マンガル・ショブハジャトラ
マンガル・ショブハジャトラ মঙ্গল শোভাযাত্রা | |
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2015年のマンガル・ショブハジャトラ | |
状況 | 継続中 |
種類 | 大行進 |
日程 | 4月14日 |
頻度 | 毎年 |
会場所在地 | ダッカ大学キャンパス |
座標 | 北緯23度44分00秒 東経90度23分27秒 / 北緯23.733242度 東経90.3909218度座標: 北緯23度44分00秒 東経90度23分27秒 / 北緯23.733242度 東経90.3909218度 |
開催国 | バングラデシュ |
経年 | 1989年以降 |
主催 | ダッカ大学美術学部 |
Mangal Shobhajatra on Pahela Baishakh | |
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国 | バングラデシュ |
種類 | 社会的習慣、儀式、お祭り |
登録基準 | 参照 |
参照 | 01091 |
地域 | アジア太平洋 |
登録史 | |
登録年 | 2016年 (第11回) |
一覧 | 代表 |
マンガル・ショブハジャトラ(英語:Mangal ShobhajatraまたはMangal Shovajatra、ベンガル語: মঙ্গল শোভাযাত্রা)は、バングラデシュにおいて、ベンガル新年 初日に行われる大行進をいう[1]。1989年から開始され、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録された[2]。
起源
[編集]背景
[編集]1975年に当時の大統領ムジブル・ラフマンが軍部のクーデターにより暗殺されて以降、バングラデシュはジアウル・ラフマン大統領が指導する軍事政権の支配下におかれることとなった[3]。ラフマンが1981年に暗殺された後、1982年にはフセイン・モハンマド・エルシャドが無血クーデターにより大統領の地位に就いた[3][4]。これらの軍事政権は反世俗主義的な姿勢をとっており、1977年には憲法から政教分離主義を削除し、1988年には再度憲法を改正してイスラム教を国教とした[3]。エルシャド政権に対しては何度も抗議運動が行われたが、1983年に行われた最初の大規模な抗議運動では5名の学生が死亡し[4]、また1987年にダッカで発生した大規模な抗議運動では、反軍事政権活動家ヌール・ホサインが警察により射殺されたのをはじめ[5][6]多数の死傷者が発生するという状況にあった[4][7]。
加えて、バングラデシュは自然災害の多い地域であり、1980年に20世紀最大といわれる大洪水を経験し、それ以降もしばしば洪水に苦しめられてきた[8]。
大行進の開始
[編集]ダッカ大学美術学部の学生らは、こうした1980年代の苦しい状況にクリエイティブな方法で立ち向かい、人々に未来への希望を与える手段として、1989年のベンガル新年に色鮮やかな大行進を行うこととした[2][9][10][11]。この大行進は、ベンガル語で「幸福のための行進」を意味するMangal Shobhajatraと名付けられた[9]。
内容
[編集]マンガル・ショブハジャトラはダッカ大学美術学部の教員および学生により組織されるものであるが、大学関係者だけではなく非常に多くの人々が参加するものとなっている[12][1]。この大行進は半世俗主義的な軍事政権への抗議運動として開始されたという経緯から、バングラデシュの人々による世俗主義の表明であり、様々な宗教による共存を示すものであると大学関係者は考えている[12]。2016年の無形文化遺産登録の際には、ユネスコはこの大行進の趣旨を以下のようなものとした[2][9][11]。
人々は鳥、魚、動物その他のモチーフを表した巨大な模型を携えて大行進に参加し、中には6メートルもの大きさになるものもある[12]。これらの模型は、悪を象徴するもの、勇気および強さを象徴するものならびに平和を象徴するものがセットとなっている[2]。ダッカ大学の学生らは大行進に向け、3月からこれらの模型を作成する[2]。
ユネスコによる無形文化遺産登録
[編集]マンガル・ショブハジャトラは2016年にユネスコ無形文化遺産に登録され、「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(代表一覧表)」に記載されている[2][9][13]。
2014年、バングラアカデミーはダッカ大学関係者らの同意を得て、ユネスコ無形文化遺産登録のための提案書を作成し、バングラデシュ文化省の承認を得て、これをユネスコに提出した[2][10]。2016年11月30日にアディスアベバ(エチオピア)で開催されたユネスコ無形文化遺産保護条約第11回政府間委員会において、マンガル・ショブハジャトラを無形文化遺産として代表一覧表に登録することが決定された[14][13][10]。
出典
[編集]- ^ a b Habib, Haroon (2012年4月28日). “Dramatic dawn” (英語). The Hindu 2016年11月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Mangal Shobhajatra on Pahela Daishakh” (英語). UNESCO (2016年11月30日). 2016年11月30日閲覧。
- ^ a b c 『バングラデシュの概要と最近の政治情勢』(PDF)(レポート)在バングラデシュ日本大使館、2005年10月31日、5頁 。2017年2月28日閲覧。
- ^ a b c “The Rocky Road of Democracy” (英語). The Daily Star. (2016年12月6日) 2017年1月4日閲覧。
- ^ “Dissent and the price of freedom” (英語). The Daily Star. (2016年11月10日) 2017年1月22日閲覧。
- ^ “Shaheed Noor Hossain Day observed” (英語). Prothom Alo. (2015年11月10日) 2017年1月22日閲覧。
- ^ Weisman, Steven R. (1987年11月11日). “3 Die As Police Clash With Protesters In Bangladesh” (英語). New York Times 2017年2月28日閲覧。
- ^ 杉山大志『バングラデシュにおける地球温暖化への適応について』(PDF)(レポート)電力中央研究所社会経済研究所、2016年2月4日、5頁 。2017年2月28日閲覧。
- ^ a b c d “UNESCO recognises Mangal Shobhajatra as cultural heritage” (英語). The Daily Star. (2016年11月30日) 2016年11月30日閲覧。
- ^ a b c Diplomatic Correspondent (2016年12月1日). “Unesco lists Mangal Shobhajatra as cultural heritage” (英語). The Daily Star (Dhaka, Bangladesh) 24 January 2017閲覧。(この記事の和訳はBDD Newsに掲載されている。)
- ^ a b “Pohela Boishakh’s rally gets UNESCO’s recognition” (英語). Prothom Alo 2016年12月1日閲覧。
- ^ a b c “'Mangal Shobhajatra' for removing evil” (英語). bdnews24.com. (2015年4月14日) 2016年11月30日閲覧。
- ^ a b “UNESCO lists Mangal Shobhajatra as cultural heritage” (英語). Prothom Alo. (2016年11月30日). オリジナルの2016年12月1日時点におけるアーカイブ。 2017年2月27日閲覧。
- ^ “Decision of the Intergovernmental Committee: 11.COM 10.B.3” (英語). UNESCO (2016年11月30日). 2017年2月28日閲覧。