コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

メッタ・ヴィクトリア・フラー・ヴィクター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メッタ・ヴィクトリア・フラー・ヴィクター
ペンネーム シーリー・レジェスター
誕生 メッタ・ヴィクトリア・フラー
(1831-03-02) 1831年3月2日
ペンシルベニア州エリー
死没 1885年6月26日(1885-06-26)(54歳没)
ニュージャージー州ホーホーカス
墓地 リッジウッド バロー墓地
国籍 アメリカ
ジャンル フィクション
文学活動 ダイム・ノヴェル
配偶者 オービル・ジェームス・ビクター
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

メッタ・ヴィクトリア・フラー・ヴィクター英語: Metta Victoria Fuller Victor1831年3月2日-1885年6月26日)は、アメリカの小説家。 シーリー・レジェスターなどのペンネームを名乗り活動した。アメリカにおいて、推理小説を執筆した最初期の人物の一人であるとされる。

100冊以上のダイムノヴェルを執筆し、この分野の草分けとなった[1]

生涯

[編集]

ペンシルベニア州エリーにて誕生。父 Adonijah Fuller と母ルーシー・ウィリアムズ・フラーが儲けた5人の子のうち3番目の子であった。 [2]

1839年に家族とともにオハイオ州ウースターへと転居し、この地でこちらも著名な作家となった姉フランシス英語版と共に女子神学校に通った。二人は地方紙に小説を寄稿し、後にホーム・ジャーナル英語版へと活動の場を広げた。

1848年、フラー姉妹は共にニューヨークへと転居して執筆活動を続けた[3]

1856年、メッタは編集者でありダイム・ノヴェル出版の先駆者であるオービル・ジェームス・ビクターと結婚。

姉のフランシスも後にヴィクターの兄弟と結婚した[4]

メッタは『コスモポリタン・アート・ジャーナル』誌やビードル・アンド・カンパニー社の月刊『ホーム』誌で編集者として勤め、後にビードル社での夫の叢書に匿名で寄稿するようになった[3]

1885年6月26日、ニュージャージー州ホーホーカスにてガンのため死去。遺体はリッジウッド英語版のバロー墓地に埋葬された[1]

著作

[編集]

彼女の代表作として、初めて手掛けたダイム・ノヴェルであるAlice Wilde (1860年)、奴隷制廃止主義者の感情を表現したMaum Guinea, and Her Plantation "Children" (1861年)、アメリカで最初の長編犯罪小説であるThe Dead Letter (1866年)[1]、この他 The Figure Eight (1869年)、A Bad Boy's Diary (1880年)、The Blunders of a Bashful Man (1881年)が挙げられる。

1909年、A Bad Boy's Diary佐々木邦の手によって『いたづら小僧日記』として翻訳され、更に岩田郷左衛門の『イタヅラ小僧絵日記』(1911年)、伊東六郎の『バッドボーイ日記』(1915年)といった翻訳が続けざまに刊行された。ところが、元々の原著が匿名で出版されたこと、佐々木が原作者を「アンノウンマン」であるとしたこと、さらに佐々木が原著を紛失したとこぼしていたことが原因で原著が長らく特定されず、『いたづら小僧日記』は翻訳を装った佐々木個人の創作であり、岩田らの訳は佐々木の作品の剽窃なのではないかとの説まで上る時期もあった。[5]

彼女は シーリー・レジェスターの他にもコリーヌ・クッシュマン、エレノア・リー・エドワーズ、(本名の)メッタ・フラー、ウォルター・T・グレイ、ミセス・オリン・ジェームズ、ローズ・ケネディ、ルイス・ルグランド、ミセス・マーク・ピーボディ、ザ・シンギング・シビル、ミセス・ヘンリー・トーマスといった様々なペンネームを使用した[6]

参考文献

[編集]
  1. ^ a b c Orso, Miranda (2002年). “Victor, Metta Victoria Fuller”. 2013年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月4日閲覧。
  2. ^ from Beadle and Adams Dime Novel Digitization Project”. Ulib.niu.edu (1949年5月30日). 2018年11月2日閲覧。
  3. ^ a b “Metta Victoria Fuller Victor”. Britannica. http://www.britannica.com/EBchecked/topic/627529/Metta-Victoria-Fuller-Victor 
  4. ^ Morris, William A. (1 December 1902). “Historian of the Northwest. A Woman Who Loved Oregon: Frances Fuller Victor”. The Quarterly of the Oregon Historical Society 3. https://archive.org/stream/jstor-20609550/20609550#page/n1/mode/1up 14 April 2013閲覧。. 
  5. ^ 鴻巣友季子『明治大正 翻訳ワンダーランド』2005年 pp.124-131
  6. ^ American Women's Dime Novel Project | Dime Novels for Women, 1870-1920”. Chnm.gmu.edu. 2018年11月2日閲覧。

外部リンク

[編集]