メルポメネ、エラート、ポリュムニア
フランス語: Melpomène, Érato et Polymnie 英語: Melpomene, Erato and Polymnia | |
作者 | ウスタシュ・ル・シュウール |
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製作年 | 1652-1655年 |
種類 | 板上に油彩 |
寸法 | 130 cm × 138 cm (51 in × 54 in) |
所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
『メルポメネ、エラート、ポリュムニア』(仏: Melpomène, Érato et Polymnie、英: Melpomene, Erato and Polymnia)は、17世紀フランスの画家ウスタシュ・ル・シュウールが1652-1655年に板上に油彩で制作した絵画で、パリのサン=ルイ島に建つランベール館の「ミューズの間」を飾ったル・シュウールの連作のうちの1点である[1][2]。本作は、連作をなしたほかの作品とともに1777年にダンジヴィレ伯爵の勧めでルイ16世が取得し[1][2]、1785年以降[1]、パリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][2]。
作品
[編集]シモン・ヴーエのアトリエに学んだ[3]ル・シュウールは、17世紀のフランスで尊敬を集めていた画家である[2]。彼は、古代神話に主題をとったバロック的な装飾画を数多く描いた[3]が、裕福な国務官ニコラ・ランベール・ド・トリニー (Nicolas Lambert de Thorigny) のランベール館のために最も重要な装飾画の依頼を受けた。それらの装飾画は、「愛の間」 (1645-1647年ごろ) と「ミューズの間」 (1652-1647年) のためのものであった[1][2]。
ほぼ正方形の本作は、木の枝が自然の天蓋のように広がる風景の中に3人のミューズを表している[2]。歌と音楽をつかさどるメルポメネは歌いながら、楽譜を見つめている。聖歌をつかさどるポリュムニアはヴィオラ・ダ・ガンバを弾きながら、うっとりと空を見上げている。ポリュムニアの背後にいる、恋愛詩をつかさどるエラートは、ただ1人、鑑賞者のほうを見つめている。彼女たちの姿はバロック的で、流れるような長い衣を纏い、情熱と動きが感じられる[2]。
「ミューズの間」の連作 (ルーヴル美術館蔵)
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『クレイオ、エウテルペ、タレイア』
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『テルプシコレ』
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『カリオペ』
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『ウラニア』
脚注
[編集]参考文献
[編集]- ヴァンサン・ポマレッド監修・解説『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年刊行、ISBN 978-4-7993-1048-9
- 坂本満 責任編集『NHKルーブル美術館VI フランス芸術の花』、日本放送出版協会、1986年刊行 ISBN 4-14-008426-X