ミラーアップ
ミラーアップ(Mirror lock-up )とは、一眼レフカメラにおいて、シャッターを切る前に前もってミラー(反射鏡)を上げた状態で止めておく機能である[1]。撮影時のブレを防止することを目的として用いられる[1]。
構造
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一眼レフカメラの断面(一例)
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左から入った光はレンズ(1)を通過する。光は反射鏡(2)により上方へ反射された後、ペンタプリズムまたはペンタミラー(7)を経てファインダー(8)へと至る。
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反射鏡を上げない状態。
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反射鏡を上げた状態。
光はレンズを通過後、撮影素子に当たる。
ミラーアップの必要性
[編集]ミラーアップは、ニコンFなど、初期の一眼レフカメラには必須の機能だったが、逆望遠型の広角レンズのラインナップが充実したため、必ずしも必須とは言えなくなった。現在では一部の高級機を中心にミラーアップ機能を装備している。ほとんどの一眼レフカメラはミラーの反射光によってTTL露出計による測光を行っている。また、オートフォーカス式の一眼レフカメラの多くでは、レンズからの像をミラーで反射させてからAFセンサーに導いている。これらのカメラでは、ミラーアップしている間は、それぞれ露出調整機能やオートフォーカス機能が働かない。
次の2つの理由から必要とされる。
広角レンズ
[編集]逆望遠型の登場以前、画像が結像する場所は、レンズから焦点距離だけ離れた場所か、それより後ろにあった。すると、広角レンズの場合、レンズの末尾がミラーより後ろに来てしまう。このため、広角レンズ使用時はミラーアップが必要であった。広角レンズのピント合わせは目測で充分だが、ミラーアップするとピント合わせだけでなくフレーミングも不可能となってしまうため、正確なフレーミングが必要な場合は外付けのファインダーを使用する。幸いなことに広角では外付けファインダーでもパララックスの影響は小さい。
カメラのぶれ
[編集]天体撮影や顕微鏡撮影などの高倍率での撮影は、わずかな振動でも像のぶれにつながる。そのため、撮影にともなう機械的ショックは可能な限り抑制したい。レリーズボタンの操作によるぶれはレリーズケーブルを使ったリモートレリーズか、セルフタイマーで回避する。シャッターによるショックは避けられないが、たいていのシャッターは高速動作のために軽く作られているのでシャッターのショックは比較的には小さい。
ミラーはシャッター動作の直前にカメラ内部で激しく動作するため、カメラに与えるショックは大きい。ミラーによるこのような揺れは「ミラーショック」と呼ばれている。これを避けるため(構図の確認が必要な場合は構図を確認した後)ミラーによる揺れが生じないように事前にミラーアップしてからシャッターを切る[2]。
出典
[編集]- ^ a b “D850|デジチューター - サポート | ニコンイメージング”. www.nikon-image.com. 2024年11月25日閲覧。
- ^ “ミラーアップ(みらああつふ,みらーあっぷ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年11月25日閲覧。
外部リンク
[編集]- 一眼レフが抱えるブレ問題、その深刻さが明らかに - Tech-on!(日経エレクトロニクス2009年5月4日号、2011年6月6日閲覧)
- カメラ:手ぶれの実態をレーザーで証明 - WIRED.jp(2011年6月2日配信、2011年6月6日閲覧)