メルセデス・ベンツ・C112
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C112は、メルセデス・ベンツが1991年に発表したコンセプトカーである。
C112 | |
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概要 | |
設計統括 | Karl Hoehl[1] |
デザイン | ブルーノ・サッコ[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 2名 |
ボディタイプ | 2ドアクーペ |
エンジン位置 | リヤミッドシップ縦置き |
駆動方式 | MR |
パワートレイン | |
エンジン | 6.0L M120型 V12 NA |
最高出力 | 408 ps |
最大トルク | 580 Nm |
変速機 | 6速MT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン式 |
後 | 5リンク式 |
車両寸法 | |
車両重量 | 1,569 kg |
概要
[編集]1991年のフランクフルトモーターショーにて初公開された、車両制御技術と安全性技術の実証を目的としたコンセプトカーである。スタイルは2シーターのスーパーカー。[2]
シャシーはアルミニウム合金製のモノコックと鋼管のサブフレームで構成された。この設計は過去にメルセデス・ベンツが開発したレースカーC9とC11から影響を受けた。ボディはケブラーとアルミニウム製で、油圧で自動的に開閉するガルウィングドアが搭載された。ボディは風洞実験をもとに設計され、Cd値は0.30に低減された。[1][2]
フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式で、リヤは5リンク式のインボードマウントレイアウトである。また、後述するアダプティブサスペンションシステムが採用された。ブレーキはブレンボ製。[2][3]
エンジンは6.0LのM120型V12エンジンで、W140型Sクラスなどに搭載されたエンジンと同型だった。駆動方式はMR。トランスミッションはZF製の6MT。公式な性能テストは実施されなかったが、理論上は0-100km加速が4.9秒、最高速度192マイル/h(309km/h)に達すると想定された。[1][2]
C112は発表後から話題となり、700台を超える注文が入ったという。しかし当時の経営陣の判断により、市販化は実現しなかった。[1]
テクノロジー
[編集]C112に採用された最新技術は主に以下の4つである。[1][2][3]
- アクティブエアロ
- ABSとASR
- 新しい制御ユニットを搭載した最新のABSと、新開発のASR(Anti-Schlupf Regelung)が搭載された。ASRはABSと連動してホイールスピンを防止する機構で、ホイールスピンが発生している駆動輪に自動でブレーキを掛け、さらにスロットルを調整することでホイールスピンを抑える。
- ABC (Active Body Control)
- アダプティブサスペンションを制御して車両の姿勢をコントロールするシステム。車両の姿勢変化に応じて、サスペンションのスプリングレートとダンパーの減衰力を自動で制御する。また、ドライバーの好みに応じてハンドリング特性を調整できる。
- なお、C112の開発完了後もABCの開発は続けられ、1999年のC215にて量産車へ初搭載された。
- サイバネティックステアリング
- 新開発の電子制御式リアステアリングで、ABSとASRと制御ユニットを共有する。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f Vlad Radu. “Mercedes-Benz C112: Racing DNA and Revolutionary Tech Packed Into a Spectacular One-Off” (英語). autoevolution.com. SoftNews Net SRL. 2023年12月30日閲覧。
- ^ a b c d e “Mercedes-Benz C112” (英語). Hemmings .com. Hemmings Motor News. 2023年12月30日閲覧。
- ^ a b Raphael Orlove. “When Mercedes Almost Built The World's Greatest Gullwing Supercar But Decided Not To Bother” (英語). JALOPNIK. G/O Media. 2023年12月30日閲覧。