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マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン
クイーンの楽曲
収録アルバムクイーン II
リリースイギリスの旗 1974年3月8日
アメリカ合衆国の旗 1974年4月9日
日本の旗 1974年6月25日
録音1973年8月
ジャンルプログレッシブ・ロック
ハード・ロック
時間6分33秒
レーベルEMIUK
ハリウッド・レコード(US
作詞者フレディ・マーキュリー
作曲者フレディ・マーキュリー
プロデュースクイーン
ロイ・トーマス・ベイカー
ロビン・ケーブル
その他収録アルバム
クイーン II収録曲
サイドホワイト
  1. 「プロセッション」
  2. 「父より子へ」
  3. 「ホワイト・クイーン」
  4. 「サム・デイ・ワン・デイ」
  5. 「ルーザ・イン・ジ・エンド」
サイドブラック
  1. オウガ・バトル
  2. フェアリー・フェラーの神技
  3. 「ネヴァーモア」
  4. マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン
  5. 「ファニー・ハウ・ラヴ・イズ」
  6. 輝ける7つの海
ミュージックビデオ
「The March of the Black Queen」 - YouTube

マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」(The March of the Black Queen)は、クイーンの楽曲で、1974年発表のアルバム『クイーン II』のサイドブラックに収録されている。作曲・作詞共にフレディ・マーキュリーが手掛けた。

概要

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クイーンが結成される前からこの歌の作曲に取り組んでいたフレディは、インタビューで「その歌は完成するのに何年もかかった。」と語った[1]。多面的な構成でバンドの曲の中で2番目に長く、ポリリズム(2つの異なる拍子記号 8/8と12/8を同時に奏する)を含む珍しい構成およびエンドアップテンポセクションの周りの単純なポリリズム。これはポピュラー音楽では非常にまれなことである。

ブライアン・メイはこの曲を『ボヘミアン・ラプソディ』の前身と見なし、「ファーストアルバムで『マイ・フェアリー・キング』をすでに作り、『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』も作ったことを念頭に置いてほしい。フレディが不思議な領域に踏み込んでいることはよく分かっていたし、とても楽しいことだった。」と語り[2]、2008年1月には自身のウェブサイトで「フレディは1970年の春ごろにはこの曲のモチーフを書き溜めていた」ことと、「バンド名のきっかけになった要素のひとつ」と語っている[3]。また、「ファーストアルバムの裏ジャケットにトランプのスペードのクイーンが配されているのは、セカンドアルバムに『ブラック・クイーン』が入ることの伏線だ」と2009年に語っている[4]。 ロジャー・テイラーは1977年のインタビューで、「16トラックのテープが本当に透明になった...テープは何度も(録音)ヘッドを越えてオーバー・ダビングしたから、酸化膜が剥がれていたんだ。」と語った[1]

批評家はこの曲の歌詞の書き手の性的指向について論じたが、フレディは「好きなように解釈してもらって構わない」「一種のおとぎ話」だとニュー・ミュージカル・エクスプレス誌に語っている[5]

アルバム『クイーン II』では、この曲と『ネヴァーモア』『ファニー・ハウ・ラヴ・イズ』の3曲にプロデューサーとしてロビン・ジェフリー・ケーブル(Robin Geoffrey Cable)の名前がクレジットされている。ケーブルはトライデント・スタジオのエンジニアで、フレディがラリー・ルレックス名義でリリースした『アイ・キャン・ヒア・ミュージック』、『ゴーイン・バック』で試みたフィル・スペクター風の「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる全体を包み込むような音像を『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』と『ファニー・ハウ・ラヴ・イズ』『ネヴァーモア』に取り入れるために協力したものである[6]

曲中のチューブラーベルブライアン・メイカスタネットはプロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーによる演奏[7]

プレタティンで行われた第20回クイーン・インターナショナル・ファン・コンベンションで、この曲のデモ・バージョンが披露された[8]

シングルカットはされなかったが、人気がある曲である[9]。全体を演奏するのは複雑すぎてライブで演奏できなかったが、1974年10月から1976年9月のごろまでのツアーでは、ハード調の部分がメドレーの中で演奏されており、『ボヘミアン・ラプソディ』のコーダ部分や「リロイ・ブラウン」へのつなぎとなった[10][11]。『ライヴ・アット・ザ・レインボー‘74』、『オデオン座の夜〜ハマースミス1975』のメドレーの中に収録されている。

この曲は次の曲の『ファニー・ハウ・ラヴ・イズ』と連続していたが、『ディープ・セレクション 1973-1976』や『グレイテスト・ヒッツ・イン・ジャパン』に収録されているバージョンでは編集で独立した形になっている[12]

またこの曲はBBCセッションズで『ホワイト・クイーン』とともに録音されているという説があるものの『オン・エア〜BBCセッションズ』には収録されておらず、アルバム・バージョンが放送されたとされている[13]

出典

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  1. ^ a b Chapman, Phil (July 2019). This Day In Music's Guide To Queen. This Day In Music Books. p. 209. ISBN 978-1-9995927-8-3 
  2. ^ “Brain May Discusses Queen's Greatest Moments”. Guitar World. https://www.guitarworld.com/artists/interview-brian-may-discusses-queens-greatest-moments 18 February 2018閲覧。. 
  3. ^ Lemieux,Unger,2018 (Kindle版 752/27437)
  4. ^ Lemieux,Unger,2018 (Kindle版 1025/27437)
  5. ^ マーティン パワー (著), 田村 亜紀、川原 真理子 (訳)『クイーン ─ 全曲解説シリーズ』シンコーミュージック、2006年9月1日、37頁。ISBN 978-4401630547 
  6. ^ Purvis,2012 (Kindle版 6110/17364)
  7. ^ Purvis,2012 (Kindle版 803/17364)
  8. ^ Lemieux,Unger,2018 (Kindle版 1288/27437)
  9. ^ 100 Greatest Queen Songs” (英語). digitaldreamdoor.com. 2020年8月20日閲覧。
  10. ^ Purvis,2012 (Kindle版 8127/17364)
  11. ^ Purvis,2012 (Kindle版 11314/17364)
  12. ^ Lemieux,Unger,2018 (Kindle版 23936/27437)
  13. ^ Purvis,2012 (Kindle版 1759/17364)

参考文献 

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  • Purvis, Georg (2012). Queen: Complete Works (English Edition). Titan Books 
  • Lemieux, Patrick; Unger, Adam (2018). The Queen Chronology (2 ed.). Across The Board Books