コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

モノクローム・セット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モノクローム・セット
The Monochrome set
ドイツ「Club W71」でのモノクローム・セット(2016年)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル ポストパンクニュー・ウェイヴネオ・アコースティックギターポップ
活動期間 1978年 - 1985年
1990年 - 1998年
2008年 -
レーベル ラフ・トレード、ディン・ディスク、チェリー・レッドブランコ・イ・ネグロワーナー・ブラザース
共同作業者 アダム&ジ・アンツ
ウッド・ビィ・グッズ
インヴィジブル
スカーレッツ・ウェル
マイク・オールウェイ(A&R など)[1]
公式サイト www.themonochromeset.co.uk
メンバー ビド
スティーヴン・ギルクライスト
アセン・アイレン
アンディ・ウォーレン
旧メンバー レスター・スクエア
チャーリー・エックス
サイモン・クロフト
J.D.ヘイニー
ジェレミー・ハリントン
フィリップ・モーリス
レキシントン・クレイン
オーソン・プレゼンス
キャリー・ブース
ニコラス・ウェロソウスキー
ジェイムス・フォスター
トニー・ポッツ
ジェニファー・デニット
スティーヴ・ブルメル
ジョン・ポール・モラン
マイク・アーバン

モノクローム・セットThe Monochrome set)は、イギリスロックニュー・ウェイヴ・バンド。1979年に、ロンドンインディーズ・レーベル、ラフ・トレード[2]からデビューした。

概要

[編集]

旧世代を否定する空気であった1970年代後半のパンク・ロック・ムーブメントの時代にも、英国ポップスの伝統を受け継ぎ、ねじれたセンスで軽妙洒脱な楽曲群を生んだ[3]。後にネオ・アコースティックギターポップの元祖の一つとして位置付けられるようになるが、サイケ映画サントラエスニック(リーダーのビドはインドとアメリカのハーフ)など、様々なジャンルを吸収した一筋縄ではいかないロック・サウンドを展開している[4]

アンディ・ウォーホルは彼等のスタイルについて「ザ・ベンチャーズヴェルヴェット・アンダーグラウンドを足して2で割った様」だと評した[1]。また、「Monochrome set」とは白黒テレビを意味する[1]

歴史

[編集]

結成は1978年であり、紆余曲折を経て1979年に以下のメンバーに至った。B-サイズ(後のアダム&ジ・アンツ)に在籍していたビド(Bid、ボーカル)、レスター・スクエア(Lester Square、ギター)、アンディ・ウォーレン(Andy Warren、ベース)の3人と、元アート・アタックスのJ.D.ヘイニー(J.D. Haney、ドラム)が初期(最盛期)の主なメンバーであり、さらに実験映像作家だったトニー・ポッツ(Tony Potts)がライブでのライティングやステージ演出の担当として加わった[1]

1979年に、3枚のシングルを立て続けにリリース。1980年には、ヴァージン・レコード系のディン・ディスクから、ボブ・サージェントによるプロデュースでファースト・アルバム『ストレンジ・ブティック』を発表し、全英アルバムチャートの62位を記録した。さらに、続くセカンド・アルバム『ラヴ・ゾンビーズ』は、アルヴィン・クラークとバンドにより同年後半にプロデュースされた。ヘイニーが1981年にバンドを脱退し、レキシントン・クレインに交代した。

1982年、バンドはチェリー・レッド・レコードにレーベルを替えて、ティム・ハートによるプロデュースでサード・アルバム『エリジブル・バチュラーズ (独身貴族)』をリリースした[5]。スクエアとクレインが直後に脱退し、キーボードのキャリー・ブースとドラマーのニコラス・ヴェロソウスキーに交代した。このラインナップは、ブースが新リード・ギタリストのジェイムス・フォスター(後にデヴィッド・デヴァント・アンド・ヒズ・スピリット・ワイフ)に立て続けに代わる前、チェリー・レッドのために1982年のシングル「Cast a Long Shadow」を録音した。

1983年、チェリー・レッドは、初期のラフ・トレードでのシングルや、BBCやキャピタルでのラジオ・セッション、未発表の初期セッションを含む回顧録『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス』をリリースした。

1985年、「Cast a Long Shadow」録音時と同じメンバーで、ワーナー・ブラザース傘下のブランコ・イ・ネグロのためにアルバム『ザ・ロスト・ウィークエンド』を録音した。しかし、このアルバムは商業的に失敗し、数枚のシングルを経て、レーベルの閉鎖とともに、バンドは公式に解散。結果的に、彼らの所属レーベルは、ラフ・トレード、ディン・ディスク、プレ、チェリー・レッド、ブランコ・イ・ネグロを転々とした形となった。

解散後、ビドはソロ活動を行いザ・ラジ・カルテット (The Raj Quartet)名義でシングルをリリースした。レスター・スクエアはジーザス・クドゥント・ドラム (Jesus Couldn't Drum)のアルバム『Good Morning Mr. Square』に参加したり、インヴィジブル(The Invisible) を結成した。メンバーだった数名はウッド・ビィ・グッズ(Would-Be-Goods) のデビュー・アルバムでバックを務めた。

1990年には再結成し、初来日(1990年7月)も果たした[1]。その後、再来日もしている(川崎チッタでは丁度、節分の時期であったことから、麦わら帽子をかぶったスクエアがステージで豆まきをおこなった)。1998年まで活動し、二度目の解散。2008年に再々結成し、三度目の活動を続けている。

ディスコグラフィ

[編集]

スタジオ・アルバム

[編集]
  • 『ストレンジ・ブティック』 - Strange Boutique (1980年、Dindisc)
  • 『ラヴ・ゾンビーズ』 - Love Zombies (1980年、Dindisc)
  • 『エリジブル・バチュラーズ (独身貴族)』 - Eligible Bachelors (1982年、Cherry Red) ※旧邦題『カラフル・モノトーン』
  • 『ザ・ロスト・ウィークエンド』 - The Lost Weekend (1985年、Blanco y Negro)
  • 『ダンテズ・カジノ』 - Dante's Casino (1990年、Vinyl Japan)
  • 『ジャック』 - Jack (1991年、Honeymoon)
  • 『シャレード』 - Charade (1993年、Cherry Red)
  • 『ミザーレ』 - Misère (1994年、Cherry Red)
  • 『トリニティ・ロード』 - Trinity Road (1995年、Cherry Red)
  • 『プラチナム・コイルズ』 - Platinum Coils (2012年、Disquo Bleu)
  • 『スーパー・プラスティック・シティ』 - Super Plastic City (2013年、Tapete)
  • 『スペーシズ・エヴリホエア』 - Spaces Everywhere (2015年、Tapete)
  • 『コスモノート』 - Cosmonaut (2016年、Tapete)
  • 『メイジーワールド』 - Maisieworld (2018年、Tapete)
  • 『ファビュラ・メンダークス』 - Fabula Mendax (2019年、Tapete)
  • 『オールハロータイド』 - Allhallowtide (2022年、Tapete)

ライブ・アルバム

[編集]
  • Fin (1986年、Él)
  • 『ライヴ』 - Live (1993年、Code 90)
  • 『ライヴ・イン・ミネアポリス 1979』 - M-80 (2013年、Wienerworld Presentation)

コンピレーション・アルバム

[編集]
  • 『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス』 - Volume, Contrast, Brilliance... (Sessions & Singles Vol. 1) (1983年、Cherry Red)
  • Colour Transmission (1988年、Virgin) ※『ストレンジ・ブティック』『ラヴ・ゾンビーズ』の2in1
  • 『ウェストミンスター・アフェアー』 - Westminster Affair – Bande Originale du Film (1988年、Él)
  • 『ホワット・ア・ホッパー』 - What a Whopper! (1992年、Richmond)
  • 『ブラック・アンド・ホワイト・ミンストレルズ』 - Black & White Minstrels 1975–1979 (1995年、Recall)
  • Compendium 75–95 – A History 1979–95 (1996年、Cherry Red)
  • Chaps (1997年、Polydor)
  • 『インディーズ・シングル・コレクション』 - The Independent Singles Collection (2008年、Cherry Red)
  • He's Frank... We're the Monochrome Set (2009年、Cherry Red)
  • Early Recordings: 1975–1977 "White Noise" (2010年、Captured Tracks)
  • Access All Areas (2015年、Edsel)
  • 『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス…VOL.2 / アンリリースト・アンド・レア』 - Volume, Contrast, Brilliance (Unreleased & Rare, Vol. 2) (2016年、Tapete)
  • 『1979-1985:コンプリート・レコーディングス』 - 1979–1985: Complete Recordings (2018年、Tapete) ※6CD、6LP
  • 『リトル・ノイジズ 1990-1995』 - Little Noises 1990–1995 (2020年、Cherry Red) ※5CD

シングル

[編集]
  • "He's Frank" (1978年)
  • "Eine Symphonie des Grauens" (1979年)
  • "The Monochrome Set" (1979年)
  • "He's Frank" (Slight Return) (1979年)
  • "The Strange Boutique" (1980年)
  • "405 Lines" (1980年)
  • "Apocalypso" (1980年)
  • "Ten Don'ts for Honeymooners" (1981年)
  • "The Mating Game" (1982年)
  • "Cast a Long Shadow" (1982年)
  • "The Jet Set Junta" (1983年)
  • "Jacob's Ladder" (1984年)
  • "Wallflower" (1985年)
  • "Killing Dave" (1991年)
  • "Forever Young" (1993年)
  • "I Love Lambeth" (1995年)
  • "Waiting for Alberto" (2012年) ※日本限定盤
  • "Iceman" (2015年)
  • "Mrs Robot" (2019年)

脚注

[編集]

参考文献

[編集]
  • 大谷英之編『80'sギター・ポップ・ディスク・ガイド』シンコーミュージック・エンタテイメント〈シンコー・ミュージック・ムック CROSSBEAT Presents〉、2013年12月1日、84‐89頁。ISBN 978-4-401-63917-5
  • 大鷹俊一監修『ミュージック・マガジン4月増刊号 ブリット・ポップへの道』ミュージック・マガジン〈CD BEST 100〉、1997年4月25日、138頁。T 1108480041205

外部リンク

[編集]