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マーサ・ナカムラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーサ・ナカムラ
(Martha Nakamura)
誕生 日本の旗 日本・埼玉県
職業 詩人
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 早稲田大学文化構想学部
活動期間 c2016 -
ジャンル 現代詩
代表作 『狸の匣』、『雨をよぶ灯台』
主な受賞歴 第28回「萩原朔太郎賞」
公式サイト マーサ・ナカムラ 詩の広場
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マーサ・ナカムラ(Martha Nakamura, 1990年 - )は、日本の詩人中原中也賞萩原朔太郎賞などを受賞。

経歴

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1990年、埼玉県北葛飾郡松伏町に生まれる[1]

共立女子中学校・高等学校を経て、早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系を卒業[2][1]

大学で詩を学んだことがきっかけで詩を書くことになる。金原瑞人との対談(『現代詩手帖』誌に掲載)によると、もともとは小説家になりたかった。しかし大学に入ってみると周囲には小説家志望の学生が多く、また自分は彼らに比べて文才に劣る、と次第に夢を失っていく。転機は蜂飼耳の授業を受けたこと。3年生より詩作を始める[3]。詩人で気仙沼図書館元館長[4]の千田基嗣は、「早稲田大学で学んだことが、決してマイナスではない、というか、むしろ決定的な条件として機能したというふうにも言ってしまっていい」と感想を述べる[5]

大学卒業後の2014年、『現代詩手帖』誌に投稿を開始。2016年、第54回「現代詩手帖賞」受賞[6]

2018年2月10日山口市湯田温泉ユウベルホテル松政で行われた選考会で、詩集『狸の匣』に第23回「中原中也賞」が授与される。高田博厚制作の中原中也ブロンズ像のほか、賞金100万円が贈られる[7]

2020年9月2日前橋市は詩集『雨をよぶ灯台』に第28回「萩原朔太郎賞」を授与したと発表。受賞時29歳はこの賞の開始以来最年少[6]。ナカムラは「受賞の報せを受け、ただただ驚いております。諸先輩方から激励をいただいた気持ちです。これからも詩の道を自由に楽しみながら精進します」とコメントを寄せた[8]

2021年2月6日 - 6月6日前橋文学館にて特別展「変な話をしたい。―異界への招待―」が開催される。詩作を始めた当初のメモ、創作ノートなどを展示。ナカムラの「異界を生む」能力の秘密に迫る[9]

2021年9月28日早稲田大学は第8回早稲田大学坪内逍遙大賞の受賞者を発表した。ナカムラは「奨励賞」を受賞。選考委員会は記者会見で「この詩人の最大の魅力は、現代詩の枠を踏み越えそうな勢いを冷静に抑えて言葉を軋ませる、よい意味での落ち着きと図太さにあるだろう。若さの使いこなしの特異さに、大きな期待を寄せたい」などとコメント[1]

出版

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詩集

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  • 『狸の匣』(思潮社, 2017/10/31)ISBN:9784783735953
  • 『雨をよぶ灯台』(思潮社, 2020)ISBN:9784783737001

雑誌等掲載作品

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詩作品
  • 「巻頭表現 鯉は船に乗って進む」 - 『文學界』2017年11月号
  • 「夜の思い出」 - 『三田文學』2018年5月号
  • 「赤い洋灯の点く歌合わせ」 - 『現代詩手帖』2019年1月号
  • 「なかへと」 - 『現代詩手帖』2019年12月号
  • 「和邇」 - 『現代詩手帖』2020年2月号
  • 「青々と続く通せんぼ」 - 『現代詩手帖』2020年9月号
  • 「雨をよぶ灯台(一部掲載)」 - 『新潮』2020年11月号
  • 「篠の目原を行く」 - 『現代詩手帖』2020年12月号
  • 「星鳥」 - 『詩とファンタジー』42号(2020年12月)
  • 「鏡子と学校 柔らかな壁を押す」 - 『現代詩手帖』2021年2月号
  • 「やぶれ網子 柔らかな壁を押す」 - 『現代詩手帖』2021年4月号
  • 「米袋 柔らかな壁を押す」 - 『現代詩手帖』2021年8月号
エッセイなど
  • 「校舎内の異界について」 - 『群像』2018年7月号
  • 「御霊まつり」 - 『文學界』2020年5月号

出典

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  1. ^ a b c 【詳報】第8回早稲田大学坪内逍遙大賞:大賞 桐野 夏生さん、奨励賞 マーサ・ナカムラさんの記者会見”. waseda.jp. 早稲田大学 (2021年9月30日). 2021年10月6日閲覧。
  2. ^ 共立女子中高”. 2024年2月4日閲覧。
  3. ^ 「対談 マーサ・ナカムラ+金原瑞人」『現代詩手帖』第61巻第4号、思潮社、2018年、12頁、ISSN 1342-5544 
  4. ^ 『気仙沼市の図書館100年のあゆみ』気仙沼市図書館、2018年3月29日、75頁。 
  5. ^ 千田基嗣 (2018年5月5日). “マーサ・ナカムラさんが早稲田文化構想学部の出身であること あるいはサンタ駆動”. . 2020年10月1日閲覧。
  6. ^ a b 市川勘太郎 (2020年9月3日). “自由自在、異世界の詩 マーサ・ナカムラさん最年少で朔太郎賞に 選考委員「若くて素晴らしい才能」”. 東京新聞TOKYO Web. The Chunichi Shimbun. 2020年10月1日閲覧。
  7. ^ 第23回中原中也賞がマーサ・ナカムラさんの『狸の匣』に決定しました”. city.yamaguchi.lg.jp. Yamaguchi City (2018年2月11日). 2020年10月1日閲覧。
  8. ^ 「史上最年少の受賞者 萩原朔太郎賞が決定しました」『広報まえばし』第1661号、前橋市役所、2020年10月1日、5頁。 
  9. ^ 「変な話をしたい。―異界への招待― 第28回萩原朔太郎賞受賞者マーサ・ナカムラ展」『前橋文学館だより』第3号、前橋文学館、前橋市千代田町、2021年3月31日、3頁。 

外部リンク

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