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ランツフート - アイゼンシュタイン線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ランツフート - アイゼンシュタイン線
基本情報
ドイツの旗 ドイツ
所在地 バイエルン州
起点 ランツフート
終点 バイエルン・アイゼンシュタイン駅
路線記号 5634
路線番号 905, 931
開業 1875年
全通 1880年
運営者 ドイツ鉄道
路線諸元
路線距離 134 km
軌間 1435 mm(標準軌
線路数 単線
電化区間 ランツフート - プラットリング
電化方式 15 kV/16.7 Hz(交流
保安装置 PZB
最高速度 160 km/h
線路等級 ランツフート - デゲンドルフ: D4
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
ABZg+l
M-R線, L-R線
ABZg+r
ノイマルクト・ザンクト・ヴァイト - ランツフート線(ノイマルクト方面)
BHF
0.0 ランツフート(バイエルン)中央駅 385 m
ABZgl
ミュンヘン - レーゲンスブルク線(レーゲンスブルク方面)
BHF
17.4 ヴェルト(イーザル) 370 m
ABZg+l
BMW連結線
BHF
29.1 ディンゴルフィング 359 m
eABZg+r
旧ローゼンハイム - ピルスティング線
eBHF
41.5 旧ピルスティング 342 m
BHF
45.3 ランダウ(イーザル) 338 m
eABZgr
旧ランダウ - アルンスドルフ線
BHF
52.9 ヴァラースドルフ 336 m
eABZgl
旧ヴァラースドルフ - ミュンヒスホェーフェン線
ABZg+l
レーゲンスブルク - パッサウ線(オーバートラウビング方面)
BHF
62.9 プラットリング 323 m
ABZgr
レーゲンスブルク - パッサウ線(パッサウ方面)
HST
66.6 パンコーフェン 318 m
hKRZWae
ドナウ川(466 m鉄道橋)
ABZg+r
デゲンドルフ - カールテネック線
eABZg+l
旧デゲンドルフ・メッテン地方鉄道線
BHF
72.4 デゲンドルフ中央駅 321 m
HST
79.7 グラフリング・アルツティング
TUNNEL1
キュールベルクトンネル(475 m)
TUNNEL1
ホッホビュールトンネル(568 m)
BHF
95.9 ゴッテスツェル 552 m
ABZgl
ゴッテスツェル - ブライバッハ線
BHF
102.7 トリーフェンリート 617 m
hKRZWae
(304 m)
BHF
110.5 レーゲン 549 m
hKRZWae
黒レーゲン川 (119 m鉄道橋)
hKRZWae
黒レーゲン川 (79 m鉄道橋)
HST
116.3 ベットマンゼーゲ 554 m
hKRZWae
黒レーゲン川 (131 m鉄道橋)
ABZg+l
ボーデンマイス - ツヴィーゼル線
ABZg+r
ツヴィーゼル - グラーフェナウ線
BHF
120.7 ツヴィーゼル 578 m
HST
125.8 ルトヴィヒスタール 618 m
STR
ドイツ
lZOLL BHF+GRZq lZOLL
134.560 バイエルン・アイゼンシュタイン 722 m
STR
チェコ, ジェレズナー・ルダ - プルゼニ線
  • 出典: ドイツ鉄道地図[1]

ランツフート - アイゼンシュタイン線ドイツ語: Bahnstrecke Landshut–Bayerisch Eisenstein)はドイツ連邦共和国バイエルン州ランツフートとドイツ・チェコの国境駅であるバイエルン・アイゼンシュタイン=ジェレズーナ・ルダ・アルジビェティーン駅を結ぶ単線鉄道である。中間経由地はランダウ、プラットリング、デゲンドルフレーゲンであり、特にプラットリング - バイエルン・アイゼンシュタイン区間はバイエルン森鉄道(Bayerischer Waldbahn)と呼ばれている。ランツフート - プラットリング区間は電化されて、ミュンヘンとパッサウを結ぶ経路として用いられる。

沿線概況

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ランツフート - プラットリング間はイーザル川北側の谷底地帯を一直線に貫通して、鉄道橋は中間にない。列車がランツフート駅を出発するとミュンヘン - レーゲンスブルク線がすぐに分岐する。この路線は少し北に一直線に。BMW工場の所在地ディンゴルフィングを経ってランダウに至る。列車は続いて北側に方向を転換してヴァラースドルフに向かう。プラットリング駅の寸前にパッサウ - オーバートラウビング線がこの路線と合流して、列車はプラットリング駅に到着する。

パッサウ方面の鉄道線は再び分岐して、この路線は東北の方に伸びる。列車はこの路線と並行する自動車道A92自動車道A3の交差点とドナウ川鉄道橋を通過する。デゲンドルフ - ゴッテスツェル間は二つのトンネルと二つのループ線で構成されて、最大傾斜率は12.5 ‰である。ゴッテスツェルではフィールド方面の線路が分岐して、列車は東の方に向かう。レーゲン市街地の西側に国道B85と黒レーゲン川がこの路線に接近する。列車はレーゲン駅からツヴィーゼル駅まで黒レーゲン川と平行に走行する。ツヴィーゼル駅の寸前にツヴィーゼル - グラーフェナウ線とボーデンマイス - ツヴィーゼル線はこの路線と合流する。列車はジェズナ川と国道B11に沿って北の方にあるアイゼンシュタインに向かう。国境駅ではジェレズナー・ルダ - プルゼニ線がこの路線を継承する。

歴史

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バイエルン東部鉄道および王立バイエルン鉄道

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1866年3月にデゲンドルフ・プラットリング鉄道株式会社(Deggendorf-Plattlinger Eisenbahn AG)がプラットリングとデゲンドルフの対岸フィシャードルフを結ぶ盲腸線を開通した。バイエルン政府はバイエルン森の経済振興のためにデゲンドルフから国境線までの鉄道建設計画を1867年から検討した。バイエルン東部鉄道株式会社(Bayerische Ostbahnen)は1869年8月3日にランダウ-カーム間鉄道敷設権を獲得した。バイエルン森地域の参議院議員と企業家の発案で東部鉄道はランダウ - アイゼンシュタイン間の鉄道敷設権を1872年に獲得して、既存建設許可の期限は切れることとなった[2]。新設区間はドナウ川から森に向かって上り坂となっていくつかの橋梁を含めて、入念な建設が必要であった。主任技術者はデゲンドルフ-ゴッテスツェル間に関する二つの路線経路を検討して、人為的に路線距離を長くして傾斜度を12.5‰に調整する方案を採択した[3]

1873年3月30日、バイエルン王国オーストリア・ハンガリー帝国はランダウ - ピルゼン(現在プルゼニ)間の鉄道建設に関する条約を締結した。国境駅の駅舎・施設物設置と運営方法は第12条 - 第19条の条文で規定されて、第13条にはオーストリア側とバイエルン側の駅施設物分離が明示された[4]

1874年建設工事が開始されて、プラットリング駅は西へ移転し改築された。1875年5月に東部鉄道は国有化されて、1876年1月1日に王立バイエルン国鉄と併合された。1875年10月15日にピルスティング - プラットリング間がミュールドルフ - ピルスティング間とともに開通されて、運営主体は国鉄であった[5]。1877年9月16日にこの路線はルトヴィヒスタールまで延長された[6]。同年11月15日にルトヴィヒスタール-アイゼンシュタイン間はデフェルニック鉄道橋の完工後開通された[7]。一方、オーストリア帝国側にノイエルン(現在ニールスコ)- アイゼンシュタイン間は1877年10月20日に完工した[8]。アイゼンシュタイン駅舎は1878年完工して、転車台はバイエルン側に設置された。

ランツフート - ピルスティング間は1880年5月15日に完工して、ミュンヘン - ピルゼン間の列車運行は一応可能となった。しかし特急列車はこの路線ではなくて、むしろレーゲンスブルクとシュヴァンドルフ - フルト線を経てプラハ方面に通行した。デゲンドルフ=プラットリング鉄道の路線はこの路線と連結できなかったので廃止された。また、バイエルン森の区間では複線改修も急勾配と急なループ線のため実行されなかった。ピルスティング - プラットリング間は1901年から1906年まで複線で改修された[9]

ドイツ連邦鉄道

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1953年に鉄のカーテンの影響により柵がバイエルン・アイゼンシュタイン / ジェレズナー・ルダ駅舎から線路を横断して設置された。ツヴィーゼル - アイゼンシュタイン区間は、少ない通行量と悪化した施設のため、廃線の恐れがあった[10]

ランツフート - プラットリング区間に電車線が1976年5月25日に備えられた。主な目的はミュンヘン - パッサウ間列車の機関車をランツフートとプラットリングで交換せず通行させることであった。総工事費はおよそ1300万マルクであった。

1991年6月2日にバイエルン・アイゼンシュタイン駅が再び開放されて、入換の場合、両国の車両は国境線と無関係に施設の接近可能となった。

ドイツ鉄道

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2003年12月14日に列車交換設備が設置されたグラプリング信号場が開業された[11]。また、ウーリヒベルクとレーゲンの信号扱い所が廃止された[12][13][14]。2008年3月以降新しいドナウ川鉄道橋がおよそ15 m上流の方に建設されて、2000 mの線路が移設された。新鉄道橋はトラス構造で、2010年6月28日に完工した。

2013年8月にデゲンドルフ-ツヴィンガー間がレールの欠陥と測定誤差のため、20日間封鎖された[15]。ゴットテスツェル-バイエルン・アイゼンシュタイン間に四つの橋梁が改修されて、列車通行は2015年3月30日より一時的に中止された[16]。天気条件が不利で改修工事は16週間続いて工事費は500万ユーロに至った。他の橋梁は、フェレンレヒェン鉄道橋を除いて、わずかなほどに改修されて、いずれ本格的な改修が必要である[17]。2016年8月にランツフート - プラットリング区間改修は「ドイツ連邦交通計画2030」の部分として内閣で決定された[18]

運行形態

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  • 快速列車 (RE 3) : ミュンヘン - フライジング - ランツフート - ヴェルト - ディンゴルフィング - ランダウ - ヴァラースドルフ - プラットリング - パッサウ。60分ごと。使用車両はDB440形電車あるいは146形電気機関車と二階建客車のプッシュプル列車
  • 普通列車 (RB 35) : プラットリング - パンコーフェン - デゲンドルフ - グラフリング・アルツティング - ゴッテスツェル - トリーフェンリート - レーゲン - ベットマンゼーゲ - ツヴィーゼル - ルトヴィヒスタール - バイエルン・アイゼンシュタイン。60分ごと。

貨物輸送部門ではBMWディンゴルフィング工場の輸送量は最大であり、ヴァラースドルフのBMW物流センターの連結線も重要な貨物列車通路である[19]

参考文献

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  • Manfred Bräulein (2000) (ドイツ語). Die Ostbahnen, Königlich privilegiert und bayerisch. Von der Anfängen bis zur Verstaatlichung 1851 bis 1875. Nürnberg: Spindler. ISBN 3-88929-078-7 
  • Udo Kandler (1996) (ドイツ語). Eisenbahnen im Bayerischen Wald. Fürstenfeldbruck: Merker. ISBN 3-922404-89-8 
  • Bernhard Rückschloß (2021) (ドイツ語). Bayerische Waldbahn - von der Donau nach Böhmen in urwüchsiger Landschaft. Deggendorf: Ebner Verlag Druckerei. ISBN 978-3-934726-99-4 
  • Walther Zeitler (1991) (ドイツ語). Die Bayerische Waldbahn. Passau: Neue Presse. ISBN 3-924484-38-4 
  • Walther Zeitler (1997) (ドイツ語). Eisenbahnen in Niederbayern und der Oberpfalz (2nd ed.). Amberg: Buch & Kunstverlag Oberpfalz. ISBN 3-924350-61-2 

外部リンク

[編集]

脚注

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  1. ^ (ドイツ語) Eisenbahnatlas Deutschland (9th ed.). Aachen: Schweers+Wall. (2014). ISBN 978-3-89494-145-1 
  2. ^ “Mittheilungen über Eisenbahnen und sonstige Transport-Anstalten: Aus Bayern” (ドイツ語). Zeitung des Vereins Deutscher Eisenbahn-Verwaltungen (Nr. 76): p. 765. (1872年6月28日). https://www.digitale-sammlungen.de/de/view/bsb10934041?page=782,783 
  3. ^ Gerd Wolff (1978) (ドイツ語). Deutsche Klein- und Privatbahnen. Band 6. Gifhorn: Zeunern. ISBN 3-921237-41-6 
  4. ^ (ドイツ語) Staatsvertrag vom 30. März 1873. Reichsgesetzblatt Jahrgang 1873. Wien: kaiserlich-königliche Hof- und Druckerei. (1873). pp. 375~383. https://alex.onb.ac.at/cgi-content/alex?aid=rgb&datum=1873&page=429&size=45 
  5. ^ “Verein Deutscher Eisenbahn-Verwaltungen” (ドイツ語). Zeitung des Vereins Deutscher Eisenbahn-Verwaltungen (Nr. 89): p. 951. (1875年11月12日). https://www.digitale-sammlungen.de/de/view/bsb11305412?page=946,947 
  6. ^ “Offizielle Anzeigen: Betriebes-Eröffnungen etc.” (ドイツ語). Zeitung des Vereins Deutscher Eisenbahn-Verwaltungen (Nr. 74): p. 990. (1877年9月21日). https://www.digitale-sammlungen.de/de/view/bsb11349603?page=994,995 
  7. ^ “Offizielle Anzeigen: Bahn-Eröffnungen etc.” (ドイツ語). Zeitung des Vereins Deutscher Eisenbahn-Verwaltungen (Nr. 87): p. 1193. (1877年11月5日). https://www.digitale-sammlungen.de/de/view/bsb11349603?page=1196,1197 
  8. ^ Ignaz Konta (1898) (ドイツ語). Geschichte der Eisenbahnen Oesterreichs vom Jahre 1867 bis zur Gegenwart. Geschichte der Eisenbahnen der Oesterreichisch-Ungarischen Monarchie. Band 1.2. Wien / Teschen / Leipzig: Karl Prochaska. p. 181 
  9. ^ Ausbaustrecke Landshut–Plattling: Geschichte der Strecke” (ドイツ語). DB Netz AG. 2023年11月27日閲覧。
  10. ^ Die "Waldbahn" Plattling - Deggendorf - Zwiesel - Bayerisch Eisenstein (KBS 905)” (ドイツ語). Thomas Stifter. 2023年12月20日閲覧。
  11. ^ stellwerk.info: Grafling Bbf” (ドイツ語). Arbeitskreis Stellwerk e.V.. 2023年12月20日閲覧。
  12. ^ Stellwerke.info: Ulrichsberg” (ドイツ語). Arbeitskreis Stellwerk e.V.. 2023年12月20日閲覧。
  13. ^ stellwerke.info: Regen Stw 1” (ドイツ語). Arbeitskreis Stellwerk e.V.. 2023年12月20日閲覧。
  14. ^ stellwerk.info: Regen Stw 2” (ドイツ語). Arbeitskreis Stellwerk e.V.. 2023年12月20日閲覧。
  15. ^ “Mitten in der Urlaubssaison: Waldbahn stellt Betrieb ein” (ドイツ語). Passauer Neue Presse, Lokalteil Zwiesel. (2013年8月7日) 
  16. ^ Baustellenplan 2015 (PDF)” (ドイツ語). Waldbahn, Regental Bahnbetriebs-GmbH. 2015年6月12日閲覧。[リンク切れ]
  17. ^ Rainer Schlenz (2019年2月1日). “Lobbyst für die Waldbahn” (ドイツ語). Passauer Neue Presse (Nr. 42): p. 22. https://bayerwald-fotos.de/wp-content/uploads/2019/02/image001.jpg 
  18. ^ Projektinformationssystem (PRINS) zum Bundesverkehrswegeplan 2030: Projektnummer 2-035-V02” (ドイツ語). Bundesministerium für Digitales und Verkehr. 2023年12月20日閲覧。
  19. ^ Teilelager bekommt Anschluss an die Bahn” (ドイツ語). Passauer Neue Presse GmbH (2017年5月12日). 2023年12月19日閲覧。