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ヤア・ジャシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
ヤア・ジャシ
2017年撮影
現地語名 Yaa Gyasi
誕生 1989年（34 - 35歳）
ガーナの旗 ガーナ マムポン
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
教育 スタンフォード大学 (BA)
アイオワ大学 (MFA)
代表作 『奇跡の大地』（2016年）
主な受賞歴 全米批評家協会賞ジョン・レナード賞
PEN/Hemingway Award
National Book Foundation 5 Under 35
2020 Vilcek Prizes for Creative Promise in Literature
ウィキポータル 文学
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ヤア・ジャシ（Yaa Gyasi、1989年 - ）は、ガーナ系アメリカ人（英語版）の小説家。彼女のデビュー小説（英語版）『奇跡の大地 (Homegoing)』は、2016年に発表され、彼女は26歳で、全米批評家協会賞から処女作に与えられる最優秀賞であるジョン・レナード賞 (John Leonard Award) を受賞し、さらに全米書籍財団が選ぶ「5 under 35（35歳以下の5人）」の2016年に処女作を発表した最も優秀な5人のひとりに選ばれ、さらに米国図書賞（英語版）も受賞した。2020年には、ヴィルチェク財団（英語版）による文学における創造的将来性に対するヴィルチェク賞 (Vilcek Prize for Creative Promise in Literature) を受賞した[1]。

生い立ちと教育

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ガーナのマムポン（英語版）に[2]、後にアラバマ大学ハンツビル校のフランス語教授となるクワク・ジャシ (Kwaku Gyasi) と看護師である母ソフィア (Sophia) の間に生まれた[3][4]。一家は、父がオハイオ州立大学でPh.D.を取得した1991年に、アメリカ合衆国へ移住した[2][5]。一家は、イリノイ州やテネシー州にも住んだ後、ジャシが10歳だったときからアラバマ州ハンツビルに定住した[2][6]。

ジャシは、子どもの頃は恥ずかしがり屋で、幼くしてアラバマ州に移民した子どもとしての経験を共有するきょうだいたちと強い結びつきを感じており、「親友」であった本に向かうことが多かったという[5]。最初に書いた自作の物語を、PBS Kidsの子ども作家・イラストレーター・コンテスト（英語版）に応募したところ、レヴァー・バートンの署名入りの参加証を受け取ったことが励みとなり、また、グリッソム高等学校（英語版）在学中の17歳のときにトニ・モリスンの『ソロモンの歌 (Song of Solomon)』を読んだことで、大いに啓発された彼女は文筆の道に進むことを決意した[5]。

スタンフォード大学で英語を専攻してBachelor of Arts を得た後、アイオワ大学のクリエイティブ・ライティング（英語版）講座であるアイオワ・ライターズ・ワークショップ（英語版）に学び、修士（芸術学）を取得した[6][7]。

経歴

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ジャシは、スタンフォード大学を卒業してすぐに、デビュー小説に着手し始め、また、とある創業したばかりの会社に勤め始めたが、その仕事に馴染めなかった彼女は、2012年にアイオワ大学から入学が許可されると、すぐに退職した[7]。

彼女のデビュー作『奇跡の大地』は、2009年にガーナを訪れたときの経験に触発されたもので、この訪問は彼女にとって、幼児の頃に母国を離れて以来、初めてのことであった。小説は、2015年に完成し、いくつもの出版社に試読が提出された後、数多くの出版社が出版に名乗りを上げ、7桁の前払金を出すととしたクノッフ（英語版）との契約が成立した[7]。タナハシ・コーツは、全米書籍財団が選ぶ「5 under 35（35歳以下の5人）」の2016年のひとりに『奇跡の大地』を書いたジャシを選び[6]、同書はさらに全米批評家協会賞のジョン・レナード賞、ヘミングウェイ/PEN賞（英語版）の最優秀処女出版賞 (best first book)、また、アメリカ文学の多様性に貢献したとして米国図書賞も受賞した[8][9][10][11]。

他にも、『African American Review』誌[12]、『Callaloo』誌[13]、『Guernica』誌[14]、『ガーディアン』紙[15]、『Granta』誌[16]などにも、彼女は寄稿している。

ジャシは、影響を受けた作家として、トニ・モリスン（『ソロモンの歌 ）、ガブリエル・ガルシア＝マルケス（『百年の孤独』）、ジェイムズ・ボールドウィン（『山にのぼりて告げよ（英語版）』）、エドワード・P・ジョーンズ（英語版）（『Lost in the City』）、ジュンパ・ラヒリ（『見知らぬ場所（英語版））を挙げている[5][7][17]。

2016年現在、ジャシはカリフォルニア州バークレーに住んでいる[7][10]。

おもな著作

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受賞

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脚注

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  1. ^ a b “Yaa Gyasi” (英語). Vilcek Foundation. 2020年2月3日閲覧。
  2. ^ a b c Maloney, Jennifer (May 26, 2016). “Homegoing by Yaa Gyasi, Born in Ghana and Raised in the U.S.”. Wall Street Journal. ISSN 0099-9660. https://www.wsj.com/articles/homegoing-by-yaa-gyasi-born-in-ghana-and-raised-in-the-u-s-1464273302 2016年12月2日閲覧。 
  3. ^ Anderson-Maples, Joyce (2016年12月2日). “UAH welcomes Yaa Gyasi, author of The New York Times best-selling book Homegoing”. The University of Alabama in Huntsville. http://www.uah.edu/news/people/uah-welcomes-yaa-gyasi-author-of-the-new-york-times-best-selling-book-homegoing 2016年12月2日閲覧。 
  4. ^ Haskin, Shelly (2016年8月28日). “How an Alabama author's debut novel landed her on 'The Daily Show'”. AL.com. http://www.al.com/opinion/index.ssf/2016/08/how_an_alabama_womans_debut_no.html 2016年12月4日閲覧。 
  5. ^ a b c d Begley, Sarah (2016年6月5日). “A 26-Year-old Looks to the Past for Her Literary Debut”. TIME.com. 2016年12月2日閲覧。
  6. ^ a b c “Yaa Gyasi, author of Homegoing, 5 Under 35, 2016, National Book Foundation”. www.nationalbook.org. December 2, 2016閲覧。
  7. ^ a b c d e Wolfe, Eli (2016年6月28日). “How Yaa Gyasi found her story in slavers' outpost”. San Francisco Chronicle. http://www.sfgate.com/books/article/How-Yaa-Gyasi-found-her-story-in-slavers-8329849.php 2017年3月1日閲覧。 
  8. ^ “Debut novelist among winners of American Book Awards” (英語). The Washington Times. (2017年8月4日). ISSN 0190-8286. https://www.washingtontimes.com/news/2017/aug/4/debut-novelist-among-winners-of-american-book-awar/ 
  9. ^ Alter, Alexandra (January 17, 2017), "Zadie Smith and Michael Chabon Among National Book Critics Circle Finalists", The New York Times.
  10. ^ a b “PEN/Hemingway Award for Debut Fiction” (英語). PEN New England. 2017年4月23日閲覧。
  11. ^ “100 Notable Books of 2016”. The New York Times. (2016年11月21日). ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2016/11/23/books/review/100-notable-books-of-2016.html 2016年12月2日閲覧。 
  12. ^ AAR African American Review.
  13. ^ "Yaa Gyasi", National Book Festival, Library of Congress.
  14. ^ Yaa Gyasi, "Inscape", Guernica, June 15, 2015.
  15. ^ "Yaa Gyasi: ‘I write a sentence. I delete it. I wonder if it’s too early for lunch’", The Guardian, October 28, 2017.
  16. ^ Gyasi, Yaa, "Leaving Gotham City", Granta 139: Best of Young American Novelists 3, April 25, 2017.
  17. ^ “Five books: The books that influenced Yaa Gyasi”. Penguin (2016年). 2017年3月1日閲覧。
  18. ^ Admin (2017年3月16日). “National Book Critics Circle: National Book Critics Circle Announces 2016 Award Winners - Critical Mass Blog”. bookcritics.org. 2019年2月9日閲覧。
  19. ^ Catan, Wayne (2017年5月31日). “Interview with Yaa Gyasi, 2017 PEN/Hemingway Award Winner”. www.hemingwaysociety.org. The Hemingway Society. 2019年2月9日閲覧。
  20. ^ “2017 American Book Awards announced” (英語). Before Columbus Foundation. 2019年2月9日閲覧。
  21. ^ Kellogg, Carolyn, and Michael Schaub (April 26, 2017), "Granta names 21 of the best young American novelists", The Los Angeles Times.
  22. ^ "Granta’s list of the best young American novelists", The Guardian, April 26, 2017.
  23. ^ Onwuemezi, Natasha (April 26, 2017), "Granta reveals its Best of Young US Novelists 2017", The Bookseller.

外部リンク

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ウィキクォートに:en:Yaa Gyasiに関する引用句集があります。
ウィキメディア・コモンズには、ヤア・ジャシに関連するカテゴリがあります。
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