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ミラー効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ミラー効果(ミラーこうか、: Miller effect)とは、利得が A である反転増幅回路の入出力端子間に静電容量(帰還容量) C が接続されているとき、入力端子からは (1+A) C の容量が接続されているようにみえる作用のこと[1]。この効果を積極的に利用した回路をミラー積分回路(ミラー積分器)という。

概要

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ミラー効果

入力インピーダンスが無限大、出力インピーダンスがゼロ、利得が である反転増幅器において、入出力端子間に静電容量 を接続して帰還回路を構成した場合(回路としての利得は になる)を考える。(右図 (a))

交流入力信号を 、出力信号を 、入力電流を とすると、

したがって、

となり、この回路の入力端子からみたインピーダンス は、

である。つまり、入力端子に (1 + A)倍の容量 C が接続されているのと等価である。(右図 (b))

利得が大きいほどこの効果は大きく現れるため、微少な静電容量であっても等価的な容量は大きくなる[2][3]。また、入力信号が変化の無い一定信号の場合、 であるため、 となるので、ミラー効果は消失する。

回路動作への影響

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一般に、信号源と接続する増幅回路間には何らかのインピーダンスが存在するため[注 1]、そのインピーダンスとミラー効果容量によりローパスフィルタが構成されるため高周波特性が制限される[4]

したがって、高周波特性の良い増幅回路とするためには、帰還容量の小さな増幅素子を用いるか、帰還容量の影響を小さくする回路構成が求められる。

考慮する素子

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以下の増幅機能を持つ素子については影響を考慮する必要がある。

脚注

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注釈

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  1. ^ 例えば、トランジスタに接続するベース抵抗なども含む

出典

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  1. ^ 電子情報通信学会編『電子通信用語事典』コロナ社、1984年、ISBN 4-339-00413-8、pp.783-784
  2. ^ 松澤昭『電気学会大学講座 基礎電子回路工学 -アナログ回路を中心に-』オーム社、2009年、ISBN 978-4-88686-276-1、pp.114-115
  3. ^ 桜庭一郎ほか『電子回路』森北出版、1986年、ISBN 4-627-70530-1、pp218-219
  4. ^ 高木相『半導体電子回路』培風館、1984年、ISBN 4-563-03295-6、pp.83-85

関連項目

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