メトロジェット (USエアウェイズのブランド)
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設立 | 1998年 | |||
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運航開始 | 1998年6月1日 | |||
運航停止 | 2001年12月(親会社による事業廃止) | |||
ハブ空港 | ボルチモア・ワシントン国際空港 | |||
マイレージサービス | Dividend Miles | |||
親会社 | USエアウェイズ | |||
保有機材数 | 49 | |||
就航地 | 25 | |||
本拠地 | バージニア州アーリントン郡 | |||
代表者 |
S. Michael Scheeringa (Vice President) | |||
外部リンク | flymetrojet.com(アーカイブ) |
メトロジェット (MetroJet) は、かつて1998年から2001年まで、アメリカ合衆国の航空会社USエアウェイズがアメリカ合衆国東部で運行していた、低価格航空便のブランド[1][2]。
歴史
[編集]メトロジェットは、格安航空会社として台頭していたサウスウエスト航空や、デルタ航空傘下の低価格ブランドデルタ・エクスプレスに対抗するため、1998年にUSエアウェイズが運行を開始したブランドであった[1][3]。
メトロジェットとして運行されていたのは、USエアが保有していた旧型の機材だったボーイング737-200で[2]、118席[3]のすべてがエコノミー席に設定されていたが、座席は革張りで、エンターテイメント機器も装備されていた[1]。
メトロジェットは、サウスウエスト航空が拠点空港としていたボルチモア・ワシントン国際空港 (BWI) に拠点を置き[2]、アメリカ合衆国北東部とフロリダ州の諸空港を結ぶ便を中心に、アメリカ合衆国東部で路線を展開したが、高コスト体質を脱却できず、またUSエア本体から客を奪う結果となり、経営を圧迫することになった[1]。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を契機に、メトロジェットの運行は年内で廃止となり[2]、USエアはボルチモア・ワシントン国際空港から事実上撤退した[1]。メトロジェットとして運行されていた42機のボーイング737-200は、翌年4月までに退役することとなった[3]。
乗り入れ空港
[編集]メトロジェットは、廃止が報じられた時点で19カ所の空港に乗り入れていたとされる[3]。2000年ころの運行状況を示した路線図によると、当時の乗り入れ空港20カ所は以下の通りである[4]。(以下、都市名は、おもな母都市/供給都市であり、必ずしも所在地ではない)
北東部
[編集]- マンチェスター・ボストン地域空港 - ニューハンプシャー州マンチェスター
- ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港 - マサチューセッツ州ボストン
- T・F・グリーン空港 - ロードアイランド州ウォリック
- シラキューズ・ハンコック国際空港 - ニューヨーク州シラキューズ
- オールバニ国際空港 - ニューヨーク州オールバニ
- ブラッドレー国際空港 - コネチカット州ハートフォード
- ラガーディア空港 - ニューヨーク州ニューヨーク
フロリダ州
[編集]- ジャクソンビル国際空港 - フロリダ州ジャクソンビル
- オーランド国際空港 - フロリダ州オーランド
- タンパ国際空港 - フロリダ州タンパ
- パームビーチ国際空港 - フロリダ州ウェストパームビーチ
- フォートローダーデール・ハリウッド国際空港 - フロリダ州フォートローダーデール
- マイアミ国際空港 - フロリダ州マイアミ
その他
[編集]- ボルチモア・ワシントン国際空港 - メリーランド州ボルチモア、ワシントンD.C.
- ワシントン・ダレス国際空港 - ワシントンD.C.
- クリーブランド・ホプキンス国際空港 - オハイオ州クリーブランド
- シカゴ・ミッドウェー国際空港 - イリノイ州シカゴ
- ローリー・ダーラム国際空港 - ノースカロライナ州ローリー/ダーラム
- ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港 - ジョージア州アトランタ
- ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港 - ルイジアナ州ニューオーリンズ
航空事故
[編集]- 1999年2月23日、ソールズベリー上空33,000フィート (10,000 m)を飛行していたメトロジェット2710便(ボーイング737-200)の方向舵に異常が発生した。方向舵は限界位置までゆっくりと動いた。以前ボーイング737で発生した方向舵のハードオーバーが疑われたが、搭載していたフライトデータレコーダーが旧型だったため、11の情報しか記録しておらず、原因の特定が出来なかった。NTSBのJim Hallは、事故の調査が記録の不足により妨げられたと述べた[5][6]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e Vasigh, Bijan; Ken Fleming, Thomas Tacker. Introduction to Air Transport Economics: From Theory to Applications. Ashgate Publishing, Ltd.. p. 394 Google books
- ^ a b c d “US Airways to close MetroJet arm”. USA Today. (2001年9月24日) 2015年11月6日閲覧。
- ^ a b c d Marks, Paul (2001年9月25日). “Us Airways To End Low-fare Metrojet Service”. Hartdord Courant 2015年11月6日閲覧。
- ^ Metrojet Route Map, Circa 2000
- ^ NTSB Office of Public Affairs (24 February 1999). "Metrojet B-737 In-flight Event - February 23, 1999" (Press release). National Transportation Safety Board. 2016年5月21日閲覧。
- ^ Phillips, Don (February 26, 1999). “Aging Data Recorder Impedes Jet Probe”. The Washington Post May 21, 2016閲覧。