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ランフォスクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ランフォスクス
生体復元図
地質時代
新第三紀中新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
階級なし : 偽鰐類 Pseudosuchia
上目 : ワニ形上目 Crocodylomorpha
階級なし : 新鰐類 Neosuchia
: ワニ目 Crocodilia
上科 : インドガビアル上科 Gavialoidea
: インドガビアル科 Gavialidae
: ランフォスクス属 Rhamphosuchus
学名
Rhamphosuchus Falconer & Cautley, 1840
  • Rhamphosuchus crassidens Falconer & Cautley, 1840

ランフォスクス学名Rhamphosuchus)は、新生代南アジアに生息したワニの絶滅した[1]。かつては全長15メートル強と考えられ、後に全長10メートルに推定値が修正されたものの、依然として同亜科において巨大な属である[1]。ランフォスクスは新第三紀中新世に生息しており[1]、またそれ以前の漸新世からそれ以後の鮮新世まで長期にわたって生息した可能性が層序から示唆される[2]化石は2地域から産出しており、1地域はパキスタン北インドのSiwalik Hills (en、もう1地域はパキスタンシンド州である。タイプ種は Rhamphosuchus crassidensであり、主に頭蓋骨からなる不完全な化石の組み合わせから知られている。従来インドガビアル属に分類されていた4種も本属に包含される可能性がある[2]

説明

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従来、数多くの古生物学者は本属が推定全長15 - 18メートルに達する史上最大級のワニの一つであると考えていた[3]。しかし、後の研究により本属の全長は約8 - 11メートルであることが示唆され、従って本属は既知の最大のワニではなくなった[4]。他の大型のワニでは、クロコダイル上科に属するプルスサウルスモウラスクス英語版がそれぞれ全長13メートルおよび全長12メートルと推定されている。またアリゲーター上科ではエウテコドン英語版インドガビアル上科ではグリポスクスが全長10メートル前後と推定されている[1]。ランフォスクスの食性は他の魚食性のトミストマ亜科と比べジェネラリストの傾向があったとされる[4]

ランフォスクスはかつて現生のマレーガビアルに近縁と考えられ、トミストマ亜科に分類されていた。しかし、従来トミストマ亜科の特徴とされた形質状態は側系統的であると判明した。系統解析を行った Iijima et al. (2022) はランフォスクスをインドガビアル亜科の派生的な属として系統樹上に 位置付けている[5]

ギャラリー

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出典

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  1. ^ a b c d 小林快次『ワニと恐竜の共存 巨大ワニと恐竜の世界』北海道大学出版会、2013年7月25日、52-53頁。ISBN 978-4-8329-1398-1 
  2. ^ a b Martin, J. E. (2018). “The taxonomic content of the genus Gavialis from the Siwalik Hills of India and Pakistan” (英語). Papers in Palaeontology 5 (3): 483–497. doi:10.1002/spp2.1247. https://hal.archives-ouvertes.fr/hal-02123647/file/2019Gavialis.pdf. 
  3. ^ Heilprin, Angelo (1974). The Geographical and Geological Distribution of Animals: The International Science Series Vol. 57. Ayer Publishing. ISBN 0-405-05742-3 
  4. ^ a b Head, J. J. (2001). “Systematics and body size of the gigantic, enigmatic crocodyloid Rhamphosuchus crassidens, and the faunal history of Siwalik Group (Miocene) crocodylians”. Journal of Vertebrate Paleontology 21 (Supplement to No. 3): 59A. doi:10.1080/02724634.2001.10010852. 
  5. ^ Iijima, M.; Qiao, Y.; Lin, W.; Peng, Y.; Yoneda, M.; Liu, J. (2022). “An intermediate crocodylian linking two extant gharials from the Bronze Age of China and its human-induced extinction”. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences 289 (1970): 20220085. doi:10.1098/rspb.2022.0085. PMID 35259993.