ルリゴキブリ属
ルリゴキブリ属 | |
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ルリゴキブリ属(瑠璃蜚蠊属、学名:Eucorydia)は、ゴキブリ目ムカシゴキブリ科の一属。
日本から最初に記載された種が、瑠璃色の金属光沢を持つ種だったことからルリゴキブリと名づけられた。
解説
[編集]全長11-22mmと比較的小型のゴキブリで、背面は青緑や緑の金属光沢があり、橙色の斑紋や帯模様を持つ種が多い。幼虫は黄褐色ないし淡褐色で光沢はないが、成虫同様に触角鞭節の先端近くに白い部分がある。卵鞘は褐色で、側面には多数の隆起条が、側縁には多数の鋸歯がある[1]。
東南アジアから中国、台湾、日本にかけての熱帯から温帯に20種余りが知られる。日本からは八重山諸島の固有種として古くからルリゴキブリ1種のみが記載されていたが、2020年にアカボシルリゴキブリとウスオビルリゴキブリ[2]、2021年にはベニエリルリゴキブリ[3]と相次いで3種が南西諸島から記載され、4種となった。
日本産の種リスト
[編集]アカボシルリゴキブリ Eucorydia tokaraensis オスの全長12-13mm 草垣群島家島、トカラ列島悪石島、奄美大島、徳之島
ベニエリルリゴキブリ Eucorydia miyakoensis オスの全長12.5-13mm 宮古島 ◎2024年2月より国内希少野生動植物種に指定され採集が禁止されている[4]。
ルリゴキブリ Eucorydia yasumatsui 石垣島、西表島、波照間島[5]
ウスオビルリゴキブリ Eucorydia donanensis オスの全長12-14.5mm 石垣島[6]、与那国島 ◎2024年2月より国内希少野生動植物種に指定され採集が禁止ている[4]。
人間との関わり
[編集]森林の樹上や林床に棲み、ゴキブリの多くの在来種同様、人家に侵入することはまずない。
むしろ美しさや希少性により乱獲の可能性が憂慮されている[7]。
脚注
[編集]- ^ Lu Qiu, Yan-Li Che, Zong-Qing Wang 2017 Revision of Eucorydia Hebard, 1929 from China, with notes on the genus and species worldwide (Blattodea, Corydioidea, Corydiidae). ZooKeys 709: 17-56.
- ^ Yanagisawa, S., Hiruta, F. S., Sakamaki, Y., Liao, J. R., and Shimano, S. 2020. Two new species of the genus Eucorydia (Blattodea: Corydiidae) from the Nansei Islands in southwest Japan. Zoological Science 38: 90–102.
- ^ Yanagisawa, S., Hiruta, S., Sakamaki, Y., and Shimano, S. 2021 A New Species of the Genus Eucorydia (Blattodea: Corydiidae) from the Miyako-jima Island in Southwest Japan. Species Diversity 26(2): 145-151.
- ^ a b 環境省 国内希少野生動植物種一覧( https://www.env.go.jp/nature/kisho/domestic/list.html )
- ^ 内田晃士・柳澤静磨 2021 波照間島からのルリゴキブリ Eucorydia yasumatsui Asahina, 1971 の初記録 Fauna ryukyuana (2021)13-14.
- ^ 石垣島におけるウスオビルリゴキブリの初記録について https://www.furekon.jp/report11/
- ^ 環境省、新種のムカデなど3種を緊急指定種に指定・捕獲や売買を規制 環境展望台 (2021年6月29日).