ルビジア亜科
ルビジア亜科 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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Rubidgea atroxの頭部復元図
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||
後期ペルム紀ローピンジアン世 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Rubidgeinae Broom, 1938 | ||||||||||||||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ルビジア亜科(ルビジアあか、学名:Rubidgeinae)は、現在のアフリカ大陸から化石が産出している、ゴルゴノプス亜目ゴルゴノプス科に属する絶滅した獣弓類の属[1]。古生代のうち後期ペルム紀のローピンジアン世に繁栄したグループであり、ゴルゴノプス科の中でも派生的な分類群である[1]。南アフリカ共和国やタンザニアおよびザンビアなどから化石が発見されており、特に南アフリカにおいては複数の属種が共存していた[1]。カルー盆地に分布するカルー超層群の調査によると、ルビジア亜科は約2億5900万年前から約2億5300万年前にかけて生態系の上位を占めて姿を消し、その後はイノストランケビアの種や他の単弓類・双弓類に頂点捕食者の地位を譲ったとされる[2]。
特徴
[編集]ルビジア亜科はゴルゴノプス科に属する大型で四足歩行の捕食動物であった。彼らが持つ最大の歯は上顎の犬歯であり、歯全体の形状はブレード状をなし、また鋸歯が発達していた。犬歯よりも後側の歯は小型かつ円錐形であったが、これらにも高頻度で鋸歯は存在した。歯の基盤的な置換速度は基盤的なテロケファルス類と比較して速かった。ルビジア亜科はブレード上の副蝶形骨が存在しないことや前頭頂骨が存在しないか小型であることに基づいて他のゴルゴノプス亜目から区別することが可能である。ルビジア亜科の頬骨は他の大半のゴルゴノプス亜目とは対照的に幅広く拡大していた[3]。ルビジア亜科における最大の属はディノゴルゴンとルビジアであり[4]、ルビジアは全長3メートルとイノストランケビアに迫る大きさであったとされる[1]。
古生物学
[編集]ルビジア亜科はアフリカから化石が産出したゴルゴノプス類の中で派生的なグループであり、大型の属種も含まれている[1]。またロシアから化石が産出するゴルゴノプス科の分岐群と比較すると、一般に四肢や頭部が頑強であった[1]。頑強な頭蓋天井と眼窩の上に存在する突起は、獲物を捕獲する際に発生する負荷から頭蓋骨を保護することに寄与した可能性が高い。こうした形態は獣脚類の恐竜を含め、化石記録の残る他の数多くのマクロプレデターにも認められる。この頭蓋骨の形態が存在することは、獲物の捕獲に際して四肢よりもむしろ頭部を使用する捕食者において見られる複数の適応の1つである[3]。
分類
[編集]以下はKammerer (2016)に基づいてルビジア亜科の系統関係を示すクラドグラムである[3]。
ルビジア亜科 |
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出典
[編集]- ^ a b c d e f 土屋健『前恐竜時代 失われた魅惑のペルム紀世界』ブックマン社、2022年10月22日、130-133頁。ISBN 978-4-89308-953-3。
- ^ “新種化石を定説覆す場所で発見、大量絶滅を逃れようと大移動か”. 日経ナショナルジオグラフィック (2023年6月6日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ a b c Christian F., Kammerer (January 26, 2016). “Systematics of the Rubidgeinae (Therapsida: Gorgonopsia)”. PeerJ 4: e1608. doi:10.7717/peerj.1608. PMC 4730894. PMID 26823998 .
- ^ Frank Zachos, Robert Asher (October 22, 2018). Mammalian Evolution, Diversity and Systematics. De Gruyter. p. 158 2022年8月25日閲覧。