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モジュール:Template wrapper/doc

このモジュールはラッパーテンプレートを実装するためのモジュールです。

用語の定義

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  • ラッパーテンプレート(wrapper template) - 基礎となるテンプレート(以降は「基礎テンプレート」と呼ぶ)に追加の引数を与え、一部の引数に既定値を与えるためのテンプレート。たとえば、{{Cite DNB}}は{{Cite encyclopedia2}}のラッパーテンプレート。
  • 基礎テンプレート(working template) - ラッパーテンプレートの基礎となるテンプレート。上記の例では{{Cite encyclopedia2}}が基礎テンプレートとなる。
  • 基礎引数(canonical parameter) - 基礎テンプレートで使える引数。
  • ラッパー引数(wrapper parameter) - ラッパーテンプレートで使える引数。基礎引数を導出するために必要な引数と、ラッパーテンプレートの挙動を変える引数がある。
  • エイリアス引数(alias parameter) - ラッパーテンプレートの引数のうち、基礎テンプレートの引数の別名として扱うべき引数。
  • 再利用される引数(reused parameter) - 基礎テンプレートとラッパーテンプレートの両方で使われる引数であるが、ラッパーテンプレートはその引数の値に変更を加えてから基礎テンプレートに渡す。
既定値つき引数(default parameter) - ラッパーテンプレートでの既定値がある基礎引数。

概要

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基本的には、基礎テンプレートに渡す引数の既定値を指定することで、ラッパーテンプレートを作成できます。編集者はラッパーテンプレートをそのまま使うか、ラッパーテンプレートのラッパーを作成することができます。基礎テンプレートで使える基礎引数はラッパーテンプレートが既定値を与えるか、ラッパーテンプレートを利用する編集者が値を指定でき、編集者が指定した値は既定値より優先されます。基礎テンプレートで既定値が指定されているが、ラッパーテンプレートで既定値を消したい場合はunsetを使うことができます。なお、このモジュールは値が指定されていないか空白の名前付き引数を捨てて、基礎テンプレートに渡しません。

名無し引数は既定では基礎テンプレートに渡されませんが、|_include-positional=yesで渡すよう設定できます。名無し引数は「除外引数」(後述)に指定できないものの、unsetすることはできます。

ラッパーテンプレート自体にしか使われない引数は名無し引数({{{n}}})か|_exclude=で(コンマ区切りの引数リストの形で)指定しなければなりません。このモジュールは_excludedで指定された引数を基礎テンプレートに渡しません。

使用法

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{{#invoke:Template wrapper|wrap|_template=基礎テンプレート|_exclude=引数名1, 引数名2, ...|_reuse=再利用される引数1, 再利用される引数2, ...|_alias-map=エイリアス引数:標準引数名|_include-positional=yes|<既定値つき引数1>|<既定値つき引数2>|...}}

コントロール引数
|_template= - (必須)基礎テンプレート名を名前空間なしで指定します。_templateの節を参照。
|_exclude= - ラッパーテンプレートで使われるが、基礎テンプレートに渡さない引数をコンマ区切りで指定します。_excludeの節を参照。
|_reuse= - ラッパーテンプレートと基礎テンプレートの両方で使われる引数をコンマ区切りで指定します。_reuseの節を参照。
|_alias-map= - ラッパーテンプレートの引数のうち、基礎テンプレートの引数のエイリアスとして扱うべき引数をコンマ区切りで指定します。_alias-mapの節を参照。
|_include-positional= - yesを指定すると、名無し引数をラッパーテンプレートに渡します。positionalの節を参照。
引数の処理
ラッパー
テンプレート
モジュール:Template wrapper 基礎
テンプレート
|基礎引数=  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  _excludeされた
引数を
フィルター
基礎
テンプレート
|ラッパー引数=  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  → 
  |_exclude=  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →   → 
  |_include-positional=  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  → 
  |_alias-map=  →  エイリアス引数を
標準引数に
変換
 →  |標準引数=  →  –––––––→  →  –––––––→  →   → 
   →   →  再利用された
標準引数を
変更
|エイリアス引数=  →  –––––––→  →   →  |再利用された引数=  →  –––→  → 
  |_reuse=  →  –––––––→  →  –––––––→  → 
|標準引数=  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  → 
  |既定引数=  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––––––→  →  –––→  → 

引数の詳しい説明

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_template

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このモジュールを使用するのに必ず指定しなければならない引数であり、基礎テンプレートの名前を名前空間なしで指定します。この引数が指定されていない場合、下記のエラーメッセージが表示されます。

|_template=が未指定か、空白です

_alias-map

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|_alias-map=引数では基礎テンプレートの基礎引数の別名として扱われるラッパーテンプレートのエイリアス引数をコンマ区切りで指定します。具体的には下記の書式で指定します:

<ラッパーテンプレートの引数名>:<基礎テンプレートの引数名>

例えば、ラッパーテンプレートで|assessor=という引数を使いたいが、基礎テンプレートにassessorという引数はなく、|author=という同じ意味の引数があるとします。その場合、ラッパーテンプレートでこのモジュールを{{#invoke:}}で呼び出すとき、下記のように書きます:

|_alias-map=assessor:author

ラッパーテンプレートの名無し引数も指定できます。

|_alias-map=1:author, 2:title, 3:language

末尾に番号がある引数の場合、#を利用して指定できます。例えば、下記の例ではラッパーテンプレートの|assessor1=が基礎テンプレートの|author1=になり、ラッパーテンプレートの|assessor2=が基礎テンプレートの|author2=になります(以下同じ)。

|_alias-map=assessor#:author#

ラッパーテンプレートの引数を2つ以上基礎テンプレートの同じ引数にマッピングすることもできます:

|_alias-map=1:author, assessor:author

なお、|_alias-map=assessor:authorのように指定した場合、ラッパーテンプレートのassessor引数は基礎テンプレートにauthor引数として渡されます。基礎テンプレートではassessor引数が指定されていないことになります。

|_include-positional=yesも同時に指定した場合、_alias-mapにない名無し引数は基礎テンプレートに直接渡されます。例えば、|_alias-map=1:author|_include-positional=yesを指定した場合、ラッパーテンプレートの引数1は基礎テンプレートの引数authorになり、ラッパーテンプレートの引数2は基礎テンプレートの引数2になり、基礎テンプレートの引数1は指定されません。

_reuse

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|_reuse=引数では基礎テンプレートとラッパーテンプレートの両方で使われる引数をコンマ区切りで指定します。

例として、ラッパーテンプレートで|year=1999を指定することで基礎テンプレートに|year=1999年に渡したいとします。この場合ではラッパーテンプレートと基礎テンプレートの両方で同じ引数名を使用していますが、ラッパーテンプレートは渡されたyear引数の値を変更してから(例では末尾に「年」をつけてから)基礎テンプレートに渡します。この例では下記のように指定します。

{{#invoke:Template wapper|wrap|_template=...|_reuse=year|year={{{year}}}年|...}}

_exclude

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|_exclude=引数ではラッパーテンプレートで使われるが、基礎テンプレートに渡されない引数をコンマ区切りで指定します。

例えば、ラッパーテンプレートで|url=https://example.com/{{{id}}}が指定されているとします。これはラッパーテンプレートでid引数が使われることと、url引数が基礎テンプレートに渡されることを意味しますが、既定ではid引数も基礎テンプレートに渡されます。id引数をラッパーテンプレートで使うが基礎テンプレートに渡さない場合は下記のように指定します。

{{#invoke:Template wapper|wrap|_template=...|_exclude=id|url=https://example.com/{{{id}}}|...}}

_reuseで指定された引数は_excludeで同時に指定できません。

_include-positional

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|_include-positional=ブーリアン型の引数で、未指定の場合はnoになります。yesを指定した場合、このモジュールは全ての名無し引数を基礎テンプレートに渡します。

_alias-mapの節もご参照ください。

基礎引数の既定値の変更

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基礎テンプレートの引数に既定値がある場合、それを変更するにはラッパーテンプレートでその引数を指定することでできますが、このモジュールは既定では空を指定した引数を基礎テンプレートに渡さないため、その引数を空にしたい場合はunsetを指定する必要があります。

_reuseで指定された引数はunsetを使用できません。

デバッグモード

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このモジュールで呼び出せる関数にはlistとwrapがあり、通常はwrapを使用します。テンプレートのデバッグを行うとき、listを使用することで基礎テンプレートを呼び出さず、基礎テンプレートを呼び出すマークアップを表示します。例えば、ラッパーテンプレートは下記のように書くことができます:

{{#invoke:Template wrapper|{{#if:{{{_debug|}}}|list|wrap}}|_template=<基礎テンプレート>|_exclude=_debug, ...|...}}

この例では|_debug=引数が指定された場合、listが使用されます。

例えば、{{Cite DNB}}は上記の形式で書かれています。

{{Cite DNB|_debug=yes|wstitle=Hervey, John (1696-1743)|volume=26|pages=284-288|last=Barker|first=George Fisher Russell}}と指定した場合、下記のように表示されます。
{{cite encyclopedia |editor2-first=Sidney |editor-link=レズリー・スティーヴン |editor2-link=シドニー・リー |editor-first=Leslie |location=London |editor-last=Stephen |publisher=[[スミス・エルダー・アンド・カンパニー|Smith, Elder & Co]] |title=[[s:en:Dictionary of National Biography, 1885-1900/Hervey, John (1696-1743)|Hervey, John (1696-1743)]] |editor2-last=Lee |encyclopedia=[[英国人名事典|Dictionary of National Biography]] |year=1891 |language=en |last=Barker |first=George Fisher Russell |pages=284-288 |volume=26}}

上記ではデバッグ引数の名前を|_debug=にしていますが、それ以外の名前も使えます。