ラ・ヴィヴァンディエール
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ラ・ヴィヴァンディエール La Vivandière | |||||||
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カーチを演じるファニー・チェッリート、1844年。 | |||||||
サン=レオン版 | |||||||
構成 | 1幕 | ||||||
振付・台本 | A・サン=レオン | ||||||
作曲 | C・プーニ | ||||||
美術 |
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設定 |
ヴィーゼルブルク (ハンガリーの小村) | ||||||
初演 |
1844年5月23日 ハー・マジェスティーズ劇場 | ||||||
主な初演者 |
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ポータル 舞台芸術 ポータル クラシック音楽 |
『ラ・ヴィヴァンディエール』 (仏: La Vivandière) は、1844年に英国で初演された全1幕のバレエ作品である。ヴィヴァンディエールとは女性酒保商人のことで、「酒保の娘」「従軍商隊の女」の意。
概要
[編集]台本と振付は『コッペリア』(1870年)などで知られるアルテュール・サン=レオン、音楽はチェーザレ・プーニが担当した。
初演は1844年5月23日にロンドンのハー・マジェスティーズ劇場で行われた。ヒロイン役のカーチ(Kathi)はファニー・チェッリート、その恋人役ハンス(Hans)はサン=レオン自身が踊った。
サン=レオンはボヘミア地方の民族舞踊レイドヴァーク(Rejdovak)を取り入れ、作品を成功に導いた[2]。
再演
[編集]- 1848年 - パリ・オペラ座でサン=レオンによる再演[3]。
- 1855年 - ロシア帝室バレエ団でジュール・ペローが再演。カーチはマリア・プティパ[4]、ハンスはペロー自身が踊った。
- 1881年 - 題名をロシア語で『マルキタンカ』("Маркитантка"、意味は原題と同じ) としてマリウス・プティパが改訂振付して再演[3]。
あらすじ
[編集]舞台はハンガリーのある村。
酒保を辞めて故郷であるこの村に帰ってきたカーチ。カーチと彼女の恋人ハンスに、美しいカーチに言い寄る金持ちの老人二人が絡んでくる。
パ・ド・シス
[編集]サン=レオンは1852年に出版した自著 "La Sténochorégraphie" の中で、この作品に含まれる「パ・ド・シス」(6人のパ)の振付を独自のダンス記録法で残した。この原振付はダンス記録法の専門家アン・ハッチンソン=ゲスト(1918年 - )によって再現され、1977年に米国のジョフリー・バレエが上演した[5]。
一方ロマンティック・バレエの復元を得意とするピエール・ラコットは1976年にパリのオペラ=コミック座でパ・ド・シスを独自に復元しており、これは1979年にキーロフ・バレエ団のレパートリーにも加えられた[6]。
文献
[編集]- Chapman, John, "La Vivandière", International Dictionary of Ballet, vol.2, pp.1504-1505, ISBN 1-55862-158-X
- 薄井憲二「バレエ千一夜」(新書館、1993年)
- 小倉重夫編「バレエ音楽百科」(音楽之友社、1997年)
脚注
[編集]- ^ 欧文表記: Louise Marquet
- ^ この民族舞踊はパリで「レドヴァ」と呼ばれ、のちにロンドンの社交ダンス界でも流行したという。
- ^ a b Chapman, op cit.
- ^ マリウス・プティパの前妻。
- ^ "Joffrey Offers Stevenson's 'Preludes'", The New York Times, 1 November 1987. 次の写真も参照のこと。"La vivandiere - pas de six", NYPL Digital Gallery.
- ^ Babsky, Monique, "Lacotte, Pierre", International Encyclopedia of Dance, vol.4, p.108, ISBN 0-19-517588-3