ムラースラ
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ムラ(梵: मुर, Mura)あるいはムラースラ (梵: मुरासुर, Murāsura) は、インド神話に登場するアスラである。ダイティヤ族に属する[1]。5つの頭を持ち[2][1]、7,000人もの息子がいたとされる。ナラカの協力者であったが、ヴィシュヌ神の化身であるクリシュナとの戦いで敗れた[1]。
神話
[編集]『バーガヴァタ・プラーナ』によると、ナラカが天界から神々の宝物を盗み出したとき、クリシュナは妻の1人サティヤバーマーを連れてガルダの背に乗り、宝物を奪還するためにナラカの居城があるプラーグジョーティシャに赴いた。ムラはプラーグジョーティシャを無数の罠で守っていたが、クリシュナはカウモーダキーと呼ばれる棍棒で居城がある山そのものを破壊し、ムラが仕掛けた罠を剣で切り裂いた。さらに法螺貝パーンチャジャニヤを吹き鳴らして戦士たちの心をくじいた。このときムラは眠っていたが、クリシュナの法螺貝の音で目を覚まし、5つの口から咆哮を上げ、ガルダに乗るクリシュナめがけて武器を投げつけた。クリシュナはムラの投じた武器を矢を放って破壊し、円盤を投げつけてムラの首を切断した。さらに指揮官ピータとともにムラの7人の息子たちタームラ、アンタリクシャ、シュラヴァナ、ヴィバーヴァス、ヴァス、ナバスヴァーン、アルナを殺した[2]。『ヴァ―ユ・プラーナ』によると、クリシュナはヴァジュラでムラと7,000人の息子たちを殺した[1]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『バーガヴァタ・プラーナ 全訳 下 クリシュナ神の物語』美莉亜訳、星雲社・ブイツーソリューション、2009年。ISBN 978-4434131431。
- 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。