ラングール属
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ラングール属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ダスキールトン Trachypithecus obscurus
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Trachypithecus Reichenbach, 1862[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Semnopithecus pyrrhus Horsfield, 1823 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ラングール属[2][3] |
ラングール属(ラングールぞく、Trachypithecus)は、哺乳綱霊長目オナガザル科コロブス亜科に含まれる属。
東南アジアからインドのアッサム州にかけて分布する[4]。構成種を指す呼称としては、南アジアに分布する種(ハヌマンラングール)を指していたヒンディー語に由来するラングール(langur)のほかに、マレー語に由来するルトン(lutong, lutung)や葉食性に因んだリーフモンキー(leaf-monkey)といった名称もあるが、これらは現在は別属とされるハヌマンラングール属Semnopithecusやリーフモンキー属Presbytisなどの構成種にも用いられる総称である[4][5]。
分類
[編集]タイプ種はジャワルトン[1]。属名はギリシア語のtrachys(粗い)とpithekos(サル)に由来する[5]。以前は旧リーフモンキー属Presbytisの亜属とされており[4]、Semnopithecus属に含める説もあった[1]。旧リーフモンキー属のうちKasi亜属の構成種(ニルギリラングール・カオムラサキラングール)を本属に含める説もある[1]。
以下の分類・英名は、Mammal Diversity Database (2024) に従う[6]。和名は、おもに日本モンキーセンター(2024)に従う[2]。
- Trachypithecus auratus ジャワルトン East Javan langur
- Trachypithecus barbei テナセリムルトン Tenasserim langur
- Trachypithecus crepusculus インドシナルトン Indochinese gray langur(2009年にファイヤールトンから分割)
- Trachypithecus cristatus シルバールトン Sunda silvery langur
- Trachypithecus delacouri デラクールラングール Delacour's langur
- Trachypithecus ebenus インドシナクロラングール[3] Black langur
- Trachypithecus francoisi フランソワルトン François's langur
- Trachypithecus geei ゴールデンラングール Golden langur
- Trachypithecus germaini ジェルマンルトン Germain's langur
- Trachypithecus hatinhensis ハティンラングール Hatinh langur
- Trachypithecus laotum ラオスラングール Laos langur
- Trachypithecus leucocephalus シロアタマラングール[7] White-headed langur(フランソワルトンまたはカットバラングールの亜種とする説もあり[1])
- Trachypithecus margarita エリオットルトン Annamese langur(2008年にジェルマンルトンから分割)
- Trachypithecus mauritius ニシジャワルトン West Javan langur(2008年にジャワルトンから分割)
- Trachypithecus melamera — Shan langur(2020年にファイヤールトンから分割)
- Trachypithecus obscurus ダスキールトン Dusky langur
- Trachypithecus phayrei ファイヤールトン Phayre's langur
- Trachypithecus pileatus ボウシラングール Capped langur
- Trachypithecus poliocephalus カットバラングール Cat Ba langur
- Trachypithecus popa ポパルトン Popa langur(2020年にファイヤールトンから独立)
- Trachypithecus selangorensis セランゴールルトン Selangor silvery langur(2008年にシルバールトンの亜種として記載され、2014年に分割)
- Trachypithecus shortridgei ショートリッジラングール Shortridge's langur
人間との関係
[編集]ラングール属に属する種の内、森林破壊などの環境破壊によって絶滅危惧種となっている種もいる[8][9]。
ギャラリー
[編集]-
シルバールトンの頭蓋骨
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ タイプと指定された本種自体はその後 Cercopithecus auratus É. Geoffroy, 1812 (ジャワルトンの原記載時の学名)のシノニムとされた。
出典
[編集]- ^ a b c d e Colin P. Groves, “Order Primates,” In: Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 111-184.
- ^ a b 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2024年7月版」(公開日2024年8月15日・2024年9月9日閲覧)
- ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1–53頁。
- ^ a b c 岩本光雄「サルの分類名(その3:コロブスモンキー,ラングールなど)」『霊長類研究』第3巻 1号、日本霊長類学会、1987年、59-67頁。
- ^ a b Lee E. Harding, Trachypithecus cristatus (Primates: Cercopithecidae), Mammalian Species, Volume 42, Issue 862, American Society of Mammalogists, 2010, Pages 149–165.
- ^ Mammal Diversity Database. (2024). Mammal Diversity Database (Version 1.13) [Data set]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.12738010. Accessed on 15 August 2024.
- ^ 伊藤毅・西村剛「霊長類の分類リスト」、京都大学霊長類研究所 編著『新しい霊長類学 人を深く知るための100問100答』講談社、2009年、351-362頁。
- ^ “新種の霊長類発見、生息数少なく絶滅の危機 ミャンマー”. CNN.co.jp. 2024年7月24日閲覧。
- ^ Alberts, Elizabeth Claire (2020年11月12日). “Myanmar’s new langur species is ‘very beautiful,’ but critically endangered” (英語). Mongabay Environmental News. 2024年7月25日閲覧。