Lily Chou-Chou
Lily Chou-Chou(リリイ・シュシュ)は、映画内の架空のシンガーソングライター、および実在する日本の音楽ユニットの名前。
概要
[編集]Lily Chou-Chouとは2001年公開の映画『リリイ・シュシュのすべて』(岩井俊二監督)に登場する架空のシンガーソングライターのことであるが、映画から生まれた同名の音楽ユニットも実在し、映画内で流れる曲を担当している。またLily Chou-Chouの歌はいずれもSalyu[注 1]が歌唱している。[1][2]
「リリイ・シュシュ」と言う名前は、ドビュッシーの最初の妻(Rosalie Texier)の愛称である"Lily"と、2番目の妻との間に出来た娘(Claude-Emma)の愛称"Chou-Chou"から付けられている。
ユニット (実在)
[編集]Lily Chou-Chou | |
---|---|
ジャンル | J-POP |
活動期間 |
2000年 - 2001年 2010年 - |
レーベル |
ZONE LABEL(2000年) 東芝EMI/UNLIMITED RECORDS(2001年) 烏龍舎(2010年) |
事務所 | 烏龍舎(2000年 - ) |
公式サイト | Lily Chou-Chou |
メンバー |
小林武史(音楽プロデューサー・作曲家・キーボード) Salyu(ボーカル) 名越由貴夫(ギター) |
旧メンバー | 岩井俊二 |
音楽ユニットとしての「Lily Chou-Chou」は、2001年に公開された映画「リリイ・シュシュのすべて」と連動する形で始動[注 2]。当時は楽曲制作を担当する音楽プロデューサーの小林武史、歌唱担当のSalyu、プロモーションビデオの制作や歌詞などを担当する岩井俊二の3人で活動していた[注 3]。シングルやアルバムといった作品をリリースした後、映画の公開終了とともに一旦ユニットとしての活動を終了する。その後、2010年から活動を再開するが、メンバー構成は小林武史とSalyuに新しく加わったギターの名越由貴夫の3人となり、岩井俊二の名前は含まれていない。[3][4]
なお、2009年から小林武史は大沢伸一とともに劇中に登場するバンドと同名で同じくSalyuをボーカルに据えた「Bradberry Orchestra(ブラッドベリ・オーケストラ)」というユニットをスタートさせている[5]が、Lily Chou-Chou関連プロジェクトとの関係について公式には言及されていない。
来歴
[編集]1998年、音楽プロデューサーの小林武史と彼に見出されたSalyu[注 4]、そして映画監督であり作家の岩井俊二の3人で結成[4]。
2000年4月19日、シングル『グライド』で、Sony Music Associated Records内レーベル・ZONE LABELよりデビュー。インターネット上で配信される岩井作の小説『リリイ・シュシュのすべて』と連動した形でアーティスト活動を行う。同年、数回ほど小規模なライブを行っている。
2001年、東芝EMI内レーベル・UNLIMITED RECORDSに移籍。映画『リリイ・シュシュのすべて』が公開される。映画内で使用された楽曲は、1stアルバム『呼吸』に収録されている。映画公開終了とともにプロジェクトも終了、個々それぞれの活動を再開する。解散後の活動はメンバーそれぞれの項を参照のこと。
2003年、映画『KILL BILL』に、「回復する傷」(アルバム『呼吸』収録)が劇中歌として使用された[2]。これは同映画の監督であるクエンティン・タランティーノが歌声に惚れ込んだことにより起用が実現したものである[要出典]。 2010年11月5日、約9年ぶりの活動再開を発表。それに合わせ、新しい公式サイトや公式YouTubeチャンネル、Twitterアカウント、Facebookアカウントも開設された。[3][4]
2010年12月8日に「エーテル」を配信限定リリース、同年12月15日に中野サンプラザホールでライブ公演「Lily Chou-Chou Live“エーテル”」を行った。
2015年10月、全国5都市で開催されたライブツアー『JFL presents LIVE FOR THE NEXT supported by ELECOM』の札幌公演と東京公演に出演し、5年ぶりにライブを行う[7]。
2016年10月8日から11日までの4日間にわたり、岡山県・犬島精錬所美術館発電所跡で開催されたイベント『円都空間 in 犬島 produced by Takeshi Kobayashi』にLily Chou-Chou Projectとして出演[8]。
2017年9月5日、野外ライブフェスイベント『Reborn-Art Festival 2017 YEN TOWN BAND × Lily Chou-Chou LIVE』に、YEN TOWN BANDと共に約1年振りに出演をする[9]。
メンバー
[編集]元メンバー
[編集]- 岩井俊二:映像制作や歌詞を担当。
ディスコグラフィー
[編集]シングル
[編集]発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | |
---|---|---|---|---|
1st | 2000年4月19日 | グライド | AICT-1203 | 詳細
|
2nd | 2000年6月21日 | 共鳴(空虚な石) | AICT-1236 | 詳細
|
非売品CD
[編集]発売日 | タイトル | 収録曲 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
2001年10月 | 呼吸-前奏曲- | 詳細
|
映画観覧者先着配布。 |
配信限定
[編集]発売日 | タイトル | 備考 |
---|---|---|
2010年12月8日 | エーテル | iTunes・mobile限定。公式YoutubeアカウントでもPVが公開された。PV制作に森千裕が参加。 |
アルバム
[編集]発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | |
---|---|---|---|---|
1st | 2001年10月17日 | 呼吸 | TOCT-24690 | 詳細
|
その他
[編集]- 「リリイ・シュシュのすべて」 オリジナル・サウンドトラック『アラベスク』
- 「Sight」が収録されている。
- 未発表曲
- My Memory(2010年12月15日)
映像作品
[編集]- 『YEN TOWN BAND・Lily Chou-Chou Projet 円都空間 in 犬島』(2017年6月14日)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 映画『リリイ・シュシュのすべて』およびLily Chou-Chou関連作品の中では、Salyu本人の名前は一切触れられておらず、わずかにアルバム「呼吸」の歌詞カードに "Lily Chou-Chou are Salyu,Takeshi Kobayashi,Shunji Iwai" と記述されるだけに止まる。
- ^ 監督の岩井俊二が映画の企画段階で現実世界と映画世界との融合を狙っていたことから、それに合わせて結成された。なお、このプロジェクト以前にも小林武史と岩井俊二は既に1995年から映画『スワロウテイル』(1996年公開)でのYEN TOWN BAND(CHARA)で、映画の作品世界と連動した音楽プロジェクトを手掛けている。
- ^ 映画の中ではソロのシンガーソングライターの名前だったことから、現実でもボーカルを務めるSalyu自身が"Lily Chou-Chou"として紹介されることもあったが、あくまでもユニットの名称である。
- ^ Sony Musicの新人育成機関SDグループに所属して1年半ほど経った頃に小林が興味を持ち、彼の事務所に誘った[6]。
出典
[編集]- ^ “Lily Chou-chou:プロフィール・バイオグラフィ”. BARKS. 2017年7月4日閲覧。
- ^ a b “岩井俊二監督『リリイ・シュシュのすべて』から生まれた音楽ユニット、約10年ぶりに再始動!”. シネマトゥデイ (2010年12月2日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ a b “リリイ・シュシュが9年ぶり復活、12月に新曲&ライブ”. 音楽ナタリー (2010年11月6日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ a b c “9年ぶりに復活するリリィ・シュシュ。その全貌は市原隼人&蒼井優共演の映画でチェック”. Movie Walker (2010年11月28日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ “小林武史×大沢伸一、新ユニット「Bradberry Orchestra」を結成”. livedoor NEWS (2009年10月1日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ “ちょい出し!「ユザーンの川越コンピューター学園」 その12 今月の転入生:Salyu”. ASCII.jp×iPhone/Mac (2012年11月30日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ “Lily Chou-Chouが5年ぶりにライブ、YEN TOWN BANDと共演”. CINRA.NET (2015年9月24日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ “「スワロウテイル」の架空都市を犬島で表現、小林武史プロデュース「円都空間」”. 音楽ナタリー (2016年8月26日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ “「Reborn-Art Fes」でYEN TOWN BAND×Lily Chou-Chouライブ開催”. ナタリー. 2017年8月30日閲覧。
外部リンク
[編集]- Lilyholic Lily Chou-Chou オフィシャルサイト
- Lily Chou-Chou Lily Chou-Chou オフィシャルサイト(以下、2010年 - )
- LilyChouChou2000 - YouTubeチャンネル
- Lily Chou-Chou (@LilyChouChou_) - X(旧Twitter)公式アカウント
- Lily Chou-Chou - Facebook公式アカウント