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メバル属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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メバル属
生息年代: 漸新世初期現世, 33.9–0 Ma[1]
タヌキメバル Sebastes zonatus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Scorpaeniformes
: メバル科 Sebastidae
: メバル属 Sebastes
学名
Sebastes
Cuvier1829[2]
タイプ種
Perca norvegica Ascanius1772[2]
英名
Rockfish
Sea perch
Ocean perch
ソイの塩焼き

メバル属(メバルぞく、眼張属、学名:Sebastes)はメバル科の属の1つ。大西洋太平洋に分布し、主に比較的冷たい海域を好む底魚が含まれる。

分類

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1829年にフランス動物学者であるジョルジュ・キュヴィエによって提唱され、タイプ種である Perca norvegicaノルウェーの動物学者であるPeter Ascaniusによって1772年に最初に記載された[3]フサカサゴ科のメバル亜科に分類されていたが、21世紀に入っての研究成果により、メバル科 Sebastidae という新しい名称の分類群に含まれることとなった[4][5][6][7][8][9]。またカサゴ目に分類されていたが、スズキ目のカサゴ亜目に分類されることが明らかになった[10]

属名はギリシア語の「Sebastos」に由来し、これはローマ皇帝であるアウグストゥスへの敬称で、イビサ島ではモトアカウオの古い呼称であった。キュヴィエはこれを「尊敬すべき」と訳した[11]

最古の化石は、アメリカ合衆国カリフォルニア州から発見された中新世のものであるが、ベルギーから発見された化石がメバル属のものであるなら、漸新世までさかのぼる可能性がある。

下位分類

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エゾメバル Sebastes taczanowskii

以下の種が分類されている[12][13]

形態

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体形は細長いものから太いものまで様々で、中程度または強く側扁しており、頭部は比較的大きい。目は大きいものから小さいものまで様々である。頭部の棘の有無や、その頑丈さは種によって異なるものの、その数は最大8本である。眼下の水平の棘状の隆起は無い。顎には小さな円錐形の歯が多数あり、口蓋にも歯がある。背鰭は1基で、棘部分の後部は強く切れ込みが入っており、12-15本の頑丈な棘と、その後方にある9-16本の軟条から成る。臀鰭は2-4棘と6-11軟条から成る。腹鰭は1棘と5軟条から成り、胸鰭の下に位置する。胸鰭は大きく、丸いか尖った形をしており、14-22本の軟条から成り、中央部が最も長い。尾鰭は截形またはわずかに凹んだ形である。側線に沿って孔のある鱗または管状の鱗が並ぶ[19]。大きさは13.7cmの S. koreanus から108cmのヒレグロメヌケまで様々である[12]

分布と生態

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北太平洋、南太平洋、大西洋の温帯海域に分布する[19]。多くは北太平洋に分布するが、1種は南太平洋と南大西洋に分布し、4種が北大西洋に分布する。多様性の最も高い地域は、56種が確認されているカリフォルニア湾南部である。潮間帯から水深3,000mの大陸斜面まで見られ、通常は底魚であり、岩の周りに生息することが多い[20]。魚類の中でも長命であり、いくつかの種は100歳を超えることが知られており、S. aleutianus は205歳の個体が報告されている[20]

人との関わり

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スポーツフィッシングや商業目的として重要であり、多くの種が乱獲されている。その結果、多くの地域で漁期が厳しく管理されている。より高価なフエダイ科Northern red snapperと不正に交換されることがある[21]

出典

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  1. ^ Sepkoski, J. (2002). “A compendium of fossil marine animal genera”. Bulletins of American Paleontology 364: 560. オリジナルの2009-02-20時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090220223520/http://strata.ummp.lsa.umich.edu/jack/showgenera.php?taxon=611&rank=class. 
  2. ^ a b Sebastes Cuvier, 1829”. WoRMS. 2023年8月23日閲覧。
  3. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Sebastidae”. researcharchive.calacademy.org. 2024年12月14日閲覧。
  4. ^ H. Imanura; M. Yabe (2002). “Demise of the Scorpaeniformes(Actiopterygii: Percomorpha): An alternative phylogenic hypothesis”. Bull. Fish. Sci. Hokkaido Univ. 53 (3): 107-128. https://hdl.handle.net/2115/21975. 
  5. ^ H. Imamura (2004). “Phylogenetic relationships and new classification of the superfamily Scorpanoidae (Actiopterygii: Perciformes)”. Species Diversity (The Japanese Society of Systematic Zoology) 9 (1): 1-36. doi:10.12782/specdiv.9.1. NAID 110006794420. https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001204457942656?lang=en. 
  6. ^ 中坊徹次(編). 2013. 日本産魚類検索, 全種の同定, 第三版. 東海大学出版会, 秦野. 2428pp(三分冊).
  7. ^ a b c d e f g 波戸岡清峰, 2013. 大阪湾メバル図鑑. Nature Study, 59(9): 2–5.
  8. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2024). "Sebastidae" in FishBase. June 2024 version.
  9. ^ J. S. Nelson; T. C. Grande; M. V. H. Wilson (2016). Fishes of the World (5th ed.). Wiley. pp. 468–475. ISBN 978-1-118-34233-6. https://sites.google.com/site/fotw5th/ 
  10. ^ Ricardo Betancur-R; Edward O. Wiley; Gloria Arratia et al. (2017). “Phylogenetic classification of bony fishes”. BMC Evolutionary Biology 17 (162). Bibcode2017BMCEE..17..162B. doi:10.1186/s12862-017-0958-3. PMC 5501477. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5501477/. 
  11. ^ Order Perciformes (Part 8): Suborder Scorpaenoidei: Families Sebastidae, Setarchidae and Neosebastidae”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (2021年5月22日). 2024年12月14日閲覧。
  12. ^ a b Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2021). Species of Sebastes in FishBase. June 2021 version.
  13. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Sebastes”. researcharchive.calacademy.org. 2024年12月20日閲覧。
  14. ^ 和田英敏; 甲斐嘉晃 (2022). “丹後半島沖から得られた日本海初記録のSebastes melanostictus(メバル科)および本種に適用すべき和名の検討”. Ichthy, Natural History of Fishes of Japan 26: 38–42. doi:10.34583/ichthy.26.0_38. https://www.jstage.jst.go.jp/article/ichthy/26/0/26_38/_article/-char/ja/. 
  15. ^ Y. Kai; K. Nakayama; T. Nakabo (2011-11). “Genetic and morphological divergence within the Sebastes pachycephalus complex (Scorpaeniformes: Scorpaenidae)” (英語). Ichthyological Research 58 (4): 333–343. doi:10.1007/s10228-011-0236-0. ISSN 1341-8998. http://link.springer.com/10.1007/s10228-011-0236-0. 
  16. ^ Y. Kai; T. Nakabo (2013-04-15). “Taxonomic review of the Sebastes pachycephalus complex (Scorpaeniformes: Scorpaenidae)”. Zootaxa 3637 (5). doi:10.11646/zootaxa.3637.5.3. ISSN 1175-5334. https://mapress.com/zt/article/view/zootaxa.3637.5.3. 
  17. ^ エゾメバル”. JODC Dataset - Biological Information System for Marine Life. 日本海洋データセンター. 2018年6月1日閲覧。
  18. ^ S.Kamura,. “Scorpaenidae”. 広島大学デジタル自然史博物館 ~魚類~. 広島大学・水圏資源生物学研究室. 2018年6月1日閲覧。
  19. ^ a b Sebastes”. Shorefishes of the Eastern Pacific online information system. Smithsonian Tropical Research Institute. 2024年12月20日閲覧。
  20. ^ a b Cailliet, G.M.; Andrews, A.H.; Burton, E.J.; Watters, D.L.; Kline, D.E.; Ferry-Graham, L.A. (2001). “Age determination and validation studies of marine fishes: do deep-dwellers live longer?”. Experimental Gerontology 36 (4–6): 739–764. doi:10.1016/s0531-5565(00)00239-4. PMID 11295512. 
  21. ^ Regulatory Fish Encyclopedia”. U.S. Food and Drug Administration. 2024年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月20日閲覧。

関連項目

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