モエギタケ科
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モエギタケ科 Strophariaceae | ||||||||||||||||||
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ニガクリタケ Hypholoma fasciculare
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Strophariaceae Sing. & A.H.Smith | ||||||||||||||||||
亜科・属 | ||||||||||||||||||
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モエギタケ科 (Strophariaceae) は、ハラタケ目に分類されるキノコの科のひとつ。優れた食菌も多いが、一方では強い毒を持つニガクリタケや、幻覚性のあるシビレタケ属のキノコも分類される。そのほとんどが半陰性の腐生菌であるため、日当たりの悪い湿気た場所に群生する。傘の裏側はヒダ状で、つばとつぼは明確でないものが多い。胞子は大部分の種で平滑。胞子紋は暗色系のものが多いが、紫色や黄褐色、黒錆色のものまで様々で、あまり共通性はない。子実体の色彩も多様である。幼菌時にはぬめりの強い種が多いが、それも特に共通ではない。
毒性に関する研究は不十分と指摘されているが[1]、従来は食用きのこ種とされていた P.SPumosa(キナメッムタケ)からニガクリタケと同じ毒成分のファシクロールが検出されたと報告された。
下位分類
[編集]日本で見られる種類。
- モエギタケ亜科 Stropharioideae (Sing.) Sing.]
- ウスムラサキヒラタケ属 (Melanotus (Murr.) Sing.)
- ウスムラサキヒラタケには、亜種にクズウラムラサキヒラタケなどがあるが、いずれも日本ではあまり観察されない。
- クリタケ属 (Hypholoma (Fr.) Kummer)
- 食用にされるクリタケと毒菌のニガクリタケは、クリタケの方が色がやや濃いものの、形態はよく似る。同定の方法として、採取して少し噛んでみるというものがある。それがニガクリタケだと非常に苦い。確認後はすぐに吐き出せば、まず中毒の心配はない。ただし、クリタケにも多少の毒性があるともいわれる。
- 文献によっては属学名が「Naematoloma」と記述されているものがあるが、それは本属の旧名である。
- シビレタケ属 (Psilocybe (Fr.) Kummer)
- 日本でよく見られる種にシビレタケ、ヒカゲシビレタケ、アイゾメシバフタケなどがある。いずれも食用には適さないが、催幻覚性のアルカロイド、シロシビンを含むため、幻覚を体験する目的で食べられることがある。しかし、日本でシロシビンは麻薬及び向精神薬取締法で規制されているので、シビレタケ属に属するほとんどのキノコの採取、所持、栽培全てが違法となる。シロシビンを含むキノコは傷を付けると青く変色するので、誤食を防ぐ目安にするとよい。
- モエギタケ属 (Stropharia (Fr.) Quélet)
- モエギタケは鮮やかな緑色で、馬糞や牛糞にも発生することがあるためマジックマッシュルームと混同されることがあるが、シロシビンはほとんど含まれない。サケツバタケなどは優秀な食菌である。胞子は楕円で中央部がくぼむ。胞子紋は紫色系。食毒は不明だが、致命的な毒を持つ可能性は低い。
- モエギタケの亜種にチャモエギタケ、サケツバタケの亜種にキサケツバタケがある。
- ウスムラサキヒラタケ属 (Melanotus (Murr.) Sing.)
- スギタケ亜科 Pholiotoideae (S.Imai) Sing.
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クリタケ
(クリタケ属) -
ニガクリタケ
(クリタケ属) -
スギタケ
(スギタケ属) -
ナメコ
(スギタケ属) -
ハナガサタケ
(スギタケ属) -
センボンイチメガサ
(センボンイチメガサ属) -
ミナミシビレタケ
(シビレタケ属) -
モエギタケ
(モエギタケ属)
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 『きのこ博物館』 著者:根田仁 (八坂書房/2003年) ISBN 489694819X
脚注
[編集]- ^ 岡久美子、西田麻理奈、長澤栄史 ほか、ニガクリタケおよびモエギタケ科属種子実体における毒成分ファシキュロールEの生産性 日本きのこ学会誌 22巻 (2014-2015) 4号 p.147-152, doi:10.24465/msb.22.4_147