ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で
『ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』 | ||||
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レオン・ラッセル の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック、トラディショナル・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | パルメット・レコード | |||
プロデュース | レオン・ラッセル、マーク・ランバート | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
レオン・ラッセル アルバム 年表 | ||||
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『ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』(原題:On a Distant Shore)は、2017年に発表されたレオン・ラッセルのスタジオ・アルバム。ラッセルは2016年11月13日に74歳で死去しており、遺作として発表された[1]。
背景
[編集]収録曲の大部分はオリジナルの新曲で、フランク・シナトラやメル・トーメ等のクルーナー歌手からの影響が反映されており、ラリー・ホールのアレンジによるオーケストラがフィーチャーされた[2]。
「マスカレード」、「ハミングバード」、「ア・ソング・フォー・ユー」はラッセルが過去に発表した曲のリメイクである。ラッセルは本作の制作と並行して、これらの曲をトミー・リピューマ(前作『ライフ・ジャーニー』のプロデューサー)の誕生日パーティーで演奏するために、バンドの練習用として新アレンジで簡単な録音をしたところ、本作と相性が良いと判断されて、最新ヴァージョンのレコーディングに至った[3]。
レコーディングは2016年5月末に完了し、ラッセルが死去する2か月前の2016年9月には、最終ミックスの完成に至った[4]。
アメリカ通常盤は12曲入りだが[5]、デラックス・エディション盤では「ザ・ナイト・ウィ・フェル・イン・ラヴ」、「インサイド・ザ・ナイト」、「スイート・ヴァレンタイン」、「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」が追加されて16曲入りとなっており、日本盤CD (SICX-93)の内容はデラックス・エディション盤に準じている。
評価
[編集]Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「『ライフ・ジャーニー』ほどキャリアの総括に相応しい作品ではないが、最終章としては悪くない。何曲かの価値ある曲がある一方、全体的な構成が不格好という、ラッセルの大部分の作品に見られた奇妙さが、ここでも貫かれているから」と評している[6]。また、Hal Horowitzは『アメリカン・ソングライター』誌のレビューで5点満点中3.5点を付け「このロマンティックで思慮深い様式美的な作品でなく、ラッセルの全作品を音楽的に俯瞰した作品を求める向きは、がっかりするかもしれないが、これこそ彼が遺したかったアルバムなのだ」と評している[2]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はレオン・ラッセル作。
- オン・ア・ディスタント・ショア - "On a Distant Shore" - 3:14
- ザ・ナイト・ウィ・フェル・イン・ラヴ - "The Night We Fell in Love" - 3:41
- ラヴ・ディス・ウェイ - "Love This Way" - 3:49
- ヒア・ウィズアウト・ユー - "Here Without You" (Leon Russell, Matt Harris) - 3:51
- インサイド・ザ・ナイト - "Inside the Night" - 3:46
- マスカレード - "This Masquerade" - 4:41
- ブラック・アンド・ブルー - "Black and Blue" - 3:17
- スイート・ヴァレンタイン - "Sweet Valentine" - 5:20
- ジャスト・リーヴズ・アンド・グラス - "Just Leaves and Grass" - 5:01
- ラヴ・オブ・マイ・ライフ - "Love of My Life" - 3:15
- オン・ザ・ウォーターフロント - "On the Waterfront" - 3:55
- イージー・トゥ・ラヴ - "Easy to Love" - 3:31
- ハミングバード - "Hummingbird" - 4:06
- ザ・ワン・アイ・ラヴ・イズ・ロング - "The One I Love Is Wrong" - 3:10
- ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア - "Where Do We Go from Here" - 3:27
- ア・ソング・フォー・ユー - "A Song for You" - 3:36
参加ミュージシャン
[編集]- レオン・ラッセル - ボーカル、キーボード、ベース
- マーク・ランバート - ギター、バッキング・ボーカル
- ラリー・ホール - ギター、キーボード、アコーディオン、マンドリン、ストリングス・アレンジ、ホーン・アレンジ、オーケストラ・アレンジ
- アンドレ・レイス - ギター
- クリス・ルージンガー - ギター
- レイ・ゴーレン - ギター(on "Black and Blue")
- ラス・ポール - スティール・ギター
- トニー・ハーレル - キーボード
- ドリュー・ランバート - ベース
- マイク・ブリグナーデロ - ベース
- グレッグ・モロー - ドラムス、パーカッション
- シュガリー・ブリッジズ - バッキング・ボーカル
- ノエル・ブリッジズ - バッキング・ボーカル
- ココ・ブリッジズ - バッキング・ボーカル
脚注・出典
[編集]- ^ “レオン・ラッセル、生前最後のレコーディング音源が9月にリリース”. BARKS. Japan Music Network (2017年8月26日). 2019年8月15日閲覧。
- ^ a b Horowitz, Hal (2017年9月20日). “Leon Russell: On a Distant Shore”. American Songwriter. ForASong Media. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “『ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』Leon Russell (レオン・ラッセル)”. otonano. Sony Music Direct (Japan). 2019年8月15日閲覧。
- ^ 日本盤CD (SICX-93)に封入されたカラー・ブックレットのp.14参照
- ^ “レオン・ラッセルのラスト・レコーディング・アルバム『On a Distant Shore』がSpotifyで全曲リスニング可”. amass.jp (2017年9月27日). 2019年8月15日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “On a Distant Shore - Leon Russell”. AllMusic. 2019年8月15日閲覧。