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モササウルス亜科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モササウルス亜科
生息年代: 白亜紀後期, 92.0–66.0 Ma
モササウルス・コノドンの骨格。ミネソタ科学博物館。
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
: 有鱗目 Squamata
亜目 : トカゲ亜目 Lacertilia
: モササウルス科 Mosasauridae
亜科 : モササウルス亜科 Mosasaurinae
学名
Mosasaurinae
Mantell1829

モササウルス亜科(Mosasaurinae)は、後期白亜紀に生息した海生爬虫類の派生的なグループである、モササウルス科の亜科の1つ。モササウルス亜科に属する動物の化石は南アメリカ大陸を除く全ての大陸から産出している[1]

モササウルス亜科がその姿を現したのはチューロニアンの時期であり、マーストリヒチアン末期の大量絶滅事件まで繁栄した。体格は幅広く、モササウルス科で最小の属(全長3 - 3.5メートルのカリノデンス)や中型の属(全長6メートル強のクリダステス)、全長17メートルに達したとされる最大の種(モササウルス・ホフマニイ)まで含まれる。モササウルス科の属の多くは魚食性あるいは大型魚類や他の海生爬虫類を摂食したが、グロビデンス族の歯は物体の破砕用に進化しており、アンモナイトウミガメの捕食に適応していた。

チューロニアンからサントニアンにかけてはクリダステスといった比較的小型のものに代表されるが、カンパニアンの間に多様化してマーストリヒチアンまでに最も派生的で種種も豊富なモササウルス科の亜科へ成長した[2]

モササウルス亜科の語源はモササウルス属(ラテン語のマース川とギリシャ語のトカゲ)に由来する。

記載

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Russell (1967) は以下の特徴に基づいてモササウルス亜科を他のモササウルス科から区別した[3]

  • 前上顎骨の歯の前方に存在する吻部の突出が小さいか、あるいは存在しない。
  • 14本以上の歯が歯骨上顎骨に存在する。
  • 第X - XII脳神経が2つの孔を通って後耳骨側方の壁から離れる。
  • 基後頭骨基蝶形骨に動脈のための溝が存在しない。
  • 方形骨のあぶみ骨上突起が遠位方向へ肥大する。
  • 仙椎より前方の椎骨が最低で31個、通常で42 - 45個存在する。
  • 仙椎以前の一連の長さは胴体の長さを超え、後方の尾椎の神経棘が長く伸びて明瞭な鰭を形成する。
  • 四肢は滑らかな関節面が存在し、足根骨手根骨は硬化している。

ベルが1997年に行ったモササウルス上科の系統の再評価では、モササウルス亜科はそのまま系統群として扱われたが、ラッセルの設立したプログナトドン族をモササウルス亜科に加えた上に、新たなモササウルス亜科としてグロビデンス族が設立された[4][5]

モササウルス亜科は通常2つの下位分類を含み、グロビデンス族(グロビデンスとその近縁種)とモササウルス族(モササウルスと近縁種)に分けられる。第3の族としてプログナトドン族(プログナトドンおよびプレシオティロサウルスなど近縁種)が含まれる場合もある[3]。「クリダステス族」も含まれることがあるが、実際の分岐群というよりもクリダステスを含む付属的な分類群とされるのが一般的である[6]

関係

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ウミガメを追っているように組み立てられたクリダステス・リオドントゥスの骨格

以下のクラドグラムは Simões et al. (2017) に基づく。

モササウルス亜科

ダラサウルス・トゥルネリ

クリダステス・リオドントゥス

クリダステス・ムーレヴィレンシス

クリダステス・プロピトン

グロビデンス・ダコテンシス

グロビデンス・アラバマエンシス

プログナトドン・ラパックス

オヴェルトニ

プログナトドン・サトゥラトル

プログナトドン・クルリイ

プログナトドン・ソルヴァイ

モササウルス族

プログナトドン・ワイパラエンシス

プログナトドン・キアンダ

エレミアサウルス・ヘテロドントゥス

プレシオティロサウルス・クラシデンス

モササウルス・コノドン

モササウルス・ミソウリエンシス

モササウルス・ホフマニイ

プロトサウルス・ベンニソニ

出典

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  1. ^ Fossilworks: Mosasaurinae”. fossilworks.org. 2017年9月10日閲覧。
  2. ^ Polcyn, Michael J.; Jacobs, Louis L.; Araújo, Ricardo; Schulp, Anne S.; Mateus, Octávio (2014-04-15). “Physical drivers of mosasaur evolution”. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology. Physical drivers in the evolution of marine tetrapods 400: 17–27. doi:10.1016/j.palaeo.2013.05.018. 
  3. ^ a b Russell, Dale. A. (6 November 1967). “Systematics and Morphology of American Mosasaurs”. Bulletin of the Peabody Museum of Natural History (Yale University). http://peabody.yale.edu/sites/default/files/documents/scientific-publications/ypmB23_1967.pdf. 
  4. ^ Bell, G. L. Jr., 1997. A phylogenetic revision of North American and Adriatic Mosasauroidea. pp. 293–332 In Callaway J. M. and E. L Nicholls, (eds.), Ancient Marine Reptiles, Academic Press, 501 pp.
  5. ^ Gervais, P. 1853. Observations relatives aux reptiles fossiles de France. Acad. Sci. Paris Compt. Rendus 36:374–377, 470–474.
  6. ^ Caldwell, Michael; Konishi, Takuya (2007). “Taxonomic re-assignment of the first-known mosasaur specimen from Japan, and a discussion of circum-pacific mosasaur paleobiogeography”. Journal of Vertebrate Paleontology 27 (2): 517–520. doi:10.1671/0272-4634(2007)27[517:trotfm]2.0.co;2. 

参考文献

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  • Kiernan, C. R., 2002. Stratigraphic distribution and habitat segregation of mosasaurs in the Upper Cretaceous of western and central Alabama, with an historical review of Alabama mosasaur discoveries. Journal of Vertebrate Paleontology 22(1):91–103.
  • Williston, S. W. 1897. Range and distribution of the mosasaurs with remarks on synonymy. Kansas University Quarterly 4(4):177–185.