ムンダ (アスラ)
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ムンダ(梵: मुण्ड, Muṇḍa)とは、インド神話に登場するアスラの名である。名の意味は「頭の禿げた者」という意味である[1]。『マールカンデーヤ・プラーナ』中の「デーヴィー・マーハートミャ」に登場し、神々の住む天界を征服した2人の兄弟のアスラ王シュンバとニシュンバに、チャンダとともに仕えた[2][3]。
神話
[編集]あるとき、ムンダとチャンダは美しい女神ドゥルガーを発見してスンバに報告し、彼女を捕えるよう進言した。そこでスンバは配下のアスラのスグリーヴァを使者として女神に送った。ところがドゥルガーは「自分を得たいならば戦って得られよ」と言って聞かないので[4]、スンバは怒ってドゥームラローチャナにドゥルガーの髪をつかんで引きずってでも連れてくるように命じた。しかしドゥームラローチャナは女神の雄叫びだけで滅んだ。スンバはさらにムンダとチャンダに女神を連れてくるように命じた[5]。彼らは軍勢を率いて女神を捕えようとしたが、女神の額から恐るべき女神カーリーが現れ、アスラの軍勢を殺戮した後、大剣を振るってチャンダの首を切断し、ムンダを大地に切り伏せて殺した。そしてカーリーはチャンダの首とムンダの躯をつかんでドゥルガーのもとに行き、犠牲として捧げた。この戦いでムンダとチャンダを殺したことにちなんでカーリーはチャームンダーの異名で呼ばれることになった[6]。
脚注
[編集]- ^ 『インド神話伝説辞典』p.320。(ムンダ)
- ^ 『デーヴィー・マーハートミャ』5章42行。
- ^ 『インド神話伝説辞典』p.183。(シュムバ ニシュムバ)
- ^ 『デーヴィー・マーハートミャ』5章42行以下。
- ^ 『デーヴィー・マーハートミャ』6章。
- ^ 『デーヴィー・マーハートミャ』7章。
参考文献
[編集]- 小倉泰 訳「デーヴィー・マーハートミャ」『ヒンドゥー教の聖典 二篇』平凡社東洋文庫、2000年。ISBN 4582806775。
- 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。