モロプス
モロプス | |||||||||||||||||||||||||||
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モロプス骨格
アメリカ・国立自然史博物館蔵 | |||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||
中新世 | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Moropus Marsh, 1877 |
モロプス (Moropus) は新生代中新世の北アメリカ大陸及びヨーロッパに生息した、ウマに似た草食動物。奇蹄目 - カリコテリウム科に属する。学名は「遅い脚」を意味する。
特徴
[編集]肩高約1.8m - 2.4m。大型のウマほどの大きさのであった[1]。頭骨はウマに似る。しかし歯は低歯冠であり、柔らかい植物を食べていたとされる。胴体は四肢に比して短い。四肢は後肢に比べてやや前肢が長く、胴体は後傾する。前後とも三本の趾を持つが、前肢には大きな鉤爪があった。これは、同科のカリコテリウムなども同様の形態であった。しかしモロプスはカリコテリウムに比べて首が長く、オカピに似た体型であった。歩く際は鉤爪を地面に触れない様にしていたのであろうが、ナックルウォーキングをしていた訳ではないらしい。[2]
この鉤爪の使途は諸説ある。かれらの生息域はサバンナであったとされるが、おそらく乾期にはこの爪で地下茎などを掘り起こして食べたのではないかといわれる[2]。あるいは前肢が長い事から、沼沢地に生える水生植物を掘り起こすのに使用したのではないかとする説もある[3]。また、走行の際にこの爪をスパイクの様に用いたとする研究者もいる[3]。腰が低く、体重を支えやすい構造を持つ事から、後肢のみで立ち上がれたといわれており、この事からかれらは二本脚で立ち上がり、腕で木の枝を引き寄せて木の葉を食べたとする意見も存在する。こうした点は、南アメリカ大陸に生息したメガテリウムと共通した特徴である。[2]しかし、肘関節はこのような動きにはあまり適していなかったとする指摘もある[3]。他にはオオアリクイなどの様に、捕食者に対する護身用の武器としても使われたのではないかともいわれている[2]。この説の根拠は、肩甲骨や四肢の骨、肋骨などに肉食動物から受けたとおぼしき傷跡が確認された事である[3]。同時代には、食肉目の捕食者、トマルクトゥスなどが生息していた。
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モロプスの頭部の復元図
脚注・出典
[編集]関連項目
[編集]- カリコテリウム - モロプスの属するカリコテリウム科の代表的な属。
- トマルクトゥス - 同時代の捕食者。食肉目 - イヌ科。
- ホマロドテリウム - 南アメリカ大陸に生息した大型草食獣。南蹄目。カリコテリウム科との収斂を見せる。
- 絶滅した動物一覧
参考文献
[編集]- 富田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年、149-150頁。ISBN 4-621-04943-7。
- 今泉忠明 著、日本ネコ科動物研究所 編『絶滅巨大獣の百科』データハウス〈動物百科〉、1995年、100-103頁。ISBN 4-88718-315-1。
- 遠藤秀紀『哺乳類の進化』東京大学出版会、2002年、97頁。ISBN 978-4-13-060182-5。
- エドウィン・ハリス・コルバート、マイケル・モラレス 著、田隅本生 訳『脊椎動物の進化(原著第5版)』築地書房、2004年、467頁。ISBN 4-8067-1295-7。
外部リンク
[編集]- 川崎悟司イラスト集・モロプス - ウェイバックマシン(2004年10月25日アーカイブ分)