モーレイロボティックス
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現地語社名 | Moley Robotics |
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業種 | 精密機械工業 |
設立 | 2015年 |
創業者 | Mark Oleynik |
本社 | イギリス、ロンドン |
主要人物 |
ティム・アンダーソン (2011年BBC調理人チャンピオン[1]) |
製品 | サービスロボット |
ウェブサイト | http://www.moley.com/ |
モーレイロボティックス(英語: Moley Robotics)は、家庭用ロボットの製造会社でイギリス、ロンドンに拠点を置く。炊事ロボットを開発し一般家庭向けに販売を計画している。
ロシア出身の数学者でコンピュータ科学者のマーク・オレイニキ Mark Oleynik は家庭用の厨房(ちゅうぼう)設備としてサービスロボットの開発を目指した[2][3][4]。同社は初めて自動調理システム「モーレイ・ロボット・キッチン」(MK1) を開発した[5][6][7]。
沿革
[編集]モーレイロボティクスの社名は創業者のニックネームにちなむ。
調理の技術を覚えていなくても家庭でおいしい料理を作れるように起業したと言い[8]、調理ロボットの試作機初号を2015年4月にハノーファー・メッセ 産業用ロボット見本市(ドイツ)に出品する[9]。科学系および技術系のイベントにも出展して上海で「最優秀消費電子展賞」(同5月)[10]、試作器は第1回「UAE AI・ロボティクス賞」国際部門健康分野で次点となる(2016年1月)。一般家庭向けの商品は2018年販売予定と発表され[11]、2020年11月時点では発売日は未定である。『Factor Magazine』によると試作品の発表段階の見通しでは当初設定価格は7万5千ドル、4、5年で3万ドル余りで買えるようになると想定された[12][13]。
クラウドファンディングによる出資者の募集と、実質的な開発費用の手当ては2016年9月とされる[13]。ハノーファーで試作機を披露したときは、登録されたレシピは1点、カニのビスク[3]であった。理想としては量産体制に持っていき、システムキッチン(シンク+コンロ+天火+食洗機+冷蔵庫+棚)にロボットアームをセットして、一式1万ポンド(約1万5千ドル=2015年の為替相場)で販売したいという[3]。ロボット製品の市場動向(2015年時点)をタイム誌が調べたところ、用途は床掃除、プール掃除、芝刈りなど「単純作業で退屈」という点と機械の大きさが決め手の要因という[3]。 取材先の新技術のマーケティング情報企業ABIリサーチ(アメリカ)はそれに加えて、値頃感が市場を確保できるかどうかのキーポイントとなり、ある特定の価格帯を超えたとたんにユーザー数が大きく減ると分析する[3]。同じくタイム誌の調べでは、ロボット機器への消費意欲は2010年の150億ドルから2025年予測値670億ドルへ伸びるとボストン・コンサルティングは見込んでいる(2015年時点)[3]。
製品
[編集]モーレイ・ロボット・キッチン The Moley Robotics Kitchen (MK1) という家庭用ロボットを開発している。調理中の動作を入力して記録、またデータベースのレシピに基づいた調理作業を2本のロボットアームで行う。調理から食器類の片付けまで一連の作業ができる自動装置で、操作の指示はスマートフォンやGoogle Homeから受け付ける。
試作品はシステムキッチン型でロボットアーム2本に触覚センサーを搭載、また調理器具として天火とコンロ、さらに食洗機を組み付け、タッチパネルがある[14][1]。人工の腕は包丁や電気ミキサー、泡立て器あるいはコンロなど、ほとんどの手持ちの道具やキッチン設備を操作でき[15]、フードプロセッサーで材料を刻む。
調理の監修は2011年イギリスBBCが主催した調理人チャンピオン番組の優勝者ティム・アンダーソン[16]に依頼、手順の学習に努めた。料理人が着けた手袋と装置に組み込んだ3Dカメラで調理の手順を記録し、あらゆる動作をデータベースに蓄積する[16]。料理人の動作を解析する動作解析(en)アルゴリズムの開発はスタンフォード大学と カーネギーメロン大学の教授に依頼している[17]。理論上はデータベースの情報を読み込んだロボットアームが調理の手順を再現すると、よく似た料理を作ることができる[12][18][1]。
試作機では料理の材料の下ごしらえをするのはユーザーで、ロボットには目に当たる位置認識装置がないため[13]、あらかじめ指定された場所に並べておく。調理の指示はタッチパネルもしくはスマートフォンのアプリを操作し[19]、材料のほか調理法や調理時間、人数、料理のタイプやカロリー値などを入力する[18]。今後の開発目標には料理の作り方2千件超の提供が含まれ、ユーザーが選べるようにするという[20][21][3]。
脚注
[編集]- ^ a b c “'Robot Chef' could revolutionize or kill home cooking (〈調理ロボット〉は家庭料理の革命か破壊か)” (英語). en:CBC Radio (23 June 2015). 2020年12月5日閲覧。 “(前略)Anderson is optimistic about the robot's potential, another culinary lover is a little more wary. We spoke to cookbook author and food columnist Bonnie Stern, who thinks the robot speaks to our culture's growing disconnect and fear of simple, wholesome home cooking. She was in Toronto.(後略)”
- ^ “Mark Oleynik: Profile on CrunchBase (マーク・オレインスキ紹介記事)”. en:crunchbase (13 September 2020). 2020年12月6日閲覧。 “
- Harvard Business School : MA, Business innovation in Global Health Care, 2013.
- Saint Petersburg State University of Economics : PhD, Economics, 2005.
- Saint Petersburg State University of Economics : MS, Management in Healthcare, 2004.
- Saint Petersburg State University of Aerospace Instrumentation : MS, Computer engineering, systems and networks, 1993.
- ^ a b c d e f g Megan Gibson (14 April 2015). “Meet The Robot Chef That Can Prepare Your Dinner (夕食を調理するロボット調理人紹介)” (英語). タイム. 2020年12月6日閲覧。 “(前略)Sadly for vegetarians, like Shadow Robot’s managing director Rich Walker, crab bisque is the only dish the robot is currently able to make. Moley ambitiously aims to scale the robot chef for mass production and begin selling them as early as 2017. The robotic chef, complete with a purpose-built kitchen, including an oven, hob, dishwasher and sink, will cost £10,000 (around $15,000). Yet that price point will depend on a relatively high demand for the kitchen and it’s still unclear how large the market is for such a product at the moment.(後略)”
- ^ “Future of food: how we cook (未来の食事:調理法はこうなる)” (英語). ガーディアン (13 September 2015). 2020年12月6日閲覧。
- ^ “Meet the World's First Robotic Kitchen(世界初のロボットキッチン登場)” (英語). ディスカバリーチャンネル (14 April 2015). 2020年12月6日閲覧。
- ^ “Maschine am Herd: Gestatten, RoboKoch” (ドイツ語). デア・シュピーゲル (2015年12月11日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ Jonathan Amos (14 April 2015). “'Robot chef' aimed at home kitchen(一般家庭に売り込む〈ロボットシェフ〉)” (英語). BBCニュース. 2020年12月6日閲覧。
- ^ Heather Hansman(SMITHSONIANMAG.COM) (Dember 18, 2015). “This Robot Will Make You Dinner (夕食を作るのはこのロボット)” (英語). スミソニアン誌. 2020年12月6日閲覧。
- ^ “Merkel, Modi visit Hannover Messe(メルケル、モディ両首相、ハノーファーメッセを視察)”. チャイナデイリー (2015年4月14日). 2017年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。
- ^ “Hannover Messe 2015 - Kochender Roboter mit sensiblen Händen”. Ingenieur.de. 2020年12月5日閲覧。 “(前略)このロボットの真骨頂はむしろその手先にあり、Shadow Robot(本拠地ロンドン)の開発による。S社はおよそ18年を費やして非常に複雑な人の手の動きをパターン化して再現しようと取り組み、現在ではほぼ完璧に実物の動作を模倣できるという。片手にモーター 24 基を積んで制御し、センサー 129 点を搭載する動きは驚くほど滑らかな動きを見せる。(後略)”
- ^ Wolfgang Rattay / Reuters(9点のうち3、4枚目) (13 April 2015). “Photos: Robots star at industrial trade fair in Germany (写真:産業見本市の花形はロボット)” (英語). アルジャジーラ. 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b Sarah Knapton (14 April 2015). “Robotic hands cook any dish with skill of master chef...then clean up (著名な料理人の技を使ってロボットの腕がなんでも作り……皿洗いもおまかせ)” (英語). 購読性. デイリー・テレグラフ. 2020年12月5日閲覧。
- ^ a b c Corfield, Gareth (13 Oct 2016). “A robot kitchen? Whatever. Are you stupid enough to fall for this?(ロボットキッチン? なるほど。これにはまるのはどんな愚か者か)” (英語). www.theregister.com. 2020年12月6日閲覧。
- ^ “Robochef gets cooking (調理人ロボットが料理)” (英語). 購読性. エコノミスト (18 April 2015). 2020年12月5日閲覧。
- ^ “Robotics innovation: a kitchen that cooks for itself (ロボティクスの発明:キッチンそのものが料理する)” (英語). en: GOV.UK (20 May 2015). 2020年12月5日閲覧。 “(前略)Shadow Robot received funding from Innovate UK to develop its Shadow Dexterous Hand. It features in the kitchen launched at the Hanover Messe trade show by collaborative partner Moley Robotics.(後略)”
- ^ a b Sheena McKenzie (23 April 2015). “Robo chef: Would you trust a cook with no taste buds? (料理ロボット:味見を一切していない料理を信用できるか?)” (英語). CNNMoney. 2020年12月5日閲覧。
- ^ Danielle Muoio (19 November 2015). “The world's first robot kitchen is coming (世界初の料理ロボットがもうすぐ登場)” (英語). ビジネスインサイダー#Tech Insider. 2016年3月16日閲覧。
- ^ a b Jillian Kestler-D’Amours (17 April 2015). “Robot kitchen serves up dinner with 'skill and flair'(〈たくみな腕〉で夕食を提供するロボットキッチン)” (英語). トロント・スター. 2020年12月5日閲覧。
- ^ “Haute Cuisine à la Moley Robotics (モーレイロボティクス式調理法:創業者肖像、Shadow Robot Companyとの比較、ロボットアームのスペックなど)” (ドイツ語). Roboterwelt (28 May 2015). 2020年12月5日閲覧。
- ^ Carey Reed (18 April 2015). “Robot chef coming to a kitchen near you in 2017 (シェフロボットが2017年にお目見え:ハノーファー・メッセ取材)” (英語). PBS. 2020年12月5日閲覧。
- ^ “E se a cozinha viesse com um robô chef?” (ポルトガル語). Público (16 April 2015). 2020年12月5日閲覧。
関連項目
[編集]- en:Domestic robot
- en:Gesture recognition
- en:Google Home
- en:Home automation
- en:hRecipe
- en:Instant Pot
- en:Laundroid
- en:Multicooker
参考文献
[編集]- “Moley Robotics” (英語). www.moley.com. Moley Robotics. 2020年8月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式サイト:Moley Robotics
- Moley Robotics (moleyrobotics) - Facebook
- Moley Robotics - YouTubeチャンネル
- Moley Robotics - LinkedIn
- Moley Robotics (@moleyrobotics) - X(旧Twitter)