マンボ・グラフィックス
マンボ・グラフィックス(Mambo Graphics)、あるいは単にマンボ(Mambo)は、1984年にシドニーで設立された[1]、オーストラリアのサーフィン・ファッション、ストリートファッション[2]の会社、またそのブランド。政治的、宗教的に、あるいは、ユーモアとしてもどぎついテーマによるグラフィックデザインでよく知られている[3]。もともとマンボは、1984年に、ファントム・スクリーン・プリンティング(Phantom Screen printing)[4]というシルクスクリーン印刷所の中に設けられたTシャツ印刷部門として、創業者デア・ジェニングス(Dare Jennings)が発足させたものであった[5][6]。1980年代では、自社での印刷、Tシャツ製造などを行なっていたが、1990年以降は製造工程は委託生産に切り替わった[1]。
マンボは2000年に株式が売却され、オーストラリア資本の有力なアパレル企業であるガザル・コーポレーション(Gazal Corporation)の傘下となった[1]。マンボは大規模かつ商業的に衣類、織物、その他の関連商品を製造して、年に1200万オーストラリア・ドル以上の売上高を達成している。マンボは、地元オーストラリアでも、国外でも、サーフィン関係のイベントをいろいろ主催しており、また、リーチ・アウト(Reach Out:精神障害をもつ若者を支援する国際的な非営利団体)や、グリーンピース (NGO)に対して資金提供を行なっている[1]。マンボは、国外にも製品を大規模に輸出しており、若い才能を発掘し、斬新な製品、芸術品、高品質の衣類を生産している。
マンボは、オーストラリア資本の企業であるが、製品の生産はインドネシア、中国、香港など国外の各地[1]でも行なわれているため、「made near Australia(オーストラリア周辺で製造)」と表現される[5]。
1980年代のマンボは、「poo-shooter」(犬が放屁する図柄)のTシャツを生産し、オーストラリア国内ではどこでも見かけるほどの流行を生み出した。2000年のシドニーオリンピックの際には、オーストラリア選手団にプリント柄のアロハシャツを提供した[3]。現在、マンボは、世界中に22店舗の直営店を構え、ニュージーランド、アジア、ヨーロッパについては販売代理店を置いている。
オーストラリアのロック・バンド、メンタル・アズ・エニシング(Mental As Anything)の元メンバーであるレグ・モンバッサ(Reg Mombassa)は、マンボのデザイナーとしても有名である[7]。マンボッサは、Tシャツに付けられる「Mambo's」というロゴタイプにも大きな貢献をした。
マンボのシャツは、メディアにも登場することがある。例えば、アメリカ合衆国のSFテレビドラマ『ファースケープ』に登場する、主人公ジョン・クライトンの意識の中にだけ存在するスコーピアス(Scorpius)のクローン、ハーベイ(Harvey)は、浜辺などのシーンで耐熱服の上にマンボのシャツを着ている。
出典・脚注
[編集]- ^ a b c d e “Corporate Entry, Mambo Graphics Pty Ltd (1984 - )”. RMIT University. 2011年5月14日閲覧。
- ^ Mambo (2005年2月20日). “Mambo Launch ‘Irony Takes A Holiday’”. Mambo. 2011年5月14日閲覧。
- ^ a b 林カオリ (2008年5月14日). “カッコイイだけじゃない、マンボのデザイン”. リクルート. 2011年5月14日閲覧。
- ^ 社名は、Phantom Textile Printers とする資料もある。
- ^ a b Rachel Buchanan (1994年4月1日). “Where It's Happenin'”. The Age 2011年5月14日閲覧。
- ^ 共同創業者として Andrew Rich の名を挙げる資料もある。
- ^ “REG MOMBASSA”. Reg Mombassa. 2011年5月14日閲覧。
参考文献
[編集]- Rick Poynor (2002年). “An interview with the Mambo artist”. Eye (London: Quantum Publishing) 12 (46) 2011年5月14日閲覧。
外部リンク
[編集]- Mambo - 公式サイト
- MamboSurfDeluxe - ユーロッパ向け公式サイト