メリエンダ
メリエンダ(Merienda) とは、南欧における軽食[1]。とりわけスペイン(ガリシア語:merenda;カタルーニャ語:berenar)やポルトガル(葡:lanche/merenda)、イタリア(伊:merenda)、フランス(仏:goûter)のほか、イスパノアメリカやフィリピン(比:meryenda/merienda)、北アフリカ、ブラジルでも見られる。普通、メリエンダは午後に摂られるか、あるいはブランチとして摂られるかであるため、昼食と夕食の間の食事の間隔を埋めるものとなるが、これは英語圏のアフタヌーンティーに相当する。また、朝食と昼食の間に摂られることもある。メリエンダは簡単な食事であり、果物やパン、ビスケット、ヨーグルトなどの軽食に、果物ジュースや牛乳、ホットチョコレート、コーヒー、スピリッツなどの飲み物を付けることがしばしばである。
アルゼンチンやパラグアイ、ウルグアイでは、昼食と夕食の間にあたる午後5時頃にメリエンダを摂るのが一般的だ。茶やマテ茶、コーヒー、マテコシードなどの飲み物と、スコーンやパン、トースト、ケーキ、デニッシュなどの焼き菓子を組み合わせ、ドゥルセ・デ・レチェや蜂蜜、バターかジャムを添えることが多い。
フィリピンにおけるメリエンダは、ブランチやイレブンジズ、セカンドブレクファストに相当する朝の軽食と、アフタヌーンティーに相当する午後の軽食の双方を包括する総称である[2]。特に、日没頃の薄暮の時間帯に、夕食の直前の食事か、夕食の代わりの食事として摂られるメリエンダは、メリエンダ・セナと呼ばれる[3]。一般に、メリエンダは米とおかずからなる伝統的なフルミール(full meal)よりも軽い料理や菓子を指す(ブランチやメリエンダ・セナとして摂られる場合を除く)。一般的なメリエンダの料理は、甘味か塩味があるもので、パンやペイストリー(特にパンデサル)から、デザートやスイーツ、屋台料理、麺料理など多岐にわたる[4]。
クロアチアやスロベニアの沿岸地方、およびギリシャのケルキラ島では[5]、メリエンダはマレンダ(marenda)と呼ばれ、朝食と昼食の間に摂る食事を指す[6]。大抵はサンドイッチやトーストのような軽食であり、仕事休憩の間に食される。
グテ
[編集]フランスでは、メリエンダはグテ(goûter)、あるいはキャトルール(quatre-heures)と呼ばれる。キャトルールは、午後4時という時間帯を表している。現代のグテは完全な食事よりは軽く、成人よりも子供が食べることが多い。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Solomon H. Katz.: “Spain. Encyclopedia of Food & Culture”. Vol. 2. Gale Cengage, 2003; http://www.enotes.com, 2006. 27 December 2010閲覧。
- ^ “Merienda in the Philippines”. Live in the Philippines (July 3, 2009). 9 June 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。27 December 2010閲覧。
- ^ Doreen G. Fernandez. “Filipino Food/Cuisine Glossary”. Palayok: Philippine Food Time, On Site, in the Pot. Manila: Bookmark Inc., 2000; Center for Southeast Asian Studies, Northern Illinois University. 12 July 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。27 December 2010閲覧。
- ^ Child, Julia; Greenspan, Dorothy (4 November 1996). Baking with Julia: Sift, Knead, Flute, Flour, and Savor.... William Morrow Cookbooks. ISBN 9780688146573
- ^ Chatto, James; Wendy L., Martin (1998). A Kitchen in Corfu. New Amsterdam Books. p. 20
- ^ “Pleasures of the palate and beverages to quench your thirst”. How to survive in and even enjoy Croatia, A guide for smart foreigners. 27 December 2010閲覧。