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メルセデス・ベンツ・C112

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

C112は、メルセデス・ベンツが1991年に発表したコンセプトカーである。

C112
概要
設計統括 Karl Hoehl[1]
デザイン ブルーノ・サッコ[1]
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアクーペ
エンジン位置 リヤミッドシップ縦置き
駆動方式 MR
パワートレイン
エンジン 6.0L M120型 V12 NA
最高出力 408 ps
最大トルク 580 Nm
変速機 6速MT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
5リンク式
車両寸法
車両重量 1,569 kg
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概要

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1991年のフランクフルトモーターショーにて初公開された、車両制御技術と安全性技術の実証を目的としたコンセプトカーである。スタイルは2シーターのスーパーカー[2]

シャシーアルミニウム合金製のモノコックと鋼管のサブフレームで構成された。この設計は過去にメルセデス・ベンツが開発したレースカーC9C11から影響を受けた。ボディはケブラーとアルミニウム製で、油圧で自動的に開閉するガルウィングドアが搭載された。ボディは風洞実験をもとに設計され、Cd値は0.30に低減された。[1][2]

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式で、リヤは5リンク式のインボードマウントレイアウトである。また、後述するアダプティブサスペンションシステムが採用された。ブレーキはブレンボ製。[2][3]

エンジンは6.0LのM120型V12エンジンで、W140型Sクラスなどに搭載されたエンジンと同型だった。駆動方式はMR。トランスミッションはZF製の6MT。公式な性能テストは実施されなかったが、理論上は0-100km加速が4.9秒、最高速度192マイル/h(309km/h)に達すると想定された。[1][2]

C112は発表後から話題となり、700台を超える注文が入ったという。しかし当時の経営陣の判断により、市販化は実現しなかった。[1]

テクノロジー

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C112に採用された最新技術は主に以下の4つである。[1][2][3]

  • アクティブエアロ
油圧式のフロントスポイラーリヤウィングが搭載され、走行状況に応じてボディから展開することで、走行性能と安全性を向上させる。リヤウイングは緊急時にエアロブレーキとしても機能する。
  • ABSASR
新しい制御ユニットを搭載した最新のABSと、新開発のASR(Anti-Schlupf Regelung)が搭載された。ASRはABSと連動してホイールスピンを防止する機構で、ホイールスピンが発生している駆動輪に自動でブレーキを掛け、さらにスロットルを調整することでホイールスピンを抑える。
  • ABC (Active Body Control)
アダプティブサスペンションを制御して車両の姿勢をコントロールするシステム。車両の姿勢変化に応じて、サスペンションのスプリングレートとダンパーの減衰力を自動で制御する。また、ドライバーの好みに応じてハンドリング特性を調整できる。
なお、C112の開発完了後もABCの開発は続けられ、1999年のC215にて量産車へ初搭載された。
  • サイバネティックステアリング
新開発の電子制御式リアステアリングで、ABSとASRと制御ユニットを共有する。

脚注

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  1. ^ a b c d e f Vlad Radu. “Mercedes-Benz C112: Racing DNA and Revolutionary Tech Packed Into a Spectacular One-Off” (英語). autoevolution.com. SoftNews Net SRL. 2023年12月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e Mercedes-Benz C112” (英語). Hemmings .com. Hemmings Motor News. 2023年12月30日閲覧。
  3. ^ a b Raphael Orlove. “When Mercedes Almost Built The World's Greatest Gullwing Supercar But Decided Not To Bother” (英語). JALOPNIK. G/O Media. 2023年12月30日閲覧。