コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

メムピス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

メムピス古希: Μέμφις, Memphis)は、ギリシア神話の女性である。メンピスメンフィスとも表記される。主に、

が知られている。以下に説明する。

ネイロスの娘

[編集]

このメムピスは、ナイル川河神ネイロスの娘で、アンキノエー[1]アニッペー[2]エウリュッロエーエウローペーと姉妹[3]アルゴスの王女イーオーとゼウスの子[4]エパポスと結婚し、娘リビュエー[1]リューシアナッサを生んだ[5]。夫エパポスは妻の名前にちなんだ都市メンフィスを創建した[1]

娘のうちリビュエーはポセイドーンとの間に双生児アゲーノールベーロスを生み、アゲーノールはポイニーケーの王に、ベーロスはエジプトの王になった[1]。またリューシアナッサはポセイドーンとの間に暴虐なエジプト王ブーシーリスを生んだ[5]

なお、ヒュギーヌスによるとエパポスの妻はカッシオペイア[6]

ダナオスの妻

[編集]

このメムピスは、アルゴスの王ダナオスの妻の1人で、3人の娘クレイテー、ステネレー、クリューシッペーの母である。メムピスの娘たちはエジプト王アイギュプトスとテュリアーの3人の同名の息子クレイトスステネロスクリューシッポスと結婚したが、他の姉妹たちと同様、父の命にしたがって夫を殺した[7]

ウコレウスの娘

[編集]

このメムピスは、エジプトの王ウコレウスの娘である。シケリアのディオドーロスによると、メンフィス市はウコレウス王によって創建されたが[8]、その際に都市の名前を娘からとった。メムピスはまたナイル川の河神に恋され、牡牛となった河神との間にアイギュプトスを生んだ[9]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d アポロドーロス、2巻1・4。
  2. ^ プルタルコス『対比小話集』38”. Perseus Digital Library. 2022年6月25日閲覧。
  3. ^ ヨハネス・ツェツェース『キリアデス』7巻37”. Theoi Project. 2022年6月25日閲覧。
  4. ^ アポロドーロス、2巻1・3。
  5. ^ a b アポロドーロス、2巻5・11。
  6. ^ ヒュギーヌス、149話。
  7. ^ アポロドーロス、2巻1・5。
  8. ^ シケリアのディオドーロス、1巻50・3。
  9. ^ シケリアのディオドーロス、1巻51・3。

参考文献

[編集]