ユーロドローン
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ユーロドローン
ユーロドローン (Eurodrone) またはMALE RPAS (European Medium Altitude Long Endurance Remotely Piloted Aircraft System) はエアバス・ダッソー・レオナルド S.p.Aがドイツ・フランス・イタリア・スペイン向けに開発中の中高度長時間滞空無人機(MALE)。
情報収集、偵察、監視に加えて、武器を搭載した攻撃も可能で、2027年の初飛行を予定している。
開発
[編集]2013年6月16日、ダッソー・エアバス・フィンメカニカの3社が、 欧州の各国政府に対し無人攻撃機の共同開発プログラムを立ち上げることを要請する共同声明を発表した[1]。欧州は無人機開発に遅れをとり、 無人機の供給を米国またはイスラエルからの輸入に頼っており、 共同開発は「欧州の軍事需要を支えることができると同時に、研究開発費用を共同出資することで、予算の負担を軽減できる」と主張した[1]。
2015年5月18日、フランス、ドイツ、イタリアは、本機開発の初期段階として概念設計を実施することで合意した。その後、スペインは2016年に概念設計に参加する4番目の国になった。概念設計は2年間行われ、コストとリスクの観点から各国の要求を検討し、次の段階でメーカの提案に基づく開発が行われる。契約は2016年上半期に予定されている[2]。
2015年11月、プログラム管理は欧州の防衛調達機関OCCARに割り当てられ、欧州防衛庁が航空交通統合と認証の支援を行うことが決定した。
2016年9月、2年間の概念設計が開始された[3]。エアバス、ダッソー・アビエーション、レオナルドは、2018年4月のILAベルリン航空ショーで実寸大のモックアップを公開した[4]。
2019年5月下旬、エアバスが提案書を提出した[5]。提案内容についてフランス上院は、ドイツの要求(後述)のために本機が「重く、高くなりすぎ、輸出が困難になっている」と批判した[5]。その後、初飛行は2024年、最初の納入は2027年に予定されていた[5]。
新型コロナウィルスのパンデミックによる航空業界への影響により、計画が遅延し、開発契約締結は2021年、初飛行は2025年、納入は2028年に予定されている[6][7]。
2022年2月24日、エアバスはOCCARとの間に本機の開発製造契約を結んだと発表した。この契約は20システムの開発製造および5年間の初期運用サポートが含まれており、主契約者はエアバス・ディフェンス&スペース、1次下請け(MSC)はエアバス・ディフェンス&スペース(スペイン)、ダッソーアビエーション、レオナルドとなっている[8]。
2023年12月1日、 防衛省が、本計画に日本がオブザーバー参加すると発表した。同計画を管理する国際機関から承認を得たためで、MALE UAVの開発や運用に関する知見や技術の取得をめざす[9]。
設計
[編集]ユーロドローンは1システムにつき3機の無人機により構成される。全長は30メートル、重量(積載量含む)は10トン。
双発のエンジンを機体後部に搭載し、プロベラを後ろ向きに配置した推進式である。これは都市部での運用を想定しているドイツが、単発機の場合エンジン故障によりドローンが家屋に墜落することを懸念したためである[10]。尾翼は垂直尾翼の先端に水平尾翼があるT字尾翼である。
両翼に2つずつ計4つのハードポイントが存在し、武器を搭載して攻撃を行うことが可能。ペイロード容量は2300kg[11][より良い情報源が必要]。
双発機の採用によりサイズは同種のMQ-9 リーパーの約1.3倍、重量は約2倍になっており、RPASプロジェクトを監督するフランスの政治家、クリスチャン・カンボンは「肥満」に苦しんでいると機体サイズを批判した[12][13]。
運用国
[編集]- フランス空軍 - 12機(4システム)発注済み
- ドイツ空軍 - 21機(7システム)発注済み
- イタリア空軍 - 15機(5システム)発注済み
- スペイン空軍 - 12機(4システム)発注済み
仕様
[編集]- MALE RPAS
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- 全長:16m
- 全幅:30m
- 全高:16m
- 最大離陸重量:11,000kg
- ペイロード:2,300kg
- エンジン:GE・アビエーション製General Electric Catalystターボプロップエンジン×2
- 巡航速度:500km/h
- 実用上昇限度:13,700m
- 滞空時間:18-40時間
脚注
[編集]- ^ a b “欧州の軍事大手3社、無人機の共同開発を求める”. www.afpbb.com (2013年6月17日). 2023年12月3日閲覧。
- ^ “MALE RPAS Programme Management Authorisation approved | OCCAR”. www.occar.int. 2023年12月3日閲覧。
- ^ Chris Pocock (October 4, 2016). “Euro-MALE Unmanned System Study Is Finally Launched”. AIN online
- ^ "Airbus, Dassault Aviation and Leonardo reaffirm their total commitment in the first fully European MALE programme" (Press release). 26 April 2018. Airbus, Dassault Aviation, Leonardo
- ^ a b c Dominic Perry (20 August 2019). “European MALE UAV will not arrive until late 2020s: OCCAR”. オリジナルの24 October 2020時点におけるアーカイブ。
- ^ Machi, Vivienne (2020年12月10日). “Airbus prepares for ‘Eurodrone’ contract signing in early 2021” (英語). Defense News. 2023年12月3日閲覧。
- ^ Machi, Vivienne (2020年12月10日). “Airbus prepares for ‘Eurodrone’ contract signing in early 2021” (英語). Defense News. 2023年12月3日閲覧。
- ^ “エアバス、OCCARとユーロドローン開発製造契約 – 旅行業界・航空業界 最新情報 − 航空新聞社”. 2023年12月3日閲覧。
- ^ “欧州の無人機開発 防衛省、技術取得へオブザーバー参加”. 日本経済新聞 (2023年12月1日). 2023年12月3日閲覧。
- ^ Tony Osborne (May 2, 2018). “Surveillance Drone Is A Test Of European Cooperation”. Aviation Week & Space Technology
- ^ Vincent Lamigeon (2 July 2019). “Le futur drone européen risque-t-il le crash définitif ?”. Challenges. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Lamigeon, Vincent (2019年7月2日). “Le futur drone européen risque-t-il le crash définitif ?” (フランス語). Challenges. 2023年12月3日閲覧。
- ^ "MALE RPAS Programme Management Authorisation Approved" (Press release). OCCAR. 1 December 2015.