マハマト・デビ
マハマト・デビ محمد ديبي Mahamat Déby | |
任期 | 2022年10月10日 – 現職 (2024年5月23日までは暫定大統領) |
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首相 | アルベール・パイミ・パダケ サレハ・ケブザボ スュクセ・マスラ アラメー・ハリナ |
任期 | 2021年4月21日 – 2022年10月8日 |
副議長 | ジマドゥム・ティライナ |
首相 | アルベール・パイミ・パダケ |
出生 | 1984年4月4日(40歳) チャド ンジャメナ |
政党 | 愛国救済運動 |
出身校 | エクス=アン=プロヴァンス陸軍士官学校 |
配偶者 | ダハバヤ・ウマル・スーニ 他2人 |
子女 | 9人 |
親族 | イドリス・デビ(父) グクーニ・ウェディ(義父) |
宗教 | イスラム教 |
軍歴 | |
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渾名 | マハマト・カカ |
所属組織 | チャド共和国陸軍 |
最終階級 | 大将 |
戦闘 |
チャド内戦 マリ北部紛争 チャド北部反乱 |
マハマト・イブン・イドリス・デビ・イトゥノ(アラビア語: محمود بن إدريس ديبي إتنو, フランス語: Mahamat Idriss Déby Itno, 1984年4月4日 - )は、チャドの軍人。現在、同国大統領。父は前大統領のイドリス・デビで、イドリスがチャド北部で軍の指揮にあたっていた際に急死した2021年4月20日、暫定軍事評議会議長として権力を掌握した[1]。マハマト・カカの通称で知られる[2]。
経歴
[編集]チャド国内、次いでフランスのエクス=アン=プロヴァンスにある士官学校で軍事教育を受けた。2006年4月、首都ンジャメナを反政府勢力の襲撃を受けた際に初めて実戦を経験した。のちアブー・バクル・アル・サイード将軍に従ってチャド東部を転戦し、少佐に昇進した。2009年5月のアム・ダムの戦いで自ら政府軍を率い、反政府軍を破った[3]。
2013年2月には、マリ北部のイフォガス山地を拠点とする反政府軍と交戦(イフォガスの戦い)。反政府軍の基地を壊滅させ、「非常に大きな」戦果を挙げたが、これによって特殊部隊司令官のアブドゥル・アズィーズ・ハッサン・アダムなど、26名が死亡した。マハマットはマリ北部のチャド軍部隊の全権を掌握しており、同地の反政府軍に対して先頭に立ち作戦を展開している[4]。
2021年4月20日、マハマトの父のイドリス・デビがチャド変革友愛戦線 (FACT) の手によって殺害されると、軍は政府と国会を解散し、マハマト率いる暫定軍事評議会が以後18か月間、国内を統治すると表明した[5]。憲法に代わって新たに発布された憲章によって、マハマトは暫定大統領および軍の最高指導者とされた[6]。9月24日には93名の議員を指名し、暫定議会を発足させた[7]。
大統領職継承に関する憲法の規定を無視した暫定軍事評議会の設置には、チャド国内の政治関係者からもクーデターとする声が上がった[8]。すなわち、憲法にのっとるならば、暫定大統領に就任すべきは国会議長のハルーン・カバディであり、かつ、暫定大統領就任45日後から90日後の間に選挙が実施されなければならない[9]。しかし、チャドの外交上の同盟国であるフランスは、反乱軍によって引き起こされた「非常事態」を理由にこの展開を擁護した[10]。一方、FACTは「チャドは君主国ではない」とする声明を発し、ンジャメナに侵攻し、マハマトを権力の座から引きずり下ろすまで戦いを継続すると、新政権を公然と脅迫した[11]。
暫定軍事政権の統治期間は2022年10月下旬に終了する予定であったが、同年10月1日に2年間延長が決議された[12]。10月10日に暫定大統領に就任[13]。
2023年7月26日に隣国ニジェールで軍事クーデターが発生した際には直後に首都ニアメを訪問してクーデター実行部隊の副リーダー、サリフォウ・モディ将軍と会談し、政権を手放すよう伝えた[14]ほか、大統領の座を追われたモハメド・バズムとも会談し、その際の写真はクーデター後にバズムの健在を世界に示す写真となった[15]。これが軍事クーデター発生以来、はじめてニジェール入りした外国首脳であった。ニジェール軍事政権に対して軍事介入をほのめかすほど圧力を強めつつあった西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)に対しては、ボラ・ティヌブ議長(ナイジェリア大統領)にチャドが非加盟国であるにもかかわらず会談直後に内容を報告した[16]。
2024年5月6日に行われた大統領選挙で6割強を得票して当選した[17]。
脚注
[編集]- ^ “Chad President Idriss Deby dies visiting front-line troops: Army”. Al Jazeera (April 20, 2021). April 20, 2021閲覧。
- ^ “Idriss Deby's son Kaka named interim head of state, says army spokesman” (April 20, 2021). April 22, 2021閲覧。
- ^ Editor, PM NEWS (20 April 2021). “Chad: Slain Deby’s son Mahamat Deby Itno heads military council”. P.M. News 20 April 2021閲覧。
- ^ “Le général Mahamat Idriss Déby Itno, 29 ans et fils d’Idriss Deby, commande la force tchadienne au Mali” (フランス語). bamada.net (16 February 2013). 20 June 2013閲覧。
- ^ “Chad's President Idriss Déby dies 'in clashes with rebels'”. BBC News. 20 April 2021閲覧。
- ^ Ramadane, Madjiasra Nako, Mahamat (April 21, 2021). “Chad in turmoil after Deby death as rebels, opposition challenge military” (英語). Reuters April 21, 2021閲覧。
- ^ “Chad’s military ruler Mahamat Deby names transitional parliament”. Al Jazeera English. アルジャジーラ. (2021年9月24日) 2021年9月25日閲覧。
- ^ “Chad president's death: Rivals condemn 'dynastic coup'”. BBC News. April 22, 2021閲覧。
- ^ “Chad's Constitution of 2018” (英語). constituteproject.org. Constitute Project. 20 April 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月23日閲覧。
- ^ Irish, John (April 22, 2021). “With eye on Islamist fight, France backs Chad military takeover”. Reuters. April 22, 2021閲覧。
- ^ “Who are Chad’s FACT rebels and what are their goals?”. Al Jazeera (April 21, 2021). April 22, 2021閲覧。
- ^ “Junta set to stay in power after Chad delays elections by two years”. ロイター. (2022年10月3日) 2022年10月3日閲覧。
- ^ “Chadian junta leader Mahamat Deby sworn in as President”. The EastAfrican. (2022年10月10日) 2022年10月13日閲覧。
- ^ “ニジェールに大統領復権を要求、武力行使も辞さない構え 西アフリカ諸国”. BBC News. BBC. (2023年7月31日) 2023年7月31日閲覧。
- ^ “ニジェール大統領健在確認 クーデター後初、閣僚拘束”. 共同通信社. (2023年8月1日) 2023年8月1日閲覧。
- ^ “ニジェール軍指導者と会談 チャドの暫定大統領”. 産経新聞. (2023年7月31日) 2023年8月1日閲覧。
- ^ “チャド大統領選、現職デビ氏が勝利 対立候補の不正訴え認められず”. 時事通信. (2024年5月17日) 2024年5月21日閲覧。