ミヒャエル・ナナサコフ
表示
ミヒャエル・ナナサコフ(Michael Nanasakov)は、自動ピアノやMIDI音源を用いて楽曲を再現する「バーチャル・ピアニスト」である。
概要
[編集]「1955年、リトアニアのヴィルニス生まれ。ゴドフスキーと同じ地方の出身(中略)12歳のときに作曲とオルガンの演奏で 名高いアロイジオ(Aloisio)神父に師事し、音楽理論と即興演奏を学んだ。その後、ピアノという楽器自体に興味を持ち調律を勉強した。(中略)1989年、バルト三国の民族問題で揺れる故郷をあとにし、アメリカに亡命した」[1]という架空のプロフィールを持つ。
調律師、プロデューサーの七澤順一(ななさわ じゅんいち)が「私が聴きたいピアノ曲を誰もやってくれないから」[2]という動機から作業を行っているもので、1991年にゴドフスキーの『ショパンのエチュードによる練習曲』の抜粋を発表して「デビュー」した[3]。2013年9月現在公開の演奏会は行われておらず、録音のみで活動を行っている。
シャルル=ヴァランタン・アルカンやレオポルド・ゴドフスキー、カイホスルー・シャプルジ・ソラブジ[4]といった作曲家をはじめとする、通常のピアニストが取り上げにくい作品をレパートリーとして取り上げている。アルカン編曲のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は世界初録音を行った。
ソラブジ作品の発売中止以降、しばらく活動を休止していた(「長期のスランプに陥った」[5])が、2009年から録音活動を再開している。
ディスコグラフィ
[編集]全てプライベートレーベルNanasawa Articulatesからの発売。
- 『レオポルト・ゴドフスキー:ショパンのエチュードによる53の練習曲より27曲』 1991年
- 『Ch.V.アルカン:短調による12の練習曲』 1998年
- 『レオポルト・ゴドフスキー:ピアノ編曲によるバッハ・ヴァイオリンソナタ』 2000年
- 『レオポルト・ゴドフスキー:ピアノ編曲によるバッハ・無伴奏チェロ組曲』 2000年
- 『Ch.V.アルカン:ALKAN in 1837』 2001年
- 『セルゲイ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、第3番(ピアノ2台用編曲)』 2009年
- 『セルゲイ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番、第4番、パガニーニの主題による狂詩曲(ピアノ2台用編曲)』 2010年
- 『レオポルト・ゴドフスキー:ショパンのエチュードによる練習曲全曲 + α(59曲)』 2010年
- 『プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番、第2番、第3番(ピアノ2台用編曲)』 2013年
- 『スクリャービン:交響曲第3番(四手連弾用編曲)、第5番(ピアノ2台用編曲)他』2015年
- 『ブランデンブルク協奏曲(全曲)ピアノ独奏用編曲』2016年
- 『チャイコフスキー交響曲4番、6番(ピアノ2台8手版)』2017年
- 『眠れる森の美女(全曲)ピアノ独奏版』2018年
- 『くるみ割り人形 ピアノ独奏版』2019年
注釈
[編集]- ^ 『レオポルト・ゴドフスキー:ショパンのエチュードによる53の練習曲より27曲』(1991)解説
- ^ Virtual Pianist >> MICHAEL NANASAKOV
- ^ 七澤順一「超技巧曲、弾き手は電算機 ― ゴドフスキー編曲集を3年でCD自費制作」『日本経済新聞』1991年7月4日、文化欄。
- ^ 2002年に『超絶技巧百番練習曲』の抜粋が録音されたが、ソラブジ・アーカイヴの許諾を得られなかったため発表されていない。
- ^ 『セルゲイ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、第3番(ピアノ2台用編曲)』(2009)解説
外部リンク
[編集]- Virtual Pianist >> MICHAEL NANASAKOV‐公式サイト
- ミヒャエル・ナナサコフ (@nanasakov) - X(旧Twitter)
- Ch. V. ALKAN Scherzo Focoso Op. 34, MICHAEL NANASAKOV - YouTube 演奏風景を視聴できる。