面に開く[1]。鱗は細かい。上顎には2~3尖頭の細いヘラ状歯が密に並び、円錐状歯がない[2]

生態

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河川上流域[1][3]・渓流域に生息するが[2]、水量が豊富な河川を好み、小さな島に見られるような小川にはいない[3]ボウズハゼより上流に偏り[1]、両種が共存する場合は、本種は流れのより速いところに多い[2][1]。淵尻や瀬頭の岩盤や転石上に群がりで見られ、小・中の滝であれば遡上する[2]。餌となる藻類がよく生えるためか、日当たりのよい水域に多い[3]付着藻類を歯で石の表面から削り取って食べるだけでなく、小型の水生昆虫を捕食する。また、飼育下ではユスリカ幼虫(アカムシ)や人工飼料なども食べる[1]

保全状況

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橋梁工事や道路整備による、土砂の流出、水量の減少、河川開発、水質汚濁などのため、生息環境が悪化し、個体数が減少している。また、美しい体色や希少性から観賞魚として人気があり、業者やマニアによる乱獲にも注意が必要である[1]

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 細谷和海、『増補改訂 日本の淡水魚』、山と渓谷社、2019年、424・425頁
  2. ^ a b c d e f g h i j k 鈴木寿之・渋川浩一・矢野維幾、『決定版 日本のハゼ』、平凡社、2004年、48・49頁
  3. ^ a b c d e f g h i j 松沢陽士、『ポケット図鑑日本の淡水魚258』、文一総合出版、2016年、235頁